大ギクの育て方

育てる環境について
大ギクの生育に適している温度は7℃から18℃前後になります。耐寒性に強い花になります。開花する為には最低7℃以上が必要と言われています。基本的には日当りの良い場所を生息地とし、有機質に富む土壌を好む傾向にあります。株の更新は1年から2年で行う必要があります。菊を植える際は花壇や鉢植えが良いでしょう。
大ギクを育てる場合、三段仕立てが最も一般的な仕立て方法になります。大ギクを育てる場合は日当たりが良く、また風通しがよい場所で軒下など雨が避けられる場所が良いでしょう。この三段仕立ては、芽の先を摘心して1本の苗から3本の側枝を伸ばしていき、それを支柱で支える方法になります。
直立させた3本の枝に一輪ずつ大きな花をつける事が出来るでしょう。また過湿を嫌う傾向にあるので気をつけましょう。最悪の場合根を傷めてしまう場合があるので注意が必要です。また、肥料を必要とするので、出来るだけ良い土質の土壌を与えるようにする必要があります。栄養満点の土をたっぷりあげて生育を助けてあげましょう。
また出来るだけ水はけの良い場所で育てるようにしましょう。また、アルカリ性の土地ではなかなか育ちにくくなってしまうので出来るだけ避けるようにしましょう。育てる環境の中で一番大切にしなくてはいけないのが日当たりです。最低でも半日は日が当たる場所で育ててあげましょう。日当たりが生育に影響する為、是非しっかり日にあててあげるようにしましょう。
種付けや水やり、肥料について
大ギクを育てる場合は5月頃から出回る大ギクの苗を購入して育てる方が良いでしょう。8号から9号くらいの深めの鉢を用意し、専用用土をいれてそこに支柱を立てていきます。鉢に鉢底土を入れ、用土を入れて苗を植え付け支柱を立てていきましょう。植え付けが終わったら、そこにたっぷりの水をあげましょう。鉢のそこから水が溢れてくるくらいが良いでしょう。
肥料をあげる場合は植え付け後、約2週間後くらいから8月末くらいまで、1ヵ月おきに与えると良いでしょう。3本仕立てにする場合は、芽の先を摘み取るようにします。成長するにつれ徐々に土が詰まって下がってくるので、株元を隠すように少しずつ用土を足すようにしましょう。大ギクは草丈が高く大きい花を咲かせるので、花をしっかりと支える必要があります。
その為、増し土は必ず行うようにしましょう。水をあげる場合は土の表面が乾いてからたっぷりあげるようにしましょう。花が咲くまでは出来るだけ毎日水をあげるようにすると良いでしょう。ただし、夕方や夜など水をあげてしまうと花が傷んでしまう可能性があるので、出来るだけ早朝などの早い時間に済ませるようにしましょう。
菊は水をたっぷりあげる必要がある花になります。土の表面が乾いてきたなと思ったらすぐに水をあげるようにしましょう。またあまり直接葉や花に水をかけるのは辞めましょう。花を傷めてしまう可能性があるので、株元に水をあげるようにしていきましょう。
増やし方や害虫について
大菊を増やす場合は挿し木や株分け、根挿しで増やす方法があります。大ギクは一度咲いたからといっておしまいではありません。元々ある株を親株として、子株を増やす事も出来る花です。是非色な方法で増やしてみましょう。お勧めは、花が終わる頃10cmから15cmくらいの高さで茎を切り取ってしまいます。
そうすると株元から冬至芽が出てくるので、11月の中頃に切り離して鉢上げをします。3月の初めに、芽の先端を摘み取ります。こうすることで脇芽を伸ばす事が出来ます。5月上旬になったら、伸びてきた脇芽を切り取り挿し芽をすると約2週間くらいで根が出てくるので、ポットに植えれば増やす事が出来ます。大ギクは比較的害虫がよってくる花になります。
アブラムシやハダニ、ハモグリバエなどが発生しやすくなっています。こういった害虫を見つけたら速やかに駆除するようにしましょう。駆除する際は、園芸用の殺虫剤など使用して駆除しましょう。また、夏場になるハダニが大量発生することがあるので殺ダニ剤など散布して速やかに退治するようにしましょう。夏場に大発生するので発生前に殺ダニ剤の散布が必要です。
他にも葉や花を食べてしまう虫など、色々な種類の害虫が姿を現す事があります。これらの虫から大ギクをしっかり防御して、きれいな花を咲かせるようにしましょう。虫に食われてしまっては、せっかくのきれいな大ぶりの花がだめになってしまいます。そうならないようにする為にもしっかり管理していきましょう。
大ギクの歴史
大輪の花を咲かせる”大ギク”。花の直径が18cm以上もの大きなもので、きれいな花を咲かせます。中国が原産です。そんな菊の歴史は大変古く、奈良時代に中国から渡来し、薬用として人々に使用されるようになったと言われています。平安時代になると多くは観賞用として、また室町時代には一般に菊作りが広まりました。
江戸時代になると、東北から九州までの城下町を中心とし、色々な種類の品種が作りだされ現代まで続いている花になります。古い歴史のなかで”万葉集”には約150種類の植物が出てきますが、その中に菊を詠んだ歌は一首もなかったそうです。その為、その事から飛鳥時代にはまだ日本に菊が入ってきていなかったということになります。
平安時代に入ると、”古今和歌集”でも菊について詠んだ歌が出てくるようになりました。中国から日本に菊が入ってきた当初は、観賞用としてではなく薬用として多くが用いられていました。その後、徐々に菊の美しさに魅了された人々が観賞用にと栽培し始めました。庶民の間にも広まった菊の花は、その後たくさんの品種を増やし人々に愛される花になっていきました。
その中でも大ギクは、大変大きな花を咲かせ見応えのある花になります。花の色も多く、大変見栄えのする花ではないでしょうか。耐寒性も強い花になりますが、「育てられれば園芸家として一人前」と言われるくらい育てるのが難しい花になります。その為、一般家庭で育てる場合は育て方に注意が必要です。
大ギクの特徴
花色や花の形、品種が大変豊富な秋の代表花である大ギク。菊の中では大変大きな花を咲かせとてもきれいな花になります。大きく分けると”厚物”、”厚走り”、”管物”などいくつかに分類されます。厚物(あつもの)とは、数百枚の花弁が花芯の中央に向かってに鱗状に高く盛り上がったものを言います。
厚走り(あつばしり)は、厚物の花の下に袋状に真っ直ぐ長い弁が放射状に開いているものを言います。管物(くだもの)は、管状の花弁が長く真っ直ぐ伸びており、花弁の先は小さく固く玉巻き状になっています。栽培の仕方は「三本仕立て」や「ダルマづくり」「福助づくり」などにして花を楽しむ事が出来ます。
「大ギク」という名前の由来は、菊の花の直径が18cm以上と大輪で、他の小さな菊に比べて花の作りに厚みがあり、大変大きく美しい姿であることからその名が付けられました。菊は中国から日本に渡来した際に、菊の音である「kuk(クク)」が日本語で転訛して「kiku(キク)」になったといわれています。現在では品種改良され、たくさんの種類が栽培されています。
草丈は60cmから90cm程になり、一般的に日本では観賞用として栽培されており多年草植物になります。大きな花を咲かせるこの大ギクは、人々の目を楽しませてくれる人気の花になります。見応えがあり、人々を圧倒する花です。まさに観賞用としてとても映える花ではないでしょうか。一輪あるだけでも存在感たっぷりです。
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