サラセニアの育て方

サラセニアの育て方

サラセニアは北アメリカ大陸原産の食虫植物です。葉が筒のような形に伸びており、その中へ虫を落として食べることで有名です。生息地はカナダ南部の寒冷な地域からアメリカ東部、東南部の亜熱帯地域にわたります。

サラセニアの育てる環境について

サラセニアは温帯を中心に分布する植物で、日本と似た環境の地域に自生しています。したがって、それほど神経質な育て方をする必要はありません。湿地に生えているため、乾燥だけは大敵ですが、暑さや寒さには耐性が強いと言われています。ただし、これも種によっていくらかの違いがあります。

まずサラセニアは一年を通して、日当たりや風通しの良い場所で育てるのが原則です。夏の暑さにはよく耐えますが、真夏の直射日光は避けたほうが良いでしょう。特に夏場は土が乾燥しないよう、十分に気をつけてください。逆に日照が足りないと間延びしたり、

色が薄くなったりすることがあります。冬は一部を残して、捕虫葉などが全部枯れてしまいます。しかし地下の部分は生きているので、心配することはありません。寒さにも強いほうですが、霜が降りるとダメージを受けます。なかには凍っても大丈夫という種類もありますが、

寒冷地で冬越しさせるときは、屋内やベランダに置いたほうが無難です。それほど寒くない地域なら、一年中戸外で雨ざらしにしていても、特に問題はありません。ただし捕虫葉が高く伸びると強い風で折れやすくなるので、リング支柱で支えるなどの対策が必要です。

種類によっては捕虫葉に雨水が溜まったり、汚れた泥が入って感染の原因になったりすることもあります。またサラセニアは環境の変化にデリケートだと言われており、あまり頻繁に置き場所を変えるのは好ましくありません。

種付けや水やり、肥料について

サラセニアは何よりも乾燥を嫌います。栽培するときは、常に水を切らさないよう注意します。水が切れたら枯れてしまうので、土が乾かないよう頻繁に水を与えます。さすがに面倒なので、普通は鉢の下に受け皿を置いて、深さ1~2cmの腰水にします。

タイマーで自動潅水できれば楽ですが、それでも不足することがあります。腰水は古くなると腐ったりボウフラが湧いたりするので、夏は毎日、その他の季節も2~3日に1回は取り替えます。また腰水だけに頼らず、ときどき上から水をやることも大切です。

特に真夏は鉢の中の水が湯になってしまい、根にダメージを与えることがあるので、こまめな潅水で冷やしてやるのが有効です。枯れたように見える真冬でも、根や茎は生きているので水やりは必要です。虫をたくさん捕獲しているサラセニアには、肥料は与えません。

もともと肥料がなくても育つ植物で、やりすぎると剣葉ばかりになることもあります。虫がいないところで栽培する場合でも、薄い液体肥料を年に2回ほど与えれば十分です。なお、わざわざ虫を与える必要はありません。

サラセニアは通常は株分けで増やしますが、種から育てることも可能です。ただし市場には、あまり流通していません。春に咲いた花に果実ができ、秋には完熟して、非常に小さい種子が大量に採れます。これを採って、そのまま蒔けば1か月ほどで発芽します。親になるまでには数年かかるので、根気よく育ててあげましょう。

増やし方や害虫について

サラセニアの株分けや植え替えには休眠期である1~2月が適しています。バルブの多い株を選び、手で折り取って分割します。バルブの数が少なすぎると生育が悪くなるため、ひとつの株に3個以上のバルブを目安にすると良いでしょう。根が湿っていると菌に感染しやすくなるので、折った部分には殺菌剤を塗ります。

サラセニアの用土にはミズゴケを使うのが一般的です。ただしミズゴケは大体1年で腐るため、病気を予防する意味でも植え替えを毎年行なう必要があります。近年ではピートモスに砂利などを混ぜた用土も使われるようになってきました。ミズゴケよりも長持ちし、

植え替えに便利という長所がありますが、やや乾燥しやすい点に気をつけなければなりません。そのほかヤシの実の繊維であるベラボンに、赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜた用土も使用されます。これもミズゴケより腐りにくい反面、保水性ではやや劣るという特徴があります。

サラセニアはウイルスに感染しやすいとされており、ハサミを使うときは火で殺菌したものを使うようにします。感染すると治らないので、隔離して育てます。ただし単に生育が悪い株をウイルス病と見間違えやすく、すぐに処分しないほうが良いかもしれません。

感染した株でも、種にはウイルスはいないので、もし種ができたら採取しても大丈夫です。また春~秋にはアブラムシが発生することがあります。アブラムシはウイルス病の原因のひとつになるため、発見したら早めに駆除するのが大切です。

サラセニアの歴史

サラセニアは北アメリカ大陸原産の食虫植物です。葉が筒のような形に伸びており、その中へ虫を落として食べることで有名です。生息地はカナダ南部の寒冷な地域からアメリカ東部、東南部の亜熱帯地域にわたります。フランス人医師ミシェル・サラザンが、カナダでサラセニアを発見し、

標本をパリに送ったとされています。サラセニアの名前は、このことに因みます。英語ではピッチャー・プラント、すなわち水差しの植物と呼ばれます。和名もヘイシソウ(瓶子草)といい、葉の形が酒を入れる瓶子に似ていることから名づけられました。

サラセニアの純粋な種類は8種が知られています。最もよく見かけるのはプルプレア(ムラサキヘイシソウ)で、寒さに強く育てやすいという特徴があり、野生でも最も広く分布しています。葉が最も大きく伸びるのはフラバ(キバナヘイシソウ)で、高さ120cmに達することもあります。

レウコフィラ(アミメヘイシソウ)は白い蓋に紫の網目模様が美しく、人気があります。ルブラは小型で、赤い花とスミレに似た香りが特徴です。他にもアラタ、ミノール、プシタキナ、オレオフィラの種類があります。ただし自然状態では各種が混在しており、

雑種が多く見られます。また葉の形や花の色を楽しむため、人為的に交配された雑種も多いため、現在では非常に多種多様な個体が存在しています。なお一部の種類はワシントン条約付属書に指定され、自由な輸出入が禁止されています。

サラセニアの特徴

サラセニアは多年草で、湿地を好む植物です。最大の特徴は捕虫葉と呼ばれる筒状に変形した葉っぱです。捕虫葉の大きさは10cm~1m以上と、種によってかなりの差があります。いずれも垂直に伸びるため、筒を地面に並べたように見えます。また夏になると捕虫葉以外に、

剣葉という普通の葉を出します。捕虫葉も剣葉も同じ芽から変化したものと考えることができます。捕虫葉の構造は種によって少しずつ違います。一般的には筒の入口に蓋がかぶさった形になっています。筒の内側には下向きに細かい毛が生えており、

迷い込んだ虫は登れずに下へ落ちます。そして筒の底に溜まった消化液で分解されます。ただし消化酵素の力は弱く、分解できるのは細菌の働きが大きいと言われています。サラセニアは食虫植物の中でも虫を採る量が多く、小さな虫ならひとつの筒で何十匹も捕獲します。

しかし虫が溜まりすぎると、消化しきれずに腐ってしまうことがあります。また大型の昆虫でも捕獲できますが、スズメバチなどは葉を食い破って脱出することもあるので注意が必要です。茎は短くて太く、地面を這うように伸びます。またほとんどの品種では、根が多くてしっかりと張ります。

春から初夏にかけて花茎を垂直方向に伸ばし、葉よりも高い位置に下を向いた花を、ひとつの茎に一輪咲かせます。花の色形も面白く、葉と並んで鑑賞のポイントになっています。なお亜熱帯地域以外では、葉は冬になると枯れ、茎だけが冬を越します。

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