スイートマジョラムの育て方

スイートマジョラムの育て方

スイートマジョラムは、ギリシア神話の愛と美の女神アフロディーテが創り出し、太陽の光をよく受けて育つように山の上に植えたと伝えられています。属名「オリガヌム」はギリシア語のoros(山)とganus(美)に由来しており「山の喜び」を意味しています。

スイートマジョラムの育てる環境について

地中海沿岸部を生息地とするハーブなので、育て方としては1年を通じて日当たりと風通しを良くし、乾燥気味に栽培します。水はけが良ければ特に土を選ばずに育ちます。鉢植えの場合は赤玉土(小〜中粒)6:腐葉土4くらいの割合が適しています。

地植えの場合は一度植え付けたら植えかえの必要はありません。鉢植えの場合は根が鉢いっぱいにまわったら周りの土を少し落とし割り箸などで根をほぐして、新しい土で一回り大きな鉢に植えかえをします。株が大きくなることを考えて、20センチ以上の間隔をあけて植え付けるようにします。

植えかえの時期は5月または9〜10月が適しています。高温多湿に弱く、日本の梅雨は苦手です。梅雨時期に蒸れて葉が枯れてしまうことがあります。収穫もかねて、梅雨が来る前に葉が密生しているようなとこは刈り込んで、風通しを良くしてあげましょう。

またオレガノに比べてやや耐寒性に劣ります。そこで寒冷地では株元をワラや腐葉土で覆うなどの防寒対策が必要です。また霜にあたると葉が傷んでしまいます。霜のおりない地域では外に植えておいても構いませんが、それ以外の地域で地植えにしている場合は、11月までに一度掘り上げて鉢などに移しかえます。

そして、軒下や屋内の霜の当たらない場所で管理するようにしましょう。地上部が枯死しても、根が生きていれば春には再び芽が出ます。スイートマジョラムは寒冷地では春まき一年草として、暖地では3〜4年で更新する多年草として栽培されます。

種付けや水やり、肥料について

種まきの時期は春は4月、秋は9月頃です。水はけと日当たりが良く、乾燥した場所を選びましょう。どちらかというとアルカリ性の土が適しています。春まきの場合は早いうちにまいておき、梅雨までにしっかりと根をはらせる必要があります。

秋まきの場合、育苗期間は寒さや霜にあわないように気をつけましょう。平鉢に重ならないように種をまき、発芽するまで乾かないように厚めに土をかぶせます。直まきもできますが、鉢にまいて丈夫な苗を作っておけば人に譲ってあげることも容易です。

発芽後、密生しているところは適宜間引きます。本葉が7〜8枚になったら、鉢やプランター、庭に植え付けましょう。移植の時、枝先と伸びすぎた根は切りつめておきます。これを条件の良いところに置いて育てましょう。このようにして根のまわった苗は植え痛みしにくく、いつでも移すことができます。

苗の時期に枝先を摘んでおくと脇から新しい芽が出て、枝数の多いボリュームのある株になります。水やりについては、乾燥気味のほうがよく育ちます。水をやり過ぎると根ぐされをおこすことがあるので注意して、土の表面が乾いてから与えるようにします。肥料はそれほど必要ありません。

逆に与えすぎるとヒョロヒョロとした株になってしまいます。植え付けの際土の中に、ゆっくり効くタイプのものを混ぜ込んでおきます。成育期間中は、真夏を除いて月1回程度液体肥料を追肥します。株の様子を見て、元気に育っているようであれば追肥の必要はありません。肥料を控えめにして、たくましい株を育てましょう。

スイートマジョラムの増やし方や害虫について

スイートマジョラムは種まき、挿し木、株分けで増やすことができます。自家採取した種を使用した際、親株よりも香りが弱いものが出る可能性があるので注意しましょう。挿し木は気温が低いと発根しにくしので、5月または9月か10月のはじめまでが適した時期です。

元気の良い枝の枝先から5〜6センチを切って穂木にします。上半分を残し、下の方の葉を除いてから赤玉土に挿します。根が出るまでは半日陰で乾かさないように管理し、発根したら苗と同じように育てます。秋に挿した苗は寒風を避けるなど冬の管理に気をつけます。

最も簡単な増やし方は株分けです。2〜3年に1回を目安に、5月頃ナイフなどで株に切り込みを入れてわけます。丈夫な植物なので、根に少しくらい傷がついても根付いてくれるので心配ありません。鉢植えで、これ以上鉢を大きくしたくない時も同じように株分けを行います。

保存用に収穫したい時は開花直前を狙って株元から5センチくらいで刈り取り、乾燥させて密封すると最も芳香が良いですが、それ以外の時期でも比較的香りが良いので草丈が20センチになったくらいから随時収穫して使用できます。

株分けの際小さな鉢を作りキッチンハーブとして活用するのもおすすめです。病気に強い植物ですが、アブラムシなどの虫がつくことがあります。葉を利用するハーブですので薬剤の使用は避け、霧吹きを使い地道に水やミント水で葉を洗い流します。全般的に丈夫で育てやすいハーブと言えるでしょう。

スイートマジョラムの歴史

スイートマジョラムは、ギリシア神話の愛と美の女神アフロディーテが創り出し、太陽の光をよく受けて育つように山の上に植えたと伝えられています。属名「オリガヌム」はギリシア語のoros(山)とganus(美)に由来しており「山の喜び」を意味しています。

白い花々が山の斜面に咲くと山が輝いて見えることに由来するという説もあります。アフロディーテからその香りを与えられ、古代ローマ・ギリシアでは幸せを象徴するハーブとされていました。その歴史は古く、古代エジプトではミイラの防腐剤としても使用され、古代ローマ・ギリシアでは香水、化粧品、薬剤に利用されました。

結婚する若い男女の幸せを願って花冠にして頭の上に乗せたり、死者の平安を願って死装束の香り付けにも使われました。また毒性を持たないことから、悪魔に魂を売った人はこの植物の香りを嗅いでいられなくなると考えられ、中世ヨーロッパでは魔除けのハーブとされていました。

またローマからこのハーブが伝えられたイギリスでは、ホップが使われるようになるまでビールの苦みに使用されていました。そのほかにも、ストゥルーイングハーブとして床にまいたり家具のつや出しに使われたりと、家事に幅広く活用されてきた歴史があります。

よく似たオレガノと混同しないよう、オレガノをワイルドマジョラムと呼びスイートマジョラムと区別してきましたが、現在は単に「マジョラム」「オレガノ」と呼ぶのが一般的です。日本名は「まよなら」で、明治初年には導入されましたが最近まで利用されることは少なかったようです。

スイートマジョラムの特徴

スイートマジョラムは地中海沿岸、アラビア原産の30〜50センチになる小低木です。シソ科でオレガノとよく似た性状です。料理用ハーブとして有名で、オレガノより穏やかな風味でタイムを少し甘くしたような香りがあります。その芳香は20世紀初頭まで、バラやローズマリー、ラベンダーに次いで珍重されました。

5〜6月に枝先にうろこ状の苞におおわれた緑色・球形の花序をつけ白い小花を順次咲かせます。この形状が結び目のように見えるためノッテッド(結び目のある)マジョラムとも呼ばれています。キッチンでは生葉をサラダに使ったり、肉料理の臭み消し、卵料理やシチューなど様々な料理の香り付けに使われます。

トマトケチャップの風味付けには欠かせません。乾燥させた全草をハーブティーと楽しむこともできます。マイルドな中にもスパイシーさのあるスイートマジョラムの香りは、気持ちを落ち着かせストレスを取りのぞく効果があります。

アロマオイルとして利用される際には、血液循環が良くなりリラックスさせ、安眠を誘う効果が期待できます。また、筋肉や関節のコリや痛みをとる効果、シミや目の下のクマを改善する効果もみられます。血行が良くなることで体のバランスがとれ、

血圧を安定させるなど優れた効能を持っています。自律神経系、ホルモン系、免疫系に作用するテルピネンという成分が含まれているので生理中や妊娠中の使用は控えます。また低血圧の人には向かない場合もあるので注意が必要です。

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