ドドナエアの育て方

育てる環境について
栽培方法を調べると、園芸中級車向けという記述がよく見られますが、いろんな観点から見ると実は育てやすい植物の一つです。他の花と比べると肥料をあまり必要としないことも初心者向きですし、水もあまり必要としないので基本的にあまり一年を通して管理する必要がありません。
美しく色を変えていく葉を見ながら楽しむことさえしていれば、特にすることはありません。大きくなりすぎた場合は剪定が必要ですし、鞘が終わった時などに少し形を整えてやるとさらに美しい葉を楽しむことができますが、ほったらかしにしても樹形もあまり乱れることはありませんし、葉を落とすこともあまりありません。
植え付けや植え替えも年間を通していつしなければならないということもありませんし、非常に育てやすい木の一つです。その葉の存在感からシンボルツリーとして利用する人も多いですし、垣根などの人の目線が気になる場所に植えるのもこの木の使い方としてメジャーです。排水がよく日当たりのいい場所であれば、よほど痩せた土ではない限り元気に美しい葉を見せてくれる植物です。
真冬のさみしい庭で見せる存在感はほかの植物にはあまりありませんから、洋風の家の庭木としては貴重な木とも言えます。オリーブやシマトネリコなど他の外国の木とも相性が良く、一緒に植えられることも多いですし、成長も早いので園芸初心者だけでなくお洒落な庭を作りたい人にとっては欠かせない庭木の一つになりつつあります。
種付けや水やり、肥料について
ドドナエアの特徴である鞘の中には種が入っています。もちろん生きている植物ですから必ず入っているというわけではありませんし、雌雄異株という植物の分類に入る木ですから、雌雄2本が必要といわれる木です。しかし一本でも鞘ができたという報告もありますから、詳細はきちんと明かされていない植物でもあります。
そんなドドナエアの種は鞘の入っています。鞘は薄くぺらぺらですが、そのぺらぺらの中を開けてみると小さな種が入っていることがあります。その種を植えると発芽することがあります。発芽に関しては他の植物もそうであるように、全てが発芽するわけではありません。気温や土の状態、栄養状態などで条件が変わってきますから、
違う条件でいくつも植えてみると確実な発芽を見ることができるかもしれません。ドドナエアは鞘がつくので種を取りやすく、種から増やすという人がいますが、実は挿し木でも増やすことが可能な木です。むしろ生産者は挿し木で増やすことが一般的なようでお店に出回っているドドナエアの苗はほとんどが挿し木で増やした苗です。種をとって発芽する確率も低いのでは挿し木のほうが確実ということです。
色を変えることがドドナエアの特徴ではありますが、まれに色を変えないドドナエアもあるようで、種を撒いてみるとまれにそういう種類がでることがあります。もちろんそれは賭けですから確実にそうとは言い切れませんが、一年中葉の色を変えないドドナエアは珍しいですから目立つこと間違いなしです。
増やし方や害虫について
ドドナエアが育てやすい植物である要因の一つに、虫が付きにくいということがあります。バラなど柔らかく緑が濃い植物というのは虫との闘いになります。駆除しても次の日にはまた違う虫が付いていることなど日常茶飯事ですが、ドドナエアに関してはほとんど虫との闘いはありません。その理由はドドナエアの葉にあります。
五月ころ新緑の季節には葉は柔らかく、虫が好きそうなさわり心地になりますが、そのほかの季節は一年間ずっと固い葉という印象です。シルバーリーフ全般を見ると柔らかい細かい毛をはやした葉が多いですが、この木の葉は人間の手で触っても痛いくらい硬い葉です。植物の中でも特別硬い葉というわけでもありませんが、虫が好む葉ではないようです。
その為虫が年中あまり付かない植物といえます。増やし方しては挿し木が一般的なので、確実に親と同じ種類のドドナエアが誕生します。挿し木は園芸初心者には少しハードルが高いので、家で鞘ができて中に種があるのなら、その種を撒くのが一番簡単な方法ではありますが、確実に増やすことを目的とするなら挿し木するほうが一般的です。
虫がほとんど付かない植物ではありますが、一般的な黒点病にかかっているドドナエアを見ることは珍しくありませんから、黒点病にかかっている植物が近くにいたら少し注意する必要があります。ドドナエアは強剪定をしてもすぐ成長するので虫や病気を発見したらすぐに剪定できるのも、育てやすい一つです。
ドドナエアの歴史
ドドナエアという木は葉を楽しむ木です。原産はオーストラリアでポップブッシュとも呼ばれています。生息地はもともと日本ではありませんから、あまりメジャーな木ではありませんでしたが、その美しい葉の色と珍しい鞘ができることで有名になりつつある木です。葉の色は冬は濃い紫をしていて、五月ころの春にはさわやかな黄緑色の新芽が出てきます。
花は目立たなく、地味な小さい花ですが、そのあとにできる鞘が美しいのが特徴です。色は木によって少しずつ違うようですが、薄くてぺらぺらの鞘はまるで花のようです。その鞘が枝に付いているのを見て、この木を育ててみたいと思う人も多い程、鞘のイメージがある木です。
園芸の初心者でも育てにくい木ではありませんし、大きくなったとしても簡単に剪定できる木なので庭木として流通し始めています。葉の色が季節によって大きく移り変わる様子は珍しく、どの季節でもその美しい葉を楽しむことができる木なので、庭木としては落葉樹のように枝だけになってさみしい時期がないのも日本で人気が出始めている理由の一つです。
もちろん土の中に虫がいた場合や、栄養不足、水不足になると葉を落として体力を温存することがありますが、庭に植えっぱなしでも割と上部に育つ木なので、一年中美しい葉を楽しむことができる木です。強く刈り込んでもすぐに成長しますから、樹形を整えやすい木でもありますし、葉に動きがある種類ですから剪定に失敗しても目立たない木だとも言えます。つまり育て方が難しくありません。
ドドナエアの特徴
この木の特徴は何といってもその葉です。細長く季節によって色を変えるその葉は日本古来の植物にはあまり見られません。五月に小さな花が咲くころ、その葉は新緑の色で美しい黄緑色をしています。手で触った感触も新緑らしい柔らかい手触りです。花が散る頃から夏頃まではその新緑の色を楽しむことができます。
秋口から冬になり始めると、新緑の色から濃い紫へと色を変えます。急に変わるのではなく周りがほとんど気づかない程ゆっくり色を変えます。真冬には濃い深紅のような赤と紫と黒が混ざったようなシックな色へと変貌します。洋風の家にはそのシックな色が映えますし、落葉樹が多い庭の中では燃えるような赤い葉はひときわ目を引く存在になります。
そしてもう一つの特徴としてはやはり鞘です。春に小さな花をつける木ですが、夏には独特の鞘をつけます。ひらひらしている形で一見すると花のようですが、中にはちゃんと種が入っています。残念ながら種が入っていないことも珍しくない植物ですが、鞘が枝にたくさん付いている様子は外国の雰囲気をたっぷり感じることができる姿です。
その姿を見てこの木を育てたいと思う人も多いくらいで、鞘がたくさん付いているこの木を育てることはこの美しい木の愛好家としては冥利に尽きることです。海外のサイトには雌雄異株という記載がある植物ですから、種を植えても親と同じ姿が出てくるとは限らないこともドドナエアの魅力であり特徴の一つといえます。
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