マンサクの育て方

マンサクの育て方
マンサクは11月か3月に植え付けます。根鉢の大きさの2倍程度の深さと幅がある穴を掘って、そこに腐葉土や完熟堆肥などをすき込んでおきます。根鉢の周りには十分に水を注いで棒などでつついておけば根と土をなじんでくれます。
もし株がぐらつくようであれば、支柱を立てて支えてあげましょう。肥料は5月と12月に緩効性化成肥料か固形の油粕などを与えます。ただしチッ素が多いと枝だけよく伸びて花付きは悪くなってしまいますので気をつけなければいけません。
地植えしてしまう場合は夏の高温期で土が乾燥しやすい時以外は特に水を与えなくても雨水で十分です。鉢植えは土の表面が乾いたら与えるようにします。開花している時は水切れさせないようにしないと花がきれいに咲かないので、こまめにチェックしておいたほうがいいです。
マンサクを置く場所は日当たりの良い場所がベストですが、半日陰でも大丈夫です。完全な日陰では花付きは悪くなってしまいますので避けたほうがいいです。苗を選ぶ時には葉の状態をしっかりと見ておきましょう。
近年、病気にかかりにくいといわれてきたマンサクの葉が、急に茶色く変色して落葉して株が衰弱し、最後には枯れてしまうという現象が時々起きています。これは今のところ原因不明で解決しようがないので、購入する時に葉が大丈夫かを見ておくことが大切です。
マンサクの栽培時の注意点
ほとんどありませんが、樹形を整えるために剪定をしたほうがいい場合があります。行なう時期は1月から2月頃で、花が終わりかけの頃か花が終わった直後くらいにします。これより遅いと新芽が芽吹いてしまうからです。
横に出てきている枝は枝分かれしている部分でカットし、まっすぐに伸びている枝から勢いよく出てしまっているような枝も付け根で切り落としてしまいましょう。翌年の春に咲く花の芽は短い枝に夏前にはすでにできてしまいますから、
花付きが悪い伸びすぎてる枝や重なり合ってしまっている枝はカットしておいたほうがいいのです。接ぎ木によって増えた株は台木部分からひこばえが出てきたら元から切り落としてしまいます。あとしなければいけないことは根切りです。
生長があまりに良過ぎている場合は幹を中心に直径50cmほどの円周にあわせて5箇所か6箇所スコップを深く突き立てることで根切りを行ないます。こうすると生長が抑えられますので、花付きも改善されます。
種付けさせて増やすことはできるのか?
マンサクはとり木もしくは接ぎ木か種まきで増やしていきます。接ぎ木をするのであれば3月頃にイスノキを台木にして切り継ぎします。とり木をする場合は同じく3月に直径1cmほどになっている新しい枝の表皮を1cmから1.5cmほどの幅で剥ぎ取っておきます。
そしてそこにあらかじめ湿らせておいたミズゴケを巻いて乾燥を防ぎます。さらにその上からビニールなどを巻いておきます。9月頃になると根が出ているので枝を切り取って鉢上げします。発根するまでは半日陰で管理するようにします。
種まきをする時は11月頃に果実を採取しておき、封筒などに入れて風通しの良い場所に置いて果実が熟してはじけたら種をとって、翌年の春にまきます。発芽時期に関してはすぐに発芽するものと翌年まで発芽しないものが混ざっていますので、
もしすぐに出ないものがあっても翌年くらいまでは待ってみるといいです。発芽してから花が咲くまでは早ければ3年から4年です。挿し木もできますが、成功率が低いので初心者の方は避けたほうがいいかもしれません。
もし挑戦してみるのであれば、6月から7月頃に春に伸びた枝を20cmほどの長さにカットして先端を切っておきます。大きな葉は半分程度に切り、30分から1時間ほど吸水させた後で挿し木用の土に挿します。この時は鉢に土を入れておきましょう。
さらにその鉢ごとビニールに包んで密閉しておきます。置く場所は半日陰で、乾かさないように気をつけるのがポイントです。新芽が出てきたら風通しを良くするために少し隙間を作ります。1週間ほど様子を見てしおれなかったらビニールをはずしてしまいます。
そんなマンサクには花言葉があります。マンサクの花言葉はひらめき、霊感、直感、神秘などです。1月16日と2月11日の誕生花でもあります。神秘や直感などの霊的な勘をあてにするような花言葉が生まれたのはやはり昔からマンサクの花で農作に関する吉兆を占っていたためでしょう。
ちなみに中国種のマンサクにはシナマンサクというものがあります。日本のマンサクと区別をつけにくいほど似ていますが、シナマンサクのほうが花の香りが甘く強いですし、花が咲く時期になっても褐色の枯れ葉がそのまま残ってしまっている場合も多いです。
シナマンサクの場合は1879年には発見されて、その年にイギリスへと渡っています。また樹高が2mから7mほどと日本原産のものよりも小型です。
マンサクの歴史とは
マンサクの名前がついた由来といわれるものは3つあります。1つは豊年満作というところからきたという説です。マンサクは樹木いっぱいになるくらい黄金色の花を咲かせるので、それを稲の豊作に見立てたというものです。
2つ目はまず咲くという言葉からきたというものです。早春に他の花よりも真っ先に咲くということで、東北弁のまんず咲くを縮めて略したような言葉です。そして3つ目はシイナ花の実名敬避性というものです。
シイナというのは中身がないしなびている果実のことをいいます。花弁がねじれていることから稲の実の空虚なもみがらに似ていると考えられ、このもみがらもシイナと呼ばれているので縁起が悪い凶作という言葉を避けてマンサクと名付けたという説です。
昔から葉は天日乾燥をして止血、収れん、下痢止めに使われてきました。原産や生息地は日本です。沖縄を除く日本各地で山野に自生しています。マンサクの仲間にはアジア系のものとアメリカ系のものとに大きく分けることができます。
比較的育てやすいマンサクは庭木や花木としても人気です。耐寒性も耐暑性もありますので、初心者の方でもそれほど苦労することなく育てられるでしょう。
マンサクの特徴とは
マンサクは冬の終わりに他の樹木よりも先に花を咲かせることから、その花付きによってその年の稲作などが豊作になるか不作になるかということを占う植物として昔から人との関わりが深い植物でした。開花時期は2月から3月で、10月中旬から11月頃までは紅葉を楽しむこともできます。
花は軽くよじれており、とても強い香りを放ちながら数個がまとまって一箇所で咲きます。樹高は5mから10mほどで、葉は開花後に芽吹いて秋には紅葉します。葉はゆがんだ菱形に近い形でだ円形をしています。
また葉の下半分は左右が対称になっておらず、上半分の縁はゆるく波状のぎざぎざが入っています。果実は卵形で1cmほどの長さをしており、褐色の細かい毛が表面にはえています。マンサクは成長するスピードがあまり速くありませんから狭い場所に植えておくことも可能です。
学名はHamamelis・japonicaといい、マンサク科の低木です。花色は黄色がよく知られていますが、他にも赤やオレンジ、茶色などもあります。庭植えだけではなく、コンパクトに剪定などをしておけば鉢植えで育てることも可能となります。病気や害虫にもほとんどかかることがありません。
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