カスミソウの育て方

カスミソウの育て方

カスミソウの原産地は地中海沿岸から中央アジア、シベリアなどで、生息地は夏季冷涼なところです。カスミソウの属名ギプソフィラは、ギリシア語のgypsos(石膏)とphilios(愛する)を語源とし、石灰質の土を好むことに由来します。

カスミソウの育てる環境について

カスミソウは高温多湿に弱く、庭植えでは水はけのよい日なたに、本格的な寒さが来る前に植えて育てます。鉢植えなら風通しのよい日なたに置きますが、高温期の長雨には当てないよう気をつけます。雨で傷む前に、切り花用として花を切ってしまう方法もあります。

また真夏の直射日光を嫌いますので、梅雨があけたら遮光ネットなどを使って明るい日陰をつくり、鉢植えなら涼しい木陰に移しましょう。冬の寒さには強いですが霜には弱く、霜柱などで根が持ち上げられると株が傷んでしまう場合がありますので、

株まわりの地面を腐葉土やわらなどで覆うようにし、霜害の予防をします。ある程度育って背が高くなってきたら、支柱を立てて固定します。そうすることで茎が曲がらずまっすぐに育ちます。また摘芯して出来るだけ小さくまとめるのもきれいな立ち姿になり、見ていてきれいです。

9月から3月の幼苗期や6月から7月の梅雨期に立枯病という、茎が根元から腐って枯死する病気にかかりやすいので、できるだけ多湿にならないよう、水やりには注意するようにしてください。斑点細菌病になると葉に水浸状の褐色小斑点ができます。排水不良や連作で起こりやすい病気ですので、こちらも水のやり過ぎには注意しましょう。

また病気予防のためには常に新しい土を使う、土を消毒するのが良いです。菌核病は茎が暗色に変色して白色綿毛状のかびが生え、やがて茎葉が枯れる病気です。病気になってしまうと株を焼却し、トップジンM水和剤などの殺菌剤を散布します。他の菌類により病気になった場合も株を焼却し、殺菌剤を散布します。

種付けや水やり、肥料について

カスミソウの育て方ですが、種は9月から10月にかけてススキの穂が出る頃を目安に、覆土にはバーミキュライトの細粒を使い、タネが少し見える程度にごく薄く覆土して蒔きます。20度以上の気温では発芽しにくいので、気温を確認しながら蒔くと良いです。

寒い地方では葉桜の季節に蒔くところもあります。植え替えをする場合は2月から4月と10月から11月が時期的に良く、本葉4~5枚になった時が植え替えのタイミングですが、基本的に移植を嫌う植物です。できるだけ種を蒔いたら間引きするくらいにしましょう。

地植えの場合は株と株の間隔を20から30センチメートルとるようにします。ただ1年草カスミソウの場合は植え替えは不要です。水やりのタイミングは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらです。カスミソウは乾燥には強いですが、水をやりすぎると株が蒸れて立ち枯れたり、根腐れを起こします。

庭植えの場合はそれほど水やりは必要しませんので、晴れた日が続いた時に水やりをするくらいです。肥料については、鉢植えの場合10月から11月と3月から5月に、緩効性化成肥料と液体肥料を施します。庭植えの場合は10月から11月と3月から5月に、緩効性化成肥料を施します。

また酸性土を嫌うので、植える土に少量の石灰を混ぜておくとよいでしょう。赤玉土8:腐葉土2の割合で混ぜた土に苦土石灰を混ぜるのがポイントです。また肥料をやり過ぎると花つきが悪くなりますので、控えめにあげるくらいがちょうど良いでしょう。

増やし方や害虫について

1年草の場合は種を蒔いて増やしますが、宿根の場合は4月から5月、9月から10月にさし芽を行います。管理に気を使えば真夏でもさし芽はできますが、慣れないうちは涼しい時期の方が良いでしょう。太く充実した新芽の先端を、3から5センチメートル程度の長さに切ってからさしていきます。

さし床の用土はパーライトの細粒が適しています。さし芽から3週間くらいで発根しますので、発根後すぐに定植します。定植先は砂土が向いており、粘土質の土壌では根腐れを起こしやすくなります。ただ暑い時期の定植は枯れることがあるので、涼しい時期に、浅く定植します。

倒れそうな時は支柱で支えてください。側枝が出てきて3カ月後には開花が始まります。日が短い時期は電球の明かりを当てるなどして日照時間の調整をしてください。害虫は4月から10月の暑い間ハダニやアブラムシが発生します。風通しをよくすることで発生をある程度防げます。

また水やりの際に葉裏に水をかけると、ハダニの発生を抑えることができますので、害虫駆除の前にできるだけ予防するようにしましょう。アブラムシやハダニが発生した時は殺虫剤を散布しますが、スプレータイプが手軽で扱いやすいです。

ただ害虫によって殺虫剤の種類が違いますので、その点はよく確認してから使用するようにしましょう。アブラムシの時はパイベニカ乳剤やオレート液剤が、ハダニの時はテルスタースプレーやパイベニカスプレー、園芸用でんぷんスプレーなどになります。

カスミソウの歴史

カスミソウの原産地は地中海沿岸から中央アジア、シベリアなどで、生息地は夏季冷涼なところです。カスミソウの属名ギプソフィラは、ギリシア語のgypsos(石膏)とphilios(愛する)を語源とし、石灰質の土を好むことに由来します。日本には明治12年頃にパニクラタ種が入ってきましたが、

最近のように花束などに一般的に使われるようになったのは、組織培養などで繁殖技術が向上した昭和50年頃からです。今ではカスミソウの生産面積は日本が約400ヘクタールと世界一になっており、特に南会津地域は有名です。標高550メートル、水はけのよい土地、

涼しい気候のため病気になりにくく、他の花卉植物から転向する農家が増えてきました。また南会津町針生地区は別格で、他とは明らかに違う花の大きさなどから高値で市場取引されているほどです。園芸の世界ではパニクラタ種の他はエレガンス種がよく栽培されており、

エレガンス種の原産地はウクライナ、コーカサス、イランなどで一年草で、日本には大正元年頃に入ってきました。パニクラタ種は宿根カスミソウと呼ばれ、切り花での需要が多く、最近ではこちらの種をよく見かけるようになりました。

また7月7日は白いカスミソウが七夕の空に現れる天の川のようだという理由から生産者たちに、カスミソウの日として制定されました。熊本県では、いい夫婦の日にカスミソウを贈ろうと提案があり、2003年に11月22日をカスミソウの日と制定し、徐々に全国に広まっています。

カスミソウの特徴

カスミソウは125種類ほどあり、日本で切り花としてよく見かけるのはパニクラタ種で1メートルほどの高さに育ち、5月から7月頃に白やピンクの花を無数に咲かせ、その可憐な姿はどんな花にもあいます。また八重咲きで宿根性のカスミソウもあります。

ガーデニング用には一年草のエレガンス種や矮性のムラリスが有名です。エレガンス種の花は2センチメートル程度でやや大きく、比較的育てやすく、背丈は50から80センチメートル程度で、初心者におススメの品種です。ムラリスは、花が小さく茎は細く、葉は目立ちません。

背丈は15から30センチメートル程度なので、寄せ植えの前景用として利用されています。カーペットのように広がって咲く高山植物のカーペットカスミソウもあり、花は直径1センチメートルくらいで、カップ状に咲きます。果実は蒴果で、成熟すると実が裂けて種を放出します。

種子は扁平形で黒色をしています。全てのフラワーショップに置いているわけではありませんが、白いカスミソウを青や赤、黄色に染めたカスミソウを扱っている店舗があります。花は1時間から2時間ほどで染まりますが、湿度が高いときれいに染まりません。

きれいに染まった花を花束やフラワーアレンジメントで使うと、彩がさらに増し美しくなります。染めカスミソウは、平成22年頃、前処理材入りの染料が開発されたことがきっかけで本格的に販売が始まりました。今では大人気商品になり、プレゼント用に贈る人が増えてきています。

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