エリゲロン・カルビンスキアヌの育て方
種付けの方法について
エリゲロン・カルビンスキアヌの種付けの適期は、春と秋の2回あります。春まきであれば3月から4月にかけて、秋まきであれば9月から10月にかけてがまき時になります。秋まきにする場合は種を早めにまいて、本格的な寒さが来る前に根をしっかり張らせるようにすることが重要です。
特に寒冷地の場合は、9月下旬までに種付けを完了させるよう気を付けなければなりません。エリゲロン・カルビンスキアヌは寒さに強い品種ですが、幼苗の期間中に厳しい寒さに当たると、枯死する可能性もあります。種付けから発芽し、しっかりと根を張るまでの期間に気温が低くなるようであれば、防寒対策が必要になってきます。
エリゲロン・カルビンスキアヌの植え付けには、他のガーデニング用植物と同じように肥料を混ぜた用土を準備します。まずポット苗を植えつける場合には、元肥として、緩効性化成肥料の粒状肥料を土に混ぜ合わせます。
庭植えにする場合は1平方メートル当たりにつき75グラムを、鉢植えにする場合は用土1リットル当たりにつき3グラムを、土と混ぜ合わせてから植えつけます。いずれの場合でも、水はけの良い土壌環境を用意できるかどうかが栽培を成功させるカギとなります。まいた種を軽く土で覆い隠したら、たっぷりと水をやり、発芽するまでの期間は土が乾かないように注意を払います。
育て方の基本について
エリゲロン・カルビンスキアヌは日当たりの良い場所を好み、やや乾燥気味の環境で良く育ちます。比較的丈夫な品種なので育て方にはさほどの繊細さを必要としませんが、肥料をやりすぎると草が多い茂るばかりで花がつきにくくなるなどの問題が発生するので注意しなくてはいけません。水やりは株が蒸れない程度の頻度で行い、雨の多くなる梅雨時期を除けばたっぷり水をやっても問題はないでしょう。
エリゲロン・カルビンスキアヌの育て方で注意を払うべきは、水やりよりも肥料の施し方となります。花つきを良くするためには、肥料をある程度控えながら様子を見ることが大切です。肥料を与えるタイミングとして望ましいのは、1年間を通して春と秋の2回だけとなります。これは芽が動き出す前の時期と、茎葉が枯れ始める時期に相当します。
適切な肥料の量としては一般的なガーデニング用植物の半分程度で十分な効果を得ることができるため、施肥は緩効性化成肥料をばらまく程度となります。緩効性化成肥料の粒状肥料を、庭植えの場合であれば1平方メートル当たりにつき75グラム、鉢植えの場合であれば用土1リットル当たりにつき3グラム、株元にばらまいて施します。
栽培方法の注意点と増やし方について
エリゲロン・カルビンスキアヌの育て方で気を付けるべきはポイントは、成長途中の肥料の調節がメインとなりますが、過湿に弱い性質を持つため梅雨時期には水やりと施肥以外の手入れも必要になってきます。エリゲロン・カルビンスキアヌの栽培では、成長にしたがってどんどん株が広がっていくので、すぐにカーペットのように草葉が地面を覆い隠してしまいます。
草勢が強く丈夫な性質は栽培のメリットといえるでしょうが、葉が茂ることで株全体が緻密になりすぎると問題が発生します。というのも、空気が乾燥した季節であれば葉が茂ってもそのまま放置して構わないのですが、雨の降る頻度と雨量の多い梅雨の時期になると、茂った枝葉によって風通しが悪くなってしまうのです。すると、株全体が蒸れて葉が枯れあがったり、株が腐ってしまうなどの問題が起きる可能性があります。
このような事態を防ぐためには、春に咲いた花を楽しんだ後は株を刈り込み、風通しを良くしてあげる切り戻しという作業が必要になります。切り戻しはだいたい6月ごろに行いますが、枝葉が旺盛に茂っている株であれば、地面のぎりぎりあたりまでばっさり切り詰めても問題なく育ちます。
エリゲロン・カルビンスキアヌは回復力に優れている品種なので、再生するのにさほどの時間を要しません。刈り込んだ後の株のわきから新しく芽が出てきますし、四季咲き性の品種であれば秋にも花を楽しむことができます。エリゲロン・カルビンスキアヌには種で増やす方法と、株分けで増やす方法があります。
枝と根を伸ばす速度が速く短期間で株が大きくなるので、株分けもかねて植え替えるようにしましょう。株分けは基本的に秋ごろに行ない、厳しい冬が来る前に根をしっかり張らせることが重要なポイントとなります。9月下旬ごろから10月中旬ごろまでに、株分けの作業を完了させるように気を付けましょう。
なお、鉢植えのものであっても1年育てていると鉢の中全体に根が回ってしまい、ぱんぱんに詰まった状態になります。この状態で放置しておくと生育不良、根詰まりを起こしてしまうため、やはり年に1回の植え替えは必須作業となります。
エリゲロン・カルビンスキアヌの歴史
エリゲロン・カルビンスキアヌはロッキー山脈からメキシコにかけてまでの北アメリカを原産とし、現在生息地を世界中に広げている、エリゲロンというキク科の植物の一つです。エリゲロンには約200種類ほどの品種があり、日本でもよく見かける野草にハルジオンやヒメジオンなどがありますが、これらは両方とも海外から日本に入ってきたエリゲロンが野生化した帰化植物です。高山植物のアズマギクもこの中に含まれます。
多くの品種に細分化されるエリゲロンですが、園芸用に広まっている品種は数が限られています。一般的にエリゲロンの中で園芸用の品種として栽培されているのは、スペシオサ種やカルビンスキアヌ種です。エリゲロン・スペシオサは花の大きさが4センチメートルほどで、白や藤、紫などいくつもの花色があり、エリゲロンの中では比較的大きい部類に入ります。
一方、エリゲロン・カルビンスキアヌは別名をペラペラヨメナ、ゲンペイコギクともいい、細かく枝分かれして株を覆うように小さな花をたくさんつけます。なお、エリゲロン・カルビンスキアヌが日本に入ってきたのは、明治の末ごろとされています。
エリゲロン・カルビンスキアヌの特徴
エリゲロン・カルビンスキアヌは、成長するにしたがって株が良く広がっていきます。地面を覆い尽くすような広がり方をするので、水はけの良い傾斜地などではグラウンドカバーとして利用されることもあるようです。
花は一つ一つが小さく、放射状にたくさんの花びらが細い糸のような形状でついています。また、つぼみの状態では下を向いているのですが、花が開くときは首を持ち上げるように上を向きます。
エリゲロンという名称には由来があり、ギリシア語で早いを意味する「エリ」と、老人を意味する「ゲロン」の組み合わさった言葉といわれています。なぜそう呼ばれるようになったのか確定的な説はいまだありませんが、花が咲いた後にできる種と綿毛を、老人の白髪に見立てたという説があります。
エリゲロン・カルビンスキアヌは初夏から夏ごろにかけて、1.5センチメートル前後の小さな花をたくさん咲かせます。糸のような細かい花びらの色は、咲き始めは真っ白なのですが、徐々に赤くなっていくため、満開時には白や赤の花が混じり合い、いくつもの品種のエリゲロンを植えているかのように見えます。草姿はややほふく性で、カーペットのように花壇を覆いながら育ちます。
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