モチノキの育て方

モチノキの育て方

モチノキは樹皮から鳥や昆虫を捕まえるのに使う粘着性のあるトリモチを作ることができるため、この名前がついたといわれています。昔から作られていた製法はまず春から夏にかけて樹皮を採取しておき、目の粗い袋に入れて秋まで流水につけておきます。

モチノキの育て方を覚えよう

モチノキは日当たりと水はけが良い場所に植えるのが良いです。日陰にも強いほうですし、大気汚染などにもある程度は耐えることができますが、ベストなのは日当たりが良い場所ですのでそういう場所を選びましょう。土は少し粘質のある肥沃な土壌が向いています。

植えつけるのであれば4月から5月頃もしくは9月中旬頃から10月にかけてが適期です。植える時は根鉢の2、3倍ほどの大きさの幅と深さの穴を掘って、そこに根鉢を入れ、掘りあげた土にその量の3分の1程度の腐葉土と粒状肥料を混ぜ込んで穴に戻して植えつけます。

植えつける場所は水はけが良くなるようにあらかじめ山高に盛り上げておくことがポイントです。2月に寒肥として堆肥か油粕に骨粉を2割ほど混ぜ込んで株元に施すようにしましょう。水は根がはってしまえば特に必要はありませんが、夏だけは高温期となっているので朝か夕方に水やりをしておくと元気に育ってくれます。

モチノキを栽培する上でのポイント

モチノキを栽培している時に行なうと良いのは剪定です。自然に樹形がまとまる木ではありますが、仕立て直しをしてはみ出ている枝などを処理します。行なうのは6月から7月頃と11月以降の計2回です。6月から7月頃は春に出てきた枝や葉がしっかりと固くなってくる時期です。

また、11月は夏から秋に伸びた枝が成長を止める時期だからです。仕立て直しをする時はまず全体の樹形を見てはみ出ている部分をカットします。それから間延びしてしまっている枝や周囲よりも太くなっている枝、幹から直接出てしまっている枝、樹の内側に向かって伸びている枝などを付け根部分からカットしてしまいます。

風通しを良くする目的があり、病気や害虫の発生の予防になります。この作業のことを枝透かしといいます。こちらは簡易的な方法なのですが、もっと丁寧に本格的にしたいという場合は刈り込みなしで、新しく伸びている枝を葉を2、3枚残した状態で1本ずつ短くしていく方法で整えてから枝透かしを行います。

また若木を仕立てることもできますが、長い目で見て行なう必要があります。若木は間延びした枝や幹から直接出ている枝をカットし、軽く整える程度が良いです。幹が太くなってきたら枝を間引いて樹形を調えます。枝や葉の数が多ければ多いほど木の生長が早くて幹が太くなってくれるからです。

果実を見たい場合は横に雌株も植えておく必要があります。病気や害虫はすす病やカイガラムシ、ハマキムシなどに注意しなければいけません。枝が茂り過ぎて風通しが悪くなることが原因です。すす病は表面がすすのような粉ができて光合成を邪魔してしまう病気です。このすすのような粉はカビです。

実はすす病とカイガラムシは深い関係があり、すす病の原因となる菌を増やすのがカイガラムシの排泄物なのです。ですから、すす病を予防また改善するには原因となっているカイガラムシを完全に退治する必要があります。

種付けで増やすことはできる?

モチノキは秋に熟した果実から種を採取して乾かさないように土の中に埋めておき、翌年の春に取り出して種まきします。種は乾燥してしまうと発芽率が低下しますので乾いてしまわないように気をつけます。発芽した後2、3年は霜よけをして寒さの対策を特にしておきましょう。

鉢上げするのは本葉が2、3枚出た頃です。庭木として使える大きさにするまでは10年から20年という長い年月をかけることになります。種まき以外では挿し木をして増やすことができます。

6月から8月にその年に伸びた枝を先端から2、3枚の葉をつけた状態で残りの葉は下のほうを中心に取り除いた長さを10cmほどにカットしたものを30分ほど水につけて吸水させます。あとは切り口に植物成長調整剤をつけてから平鉢か箱に入れた小粒の赤玉土か鹿沼土、挿し木用の土に挿しておきます。ただ発根率はそれほど高くありませんので、種まきもしておくことが無難でしょう。

ちなみにモチノキは12月19日生まれの誕生花とされていて、花言葉は時の流れです。古い時代にモチノキは毛知と書いてモチ、毛知乃木と書いてモチノキと呼ばれていました。またモチノキと似ているということでネズミモチという名で呼ばれている木があります。

こちらはモチノキ科ではなくモクセイ科ですし、果実も長さ1cm程の両端が丸い紡錘型なのでモチノキのものとは全く違います。葉の形がモチノキにそっくりなことからこう名付けられているだけで仲間ではありません。間違えないようにしましょう。

モチノキの品種には園芸品種にオウゴンモチや雌雄異株のタラヨウ、株が黒っぽく見えるクロガネモチなどがあります。タラヨウの葉は面白く、濃い緑色をしていて光沢があるのですが、爪先でひっかいたり棒などで傷つけると文字や絵などを描くことができます。そしてオウゴンモチは新芽が黄色いのが特徴です。

モチノキの歴史を知ろう

モチノキは樹皮から鳥や昆虫を捕まえるのに使う粘着性のあるトリモチを作ることができるため、この名前がついたといわれています。昔から作られていた製法はまず春から夏にかけて樹皮を採取しておき、目の粗い袋に入れて秋まで流水につけておきます。

これは必要ない木質を腐敗させて取り除くためです。最後には水に不溶性のトリモチの成分だけが残るのでそれを水から取り出して、繊維質がなくなるまで臼で細かく砕き、軟らかい塊にします。さらにその塊を流水で洗って余計なものを取り除いて作られました。

このモチノキで作られたトリモチは白いので、シロモチやホンモチと呼ばれることがあります。モチノキは平安時代頃にはすでに接着剤の役目をするものとして人々の生活の中で使われていました。ご神木として植えている神社などもあります。

原産地や生息地は日本や中国などです。またモチノキの木材は白いため、昔から櫛の材料として使われていました。また現在では印鑑の材料としても使われています。日本では最近マテ茶が人気となっていますが、

マテも実はモチノキの仲間です。また同じくトリモチを作ることができるヤマグルマという木がありますが、こちらは別名があってトリモチノキと呼ばれていますので間違えないようにしておく必要があります。

モチノキの特徴とは

モチノキは樹高が5mから10mほどになる常緑性の樹木です。丈夫で芽吹く力も強く、自然と樹形がまとまってくれますのであまり手間がかかりません。もちろん手を入れることでいろんな形を楽しむこともできます。葉は厚みが少しある先がとがりぎみの楕円形です。

光沢がある新緑色の葉は幼木の頃には縁がぎざぎざすることもあります。4月頃には緑がかっている5ミリほどの大きさの淡い黄色の小花を咲かせます。モチノキの仲間は世界に約400種ほどあるといわれています。果実が美しいものは園芸種として栽培されることが多いですし、街路樹や庭木として栽培されているものもあります。

庭木として植える場合は大きくなった時のことを考えて場所を選ぶ必要があります。果実をつけるのは雄株と雌株があるもので、雌株は開花後に1cmほどの丸い果実をつけるのです。果実をつけるものは10月半ばから11月頃にかけて実をつけます。耐寒性は少し弱いので、冬場は気をつけて対策してあげたほうが良いでしょう。学名はIlex integraといいます。

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