バショウの育て方

バショウの育て方

バショウ科自体は単子葉植物ショウガ目に属しています。そのため分布はショウガ科と似て熱帯を中心に分布するが比較的耐寒性は高く、さらに多くは高温多湿の環境に適応しています。雄雌同株で、夏から秋に大型の花序を垂れ下げ、雌花は花序の下に、雄花は花序の上につきます。

育てる環境について

バショウは温帯性で、九州以南の島々には存在していません。ジャパニーズバナナと呼ばれていますが、耐寒性が非常に強いため、日本でもよく庭先や山などで見かけます。大型の植物で、大きな庭や社寺などによく植えられているバナナの仲間でも雄大なイメージがついてまわっています。有機質に富んだ土壌と日当たりのよい場所に植え付けすると良いでしょう。

できれば栽培には、やや粘質があり、水分の保持良好な土質がよいでしょう。鉢植えにする場合には、赤玉土小粒7、腐葉土3の配合土など、やや水はけのよい用土が適します。また風の強く吹き込まない場所が適しています。植え穴については、なるべく大きく掘って、堆肥を施しておくようにすると良いでしょう。植えつけた後、充分な肥培と水やりが行うようにしてください。

結実を終えた株はいずれ枯れるので、根ぎわから出る吸芽を後継株として残すようにします。地上30センチぐらいで切り倒して、株元の敷草あるいは堆肥として利用すると良いでしょう。仮茎の高さが1.5メートルから2メートルになると実を付けます。追熟することで食べる事もできます。実はとても甘くて美味しいです。

株立ちは年とともに次第に数を増してきます。株数6本以上は立てないようにしましょう。株数多く立てたままだと株の生育が軟弱になってしまいます。鉢植えの場合は、根詰まりに注意してください。根詰まりになってしまうと、生育が衰えてしまいます。1年に1回は、植え替えるようにしてください。

種付けや水やり、肥料について

育て方としては、種子から育てる方法と株分けによる方法があります。種子や苗が市販されていますので、そういうものを利用するのも良いでしょう。春~夏に種を撒きます。発芽温度20度から25度となっています。鉢植えの場合には、一年を通じて。鉢土が乾いたらたっぷり与えるようにします。土の表面が乾いてから1日置いて与えるようにすると良いでしょう。

水やりは、根に水分を補給させるという目的が主なものですが、もう一つの役割として根の呼吸を助けるという役割もあります。土の中に十分な酸素を確保するために、一度土を乾かす必要があるためです。土が常に湿っている状態では、根が酸素と二酸化炭素の交換を十分に行えなくなってしまいますので、土の渇きが大切になってきます。肥料は年に2回程度、また4月と7月に有機質肥料の追肥を行えば十分です。

またその大きさ故に、日本においては意外と風がやっかいな問題となってきます。台風等により強い風を受けてしまいますので、特に庭植え等の植え込みを行う場合には、その場所の風通しの状況をよく考える必要があります。耐寒性は非常に強く3度くらいまでであれば、平気で冬越しをすることができます。植え込みについては、まず窪みを作って植え込み、そこに8割ほど土を入れてから水を注ぎます。その後に上下に草体を揺らします。

こうすることによって、根の間に入った空気を追い出し、土と根を密着させることができるようになります。こうすることで倒れにくくすることができます。病気や害虫には基本的には強いのですが、特に鉢植えの場合には、乾燥が続くと葉ハダニが発生することがあるので、葉水をこまめに与えて、発生を防ぐようにしましょう。カイガラムシの発生にも注意します。

増やし方や害虫について

株分けでも増やすことができます。一度開花した茎は枯れてしまいますので、若い株を植えるようにします。4月から9月ごろが適期で、株分けする際は、根に土ができるだけ多くつくように分けましょう。もし土が根にほとんどつかない状態で株分けせざる得ない場合には、地上部を、地際近くまでバッサリと切り戻してしまうと良いでしょう。そこからまた新しい芽が出てくるので心配ありません。

植え穴には完熟堆肥を十分にいれてあげるようにしてください。幹についた枯れた古皮をそのままにしてしまうと、そこから内側に虫が侵入したり、見栄えも悪くなってしまいます。庭木を植える時には必須の作業ですし、また家庭で楽しむ場合でも、その都度はがしてあげるほうが良いでしょう。きちんと管理してあげれば、気軽にトロピカルガーデンを楽しめるのがバショウの魅力です。

葉ダニが発生することがありますが、これは水に弱いため定期的に葉の裏に散水することで寄生することを防ぎましょう。葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の表面から見ると、針先でつついたような白い小斑点が出てきます。数が多くなると白くカスリ状にまとまって見えてくるようになります。被害が進行するに従って葉色は悪くなります。

これによって枯れてしまうことはないのですが、生育が悪くなり、葉色もさえないため美観が損なわれてしまいます。カイガラムシの場合、直接的な被害と間接的な被害があります。直接的な被害は美観を損ね、生育に悪影響を及ぼすことです。また間接的な被害としては排泄物の上にすす病になってしまう場合があります。早目に見つけて薬剤等で対処することが大切です。

バショウの歴史

バショウ(芭蕉)はバショウ科の多年草で、中国が原産といわれています。学名は、Musabasjoo、Musaは、ローマ時代のアウグスト王の侍医であるAntonioMusaに由来しています。種小名のbasjooは、そのまま「バショウ」のことです。江戸時代に、長崎にいたシーボルトが、この学名を発表しました。英名をジャパニーズ・バナナと言い、高さは2から3メートルに生長し、大きな楕円形の葉をつけますが、

長さは1~1.5メートル、幅50センチ程の大きな葉になります。花や果実はバナナとそっくりですが、食用には向いていません。熱帯を中心を生息地としているが耐寒性に富んでいるため、関東地方以南では露地植え栽培することも可能です。冬場は地上部は枯れてしまいますが、翌年の春になると地下茎から新芽がでて、8から11月ごろまで花をつけます。

「奥の細道」で知られる俳人・松尾芭蕉の俳号「芭蕉」は、深川の自宅の庭にあった門人から贈られた芭蕉からとって、自分の名前としたということです。主に観賞用として用いられますが、琉球諸島では、昔から葉鞘の繊維で芭蕉布を織り、また幹の中の繊維からは芭蕉糸が作られ、衣料などに利用していました。

現在でも、沖縄県ではバショウの繊維を利用した工芸品が作られています。他にもバショウの葉を乾燥させたものは、薬効成分があり、生薬においては芭蕉と呼ばれています。その効果には利尿や解熱の薬効があるとされています。

バショウの特徴

バショウ科自体は単子葉植物ショウガ目に属しています。そのため分布はショウガ科と似て熱帯を中心に分布するが比較的耐寒性は高く、さらに多くは高温多湿の環境に適応しています。雄雌同株で、夏から秋に大型の花序を垂れ下げ、雌花は花序の下に、雄花は花序の上につきます。バショウ科は葉鞘が発達し、偽茎と呼ばれる、茎のような姿になります。

木のように見えるが多年草であり、かつてはバショウ科に含まれていたゴクラクチョウカ科やショウガ科、カンナ科に似ています。花序の基部に4~5節のみに雌花の房が付き、先端部は下垂して雄花の房がつきます。そのどちらも多数の黄褐色の苞で覆われています。開花すると苞は直ぐに落ちます。まれに結実し、雌花のつけ根がふくらんでバナナのような形になります。

これは子房以外の部分が加わってできている偽果、その中には小さな種子が入っています。種子はヤブミョウガのエンブリオテガのような、表裏のある形態となっています。バショウとバナナは同属で、非常に良く似ています。日本で普通に育っているのはバショウで、日本の街角で普段目にするバナナらしい植物はすべてバショウと思ってよいでしょう。

その見分け方は、バナナの苞が紫色なのに対して、バショウの苞は緑色か薄黄色であることです。バナナの実は、大きくなって食べられるのに対し、芭蕉の実は大きくならず、黒い種ばかり多くて食用には適さないとされています。ただし追熟させることで、おいしく食べることが可能です。

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