フォックスフェイスの育て方
育てる環境について
フォックスフェイスは、日当たりのよい場所を好みます。実が主役となることから育て方にもコツがあり、まず実を付けるようにするには、日を当てるということがポイントとなってきます。地植えには日当たりがよく、水はけのよい土壌で育てるようにします。
原産が南アメリカということもあり、暖かくやや乾燥する気候があっています。地植え以外にも鉢植えでの栽培が可能ですが、10号(直径30cm)以上の深鉢か大型プランターで育てる必要があります。鉢やプランターは、風通しと日当りのよい場所に置いて生育します。
また草丈が2メートルほどになるので風あたりが強い場所は避け、強風で倒れないように注意してください。大きくなるにつれ、必要になるのが支柱です。支柱は大きくなることを想定してやや長いものを使用するのがおすすめです。育っていくと自然に枝分かれしていきますが、
すべての枝を育てると栄養が分散して実をたくさん付けることが難しくなります。そういう理由から、下の方から出たワキ芽は早めに摘んであげてください。また植えつけるときにも日当りをよくするために、株の幅を大きくとって日ができるだけ当たる工夫をするようにします。
畑で育てる場合は1mほど離して植えた方がよいです。それから、花が咲いてその後に小さな実が落ちないことが確認できるようになったら、頂点の茎をつまんでそれ以上、上に生長しないように芯止めします。ここでポイントですが、果実が大きくなってから果実のまわりの葉をすべてとってしまいます。
こうすることで日をまんべんなく当てることができ、色づきが良くなるからです。地植などの花壇では、霜が降りるころまで長い期間観賞できます。切り花にする場合は、実が十分に色づき、張りがあるうちに切りとって使用してください。
種付けや水やり、肥料について
フォックスフェイスの地植えでは、根付いてしまえばとくに水やりは必要ありません。降ってくる雨の水だけで十分ですが、夏場には日照りが多くあるので水が不足してしまうこともあります。そういった場合には、土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
ナス科ということもあり、ある程度の耐湿性ある植物なので多少水をやりすぎたとしてもほとんど枯れることはありません。そういった点では、やや水はけの悪いところでも育てることが可能といえます。ただ、砂地といった場合は育てにくいので避けるようにします。
鉢植えといったものになってくると、夏場では乾きやすいので、水切れして枯らさないように注意してください。フォックスフェイスは、実がメインの実を観賞して楽しむ植物なので、実を付けさせるためにも肥料は欠かせません。肥料もやや多めにやり、
植えつける際には土にあらかじめゆっくり効くタイプの緩効性化成肥料を元肥として混ぜておきます。それから植えつけ後1ヶ月後に追肥をします。実をつけるまでの期間は、花よりも長いのでしっかりと与え、5月から9月の間に定期的に施します。肥料への注意ですが、
窒素分の多い肥料を与えると、葉ばかり茂って花付きが悪くなります。花付きが悪いことで、結果的には実をたくさん付けることができなくなってしまいます。液体肥料を使用する場合は1週間に1回、500倍に薄めて使用するなどし、チッ素分の割合が、リン酸やカリよりも多い肥料は避けてください。
増やし方や害虫について
フォックスフェイスの増やし方というのは、一年草のため種まきとなります。種まきの適期は3月から4月です。種まきは果実の色づきをよくするためにも早めに種をまいて、早めに育てるのがよいです。早く蒔かないと遅く育つため、寒さにやられて枯れてしまいます。
種まきは3月から遅くても5月はじめまでにやってください。とはいえ、発芽適温は20から25℃と高温のため、桜の花が散るころからタネまきを始めてもなかなか芽がでないことがあります。タネまき後は、フレームなどを利用して地温を高く保つなどの工夫をし、夜間は冷えることが多いので、
しっかりと保温してあげることがポイントです。ナス科は、芽がでても大きくなるまでは成長がゆっくりです。ある程度大きくなるまでは低温で枯れないように注意します。果実が実り、フラワーアレンジ等で使用したあとには、実を割って来年の種まき用に種を採取しておくことができます。
害虫については、高温乾燥期にハダニ、アオムシやヨトウムシの被害に合うことがあります。ヨトウムシは、葉脈を除いて葉を食い荒らしますが、葉に被害があるのに姿がみえない場合はこの虫の可能性が高いです。土にばらまくタイプの薬剤を使用するか、活動する夜間に行って株を確認してみてください。
あと、4月から10月の成長期間中によくアブラムシが発生します。丈夫な植物なので、よほど大発生しないかぎり放置しておいても大丈夫です。病気についてはほとんど被害がないですが、多湿で風通しが悪くなるとうどんこ病が発生することがあるので、風通しが良い環境を整えてあげてください。
フォックスフェイスの歴史
フォックスフェイスはブラジル原産のナス属の植物とされ、ナス属は世界の熱帯から温帯にかけて1700種ほどが分布しています。もともとは南アメリカ原産でその周辺が生息地とされていましたが、大アンティル諸島、中央アメリカ、及びカリブ海で帰化されたといわれています。
日本では、一般的に春まき一年草として栽培され、秋に実る黄色の果実を観賞します。主な原産地であるブラジルでは非耐寒性小低木とされ、冬を越すようです。フォックスフェイスとい名前の由来は、果実の形がキツネの顔に似ていることから名づけられたものです。
和名をツノナス(角茄子)といい、果実に角のような突起があるナス科の植物に由来した名前といわれています。ほかにも、果実が狐の顔に似ているとされるキツネナス(狐茄子)の名前や、果実の形がカナリアのように見える様にちなんでカナリアナス(金糸雀茄子)などの名前でも親しまれています。
ちなみに、英語ではCow's Udder(牛の乳房)Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)Nipplefruit(乳首状の果実)など、黄色の卵形に角状の突起があるため、いろんな名で呼ばれているようです。個性ある見た目から観賞用や装飾用に使われることが多く、中国では、黄金色は縁起がよいため、
黄金色をしている果実の本種が正月飾りなどに利用されています。最近では日本でもハロウィンの飾りに使われるなど、季節の生け花の花材に使われるなどしています。秋のフラワーアレンジに欠かせない材料になっているなど、日本だけでなく世界中で人気があります。
フォックスフェイスの特徴
フォックスフェイスの特徴といえば、花のかわりに鑑賞する果実です。果実を花のように鑑賞する植物は珍しいといえます。茎と葉脈に鋭いとげがあり、葉は心臓形で、果実の形は、名前のとおり「きつねの顔」のような形をしています。黄色い形からしてレモンのようにも見え、とても可愛い雰囲気です。
きつねの顔のような形の果実を低木にたくさんつけ、普通に育てると2メートルくらいの高さに成長します。お店で花材として販売されているほとんどは、枝葉を取り除かれちょうどよい大きさに切られて売られています。切られたものは水に浸さなくても2か月はそのままの状態を保ち、
しおれにくいものとされています。フラワーアレンジの材料になったり、見た目のインパクトやユニークさから、お店の玄関やインテリアとしての装飾として利用されることもあります。生け花といったものに利用する場合は、果実だけを取って串などの棒に刺して生けるやり方もあります。
秋の花と生けると美しくアレンジでき、とても明るく華やかです。またこのとき、長い期間枯れず、色あせることがないのもフォックスフェイスの利点といえます。花をみるということがあまりありませんが、ナス科らしい紫色の小さい花が咲きます。
フォックスフェイスは、10月から11月にかけて実がなり、緑色から黄色、そしてオレンジ色へと変化していきます。ナス科ですが毒性があるので食べることはできません。利用する目的がなくても、庭や鉢で育成して、実がなるまでを観察して楽しむのもおすすめです。
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