サトイモの育て方
サトイモの育てる環境について
追肥を行い土寄せをしながら育てます。サトイモは粘土質の土壌の方が味がよくなります。その他の育て方は、植え付けたあとにポリフィルムをかけて追肥することなく育てる方法です。25℃から30℃くらいが生育温度で、高温多湿の方がいいです。夏の暑さにも強いですが乾燥には弱いので注意が必要です。
乾燥すると不作になり品質も悪くなります。適正な土壌のpHは6.0から6.5くらいですが、4.1から9.1くらいまでなら生育することが可能です。また連作障害があるので3年、4年は同じ場所に作らないほうがいいです。連作を行うと腐りやすくなってしまいます。
家庭菜園の場合、プランターで育てることも可能です。しかしその際には深さが30センチ以上ある大型のプランターなら2株が目安です。とても育てる場所が必要ですがプランターなどでも少しなら育てることが可能なので、家庭でも始めることができます。
1株植えれば、たくさんのイモができるので家庭で自分たちで食べる分だけなら十分な量を収穫することができます。とにかく気をつけておきたいことは水分不足になってしまうことです。たくさんの水をあげ、とくに夏場はたっぷりとあげ、子イモの成長を助けるようにします。
乾燥を嫌うため、ポリフィルムで覆うなどし乾燥対策も必要です。肥料もたっぷりとあげると大きなものが育ちます。数回になり手間ではありますが土寄せをしっかりと行っておくとより大きなものが収穫できるようになります。
サトイモの種付けや水やり、肥料について
種付けの際気を付けるのは畝を幅を1メートルほどとることです。追肥を行いながら土寄せを行うのでこれくらい必要になります。植付けの時期は3月から5月くらいまでです。間隔を50センチから70センチほどとり、20センチほど掘って、サトイモの芽が横に同じ方向になるように植えます。
植えた後育ってくると茎がたくさん出てきて葉も多くなりますが、一番最初に出た茎以外は折り取ってしまうほうがいいです。大きなサトイモを収穫するためには栄養を集中させる必要があるからです。サトイモは水がたっぷり必要です。
とくに夏には子イモがたくさん育つのでたっぷりと水をあげます。サトイモを植え付ける際、肥料は石灰と牛糞堆肥と豚糞堆肥がいいです。とくに牛糞堆肥はたくさんの繊維を含んでいるため、粘土質の硬い土にたくさん空気を入れてくれます。しかし肥料としての効果が低いので、豚糞肥料も入れます。
豚糞肥料はとても長く効果があり、肥料としての効果も高いです。植付けの2週間くらい前には肥料をまくといいです。肥料と土寄せは同じ時期に行います。まずは本葉が2枚くらい土から出てきたときです。目安としてはサトイモの本葉が20センチほど上がったら土寄せを行います。
2回目の追肥と土寄せは本葉が3枚から5枚程度になったことです。だいたい1回目の追肥から2週間後くらいです。3回目はさらに2週間後くらいが目安です。以上のように水はたっぷりとあげ、肥料も数回あげると大きなサトイモになります。
サトイモの増やし方や害虫について
サトイモを増やすためにはとにかく肥料などの栄養をたくさんあげることと水分をたくさんあげることです。あと茎が多くでてきたら不要な茎は折り取り、1つの茎に集中して栄養をおくることが重要です。さらに土寄せを行うことも必要です。
ワタアブラムシやカンザワハダニ、セスジスズメ、ハスモンヨトウ、チビクロバネキノコバエなどたくさんの害虫が付きます。見つけ次第すぐに対応する必要があります。どれも病気になったりするため、見つけ次第殺虫剤を使うなどの対応を行います。
病気についてはかびが原因となりたくさんの種類があります。まずアルタナリア属菌によるものでこれは7月ごろに発生します。葉に不整形の褐色の斑点が現れます。6月から7月には軟腐病があります。葉が水浸状となり軟化し腐ります。そして悪臭を放ちます。9月から10月に発生するのは疫病です。
種イモ上の病原菌が原因となり、同心輪紋病斑を生じ、中心へと向かって拡大していく傾向があります。同じ時期には汚斑病というものもあります。これは葉に不鮮明な褐色の斑点が現れます。収穫には影響があまりみられません。10月ごろには乾腐病があります。種イモや土壌からの感染が原因ですが、
イモの内部へと影響を与え、スポンジ状になってしまいます。原因はカビだけでなくウイルスが原因の場合もあります。アブラムシ類によって媒介されたウイルスによりモザイク病になります。葉が委縮してしまったりモザイク症状が現れます。どの病気も見つけ次第すぐに原因を処理する必要があります。
サトイモの歴史
サトイモの原産地はインド東部からインドシナ半島にかけてだと考えられています。少なくともインドでは紀元前3000年ごろには栽培されていたという記録が残っています。民族の移動とともにサトイモはフィリピンやミクロネシアやポリネシア、オーストラリア、ニュージーランドと生息地が広がっていきました。
多くの民族で主食として食べられています。日本へサトイモが伝わったのは縄文時代のころです。稲作が始まったのが弥生時代なので、それまでの間の主食でした。イモの仲間ではサツマイモやジャガイモがありますが、これらが栽培されるようになったのは江戸時代のことなので、ずっと後になります。
サトイモは日本人の主食としてとても古くから育てられてきました。名前の通り里で育てられていたことが名前の由来です。昔からよく食べられていて、いもといえばサトイモでした。親イモに子イモそして孫イモとたくさんのイモができるということから子孫繁栄の象徴としてよく使われていました。
たくさんの種類が日本へ伝わったため、たくさんの種類があります。食べる部分などから大きく分けて4つに分類できます。1つめは子イモを食べる品種です。たくさんできた子イモや孫イモを食べます。2つ目は親イモを食べる品種です。大きく育った親イモを食べます。
3つ目は親と子イモどちらも食べる品種です。4つ目は葉柄を食べる品種です。これはイモ部分は固くて食べることができません。以上のようにサトイモは古くからありたくさんの種類があり、主食として大事にされてきた作物です。
サトイモの特徴
私たちが普段食べているのはサトイモの地下の茎の部分です。サトイモの主成分はデンプンとタンパク質です。食物繊維やビタミンB1やビタミンB2、カリウムなどを含む食材です。ビタミンCを含んでいますが、これは加熱しても壊れにくいという性質があります。
とても栄養価の高い作物です。サトイモはとてもぬるぬるしていますがこれはムチンという成分が原因です。肝臓を強くしたり、胃腸を保護したりする効果があります。また食物繊維を多く含んでいることから腸を整えて、便秘を改善する効果が高いです。
ぬるぬるの原因の成分であるマンナンというものは水溶性の植物繊維です。こんにゃくに多く含まれているもので便秘の予防や、コレステロールの低下などの作用があります。イモ類は穀物と野菜の両方の性質を持っていますが、サトイモは野菜の性質をとても強く持っています。
カロリーはイモ類の中では最も低いです。以上のように穀物として考えられることの多いサトイモですが、実は野菜の面を多く持ち、たくさんの栄養を含んでいます。食物繊維が多いので腸の働きを整えたいときにはぴったりです。カロリーが低いのでダイエット食としても重宝します。
また煮物にするととてもおいしいサトイモですが、煮ることによってもビタミンCが壊れることなく食べることができ、体もあたたまります。東北では秋の風物詩として芋煮会と呼ばれるものがあります。大きな並べて芋煮をつくりたくさんの人で楽しく食べることができます。
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