ズッキーニの育て方

ズッキーニの育て方

アメリカ南部付近、メキシコあたりまでが生息地であり原産地ではないかといわれています。本格的に栽培が始るのがヨーロッパに入ってからでした。日本へ入ってきたのは比較的新しく、戦後になってからのことです。歴史が浅いせいかあまり普及しておらず存在を知らない日本人も少なからずいるようです。見た目はきゅうりのようですが実はかぼちゃの仲間でペポカボチャといわれるかぼちゃの一種になります。

ズッキーニの基本的な育て方と苗作り

ズッキーニはアブラムシやウリハ虫、うどんこ病などの被害を受けやすく、植物としての育て方はそれほど難しくはないのですが、この病害虫の防除を考えると育て方には少し困難が伴うともいえます。

ということは逆にこの病害虫の防除をしっかりと行うことで長く収穫を楽しむことが出来るということです。ズッキーニをあまりに多く植えすぎてしまうと最盛期には収穫が追い付かず実を肥大化させてしまい肥大化した実は繊維質が強くなってしまい味が落ちてしまいます。

また株のほうも疲れてしまうので収穫を長く続けることができなくなってしまいます。消費量に合わせた収穫になるように植え付ける株の本数は計画的に決める必要があります。また、栽培する土地の気候や品種によって種付けや植え付けの時期が異なりますので事前に栽培しようとする品種の特性を確認しておく必要があります。

家庭菜園で栽培する場合は最初から苗を購入する方が無難ですが、ズッキーニの苗はあまり市販されていないので、無い場合は自分で苗を作ることになります。種付けの時期は霜の心配がなくな4月中旬ごろに行うと育てやすくなります。

種付けの方法は、9㎝のポリポットに培養土を入れ2か所程に穴をあけ種付けします。この後、発芽して双葉が開いたら成長の遅い方を間引きして一本にします。この状態で本葉が3~4枚になるまで育てます。

早まきする場合は、寒さで育ちにくいので防寒対策をする必要があります。育苗箱で保温しながら苗を育てます。

畑の準備と植え付け及びその後の育て方

どのような野菜でも共通ですが、栽培はある程度計画を立て時期を決めて下準備をしておく必要があります。ですのでズッキーニを植え付ける日もあらかじめ決めておき畑の準備をします。

ズッキーニは、中性に近い弱酸性の土壌を好むため畑のpH値を苦土石灰などを使ってpH6.0~6.5となるように調整しておきます。元肥は土の状態を見て施しますが肥料が多すぎると樹ボケとなってしまい、実に栄養が回らず実の付きが悪くなってしまいます。

前作の作物の状態から考えて肥料が多く残っていることが考えられる場合は元肥は少なめに施しておきます。このようなことを踏まえたうえで、種付けや植え付けの2週間前には苦土石灰などを利用して土壌の酸度を調整し、一週間前には堆肥や化成肥料を混ぜ込んでよく耕し、マルチをかけておきます。

畑への植え付けは苗を1条あたり株間を70~100㎝の間隔で植え付けます。ズッキーニは成長すると葉の広がりが70㎝以上にもなりますのでそれを踏まえて株間と条間を広くとっておきます。

またこの段階で支柱を立てるかどうかを決めておきます。ズッキーニは支柱を立てても立てなくても栽培は可能ですが、成長してくると葉や実の重みで折れてしまう事もありますのでできれば立てた方がよいでしょう。

支柱を立てない場合は、ズッキーニが成長するにしたがって横に這って伸びるようになります。このような状態になってから支柱を立てようとしても、一度横に伸びた茎は無理に立ててしまうと折れてしまう事があるため支柱を立てるなら早い段階で立てる必要があります。

追肥は、開花して実がついた段階で肥料切れを起こさないように、適宜追肥を施して養分を補う必要があります。1回目の追肥は、植え付けてから約半月後に行います。2回目は収穫の始め頃に行います。それ以降は15~20日を目安に定期的に様子を見ながら追肥してゆきます。

この時、過剰な追肥をすると茎や葉ばかりが茂ってしまい実の付きが悪くなってしまいますのでそのような状態が観察できた場合は、追肥をしばらく控えて様子を見ます。また、根元への追肥の時、何度も肥料を与えてしまうと肥料やけを起こして根に障害が出ていしまいますので注意が必要です。

また、ズッキーニはかぼちゃの仲間ですからおしべとめしべが別々の花に出来ます。よく言う雄花と雌花といわれるものですが、昆虫などの自然の力に任せておくと確実に実がつくかどうかわかりませんので人工的に授粉するのが確実に実をつけることになります。

時期的には6月上旬以降に雌花が開花したあたりが受粉に最適な時期となります。方法は雄花を摘み取ってきて、雌花の雌しべにおしべをこすりつけ受粉させます。この作業は、日が昇った直後かまたは、落日の直前に行うと受粉する確率が高くなります。

ズッキーニの収穫

ズッキーニの雌花が開花して5~7日ぐらいして実の大きさが20㎝程になった時が収穫の時期になります。収穫の方法としてはハサミなどで実の根元から切り取ります。この収穫の時期を見落として遅れてしまうと実がどんどん成長してしまい、繊維質が強くなってしまい味が落ちてしまいます。

また、実を収穫せずに成長させてしまうと株そのものが疲れてしまいその後の成長が鈍ってしまうため、収穫できる期間が短くなってしまいます。このためできるだけ適当な時期にどんどん収穫しましょう。また、そうすることがズッキーニを長く収穫するポイントでもあります。

ズッキーニの歴史

アメリカ南部付近、メキシコあたりまでが生息地であり原産地ではないかといわれています。本格的に栽培が始るのがヨーロッパに入ってからでした。日本へ入ってきたのは比較的新しく、戦後になってからのことです。

歴史が浅いせいかあまり普及しておらず存在を知らない日本人も少なからずいるようです。見た目はきゅうりのようですが実はかぼちゃの仲間でペポカボチャといわれるかぼちゃの一種になります。

かぼちゃは16世紀ごろにヨーロッパに伝わり、そこから19世紀にイタリアで改良が加えられました。その中のひとつがズッキーニとなりました。したがってズッキーニとしての原産地はイタリアといってもよいことになります。

味わいはかぼちゃとは似ておらずまた、完熟する前の未熟な実を食べるズッキーニは、歯ごたえや味は茄子に近く形もかぼちゃというよりきゅうりに近いものがあります。日本では馴染みのないズッキーニもヨーロッパでは春の野菜としてよく利用されます。

南フランスで有名な「ラタトゥイユ」には欠かせない野菜として珍重されています。また、イタリアでは花も一緒に揚げて食べたりもされています。アメリカの市場に出回るようになったのは30年ほど前のことで歴史は浅くいずれにせよそれほど有名な料理の主役となりえる野菜というより脇役といったところの位置づけです。

ズッキーニの特徴

ウリ科で夏が旬です。かぼちゃの一種ではあるのですがかぼちゃと違って完熟したものではなく、早めに収穫して若い実のものを食用とします。収穫時期が遅れると硬くなり繊維質が強くなるので食用としては向かなくなります。ともあれ早めに収穫して新鮮なうちに食べる野菜といえます。

皮がやや硬いため、生よりも加熱調理して利用されることが多く煮込み野菜料理のラタトゥイユが代表的な料理となります。また、油との相性も良く炒めたり、フライにしたりして食べられています。その他花は花ズッキーニと呼ばれ、これも食用として利用されます。

イタリアではこの花が好んで食べられています。雌花と雄花がありますが雄花のほうが味が良いとされ生のまま食べられたり、花の中に具材を詰めて揚げたり炒めたりして調理します。実のほうは加熱すると若干甘みが増し歯ごたえも独特ものもがあります。

含まれる栄養素としては特に優れた栄養素があるわけではありませんが、カロリーが低くβカロテンや葉酸、ビタミンCが程よく含まれ体内の塩分を排出してくれるカリウムの含有量が多く含まれているため美容やダイエットには適した野菜といえます。

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