タイムの育て方

タイムの種付けと育て方
タイムの育て方には、二通りの方法があります。種付けして育てるケースと、市販の苗を購入して育てるケースです。発芽させるのが難しい品種ではないため、初めての栽培でも十分に生育させることは可能です。
しかし、種による栽培では種ごとに香りにばらつきが出るという特徴があります。そのため、成長してから香りの強いものと弱いものに分かれてしまうのを避けたいという人は、市販の苗で葉の香りを確かめてから購入するのがおすすめです。
苗は購入した後すぐに適切な場所に植えるようにします。なお、成長したタイムは挿し木や茎伏せによって簡単に増やすことができます。苗ではなく種付けするのであれば、春か秋に種をまきます。種は非常に細かく、土で覆ってしまうと発芽できないこともあるので、基本的には覆土しません。
種付け後は手のひらで軽く上から抑えて、落ち着かせるだけで十分です。タイムはもともと寒冷地での栽培に向いたハーブなので、寒さには強い反面、梅雨期や高温多湿の夏に弱りやすいという特徴があります。
健康なタイムの育て方としては、風通しと日当たりのいい場所で栽培することが一番おすすめです。土を盛った植え込みや石垣の上などの高い場所に植えるか、素焼き鉢などに植えて風通しの良い場所に置くと健康に育てることができます。
タイムの栽培方法
まず、庭植えか、それとも鉢植えにしたかによって育て方が変わってきます。庭植えの場合は、日当たりと風通しのよい場所に植えつけることが重要です。高温多湿に弱いハーブですが、太陽は大好きなので、できるだけ日照時間の長い場所を選んであげることが大切です。
鉢植えでは、水はけのよい培養土に植えつけ、庭植えのときと同じく日当たりと風通しのよい場所に置きます。タイムは蒸れると枯れ上がる危険があるため、常に風通し良く管理することが求められます。
風通しを重視するため、タイムの水やりは乾燥してからたっぷりとやることが基本になります。常に水で湿らせる必要はなく、むしろそのようなやり方で栽培すると、枯れてしまう危険が付きまといます。
土の表面がすっかりかわいてしまってからが水やりのタイミングとしてはベストといえます。庭植えの場合は、植えつけ直後にまずはたっぷりと水やりをします。鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたタイミングで、こちらもたっぷり水やりします。
家庭菜園の基本は水やりと肥料ですが、野菜や果物と違って、頻繁に追肥を行う必要はありません。庭植えではまず、植え付け時に肥料をまきます。まずは植える場所を決めてから、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1平方メートルにつき70gを植え場所の土にばらまいて、苗を植えるようにします。
鉢植えの場合も同様で、植えつけ時に用土1リットル当たりにつき5gの粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を混ぜて使用します。苗にしろ種にしろ、植えつけたその時に肥料をやるのが基本です。なお、追肥の回数は少なく、年に1回、3月ごろ、同量の肥料を追肥するだけで完了します。
収穫と利用方法
タイムに限らず、ハーブの収穫時期は地上部の薬効が最大になるタイミングがもっとも適しているといえます。ハーブの薬効が最大になるのは、花が咲き始める時期のことで、収穫する時間についても最適なタイミングが存在します。
タイムを収穫すべき時間帯は、晴れた日の午前中がベストです。収穫は、根の際5cmほどのところから切り取ります。切り取ってすぐ、サッと洗って水気をふき取り、小束に分けて風通しのいい室内に吊して乾燥させるか、通気性のいい、ざるや紙箱の上に並べて乾燥させます。
十分に乾燥したら、湿気を通さない缶やファスナー袋にいれて保存します。保存場所は冷暗所がもっとも適しており、常温の場所に置いておくよりも、冷蔵庫で保存したほうが香りと色を新鮮な状態で保つことができます。
乾燥することで香りが弱くなったり、独特の芳香が失われてしまうハーブが多い中で、タイムは乾燥しても素晴らしい香りをキープすることができる貴重な品種です。そのため、乾燥後の利用方法にはさまざまなものがあります。
ハーブティーにしたり、料理の香りづけとして使用する以外にも、ポプリに加工するなど、その用途は多岐にわたります。また、タイムにはチモールという強力な殺菌・抗菌作用を持つ成分が含まれています。
それがタイムのぴりっとして清涼感のある香りの正体なのですが、その殺菌作用とすっきりした香りを利用することもできます。たとえば、タイムを肉や魚のマリネに加えることは料理の香りづけとしてだけではなく、防腐も兼ねた非常に実用的な利用方法といえるでしょう。
ハーブティーも香りや味を楽しむだけにとどまりません。濃い目にいれたハーブティーでうがいをすることで、のどの奥を殺菌し、風邪の予防につながります。あるいは、乾燥したタイムを詰めたシューキーパーで、靴の抗菌・防臭をすることも可能です。
タイムの歴史
学名はThyme、分類はシソ科イブキジャコウソウ属に当たります。高さおよそ15センチメートルから40センチメートルほどに成長する、常緑小低木のハーブです。 開花期は5月?7月にかけてで、耐寒性の性質を持ちます。
主な生息地はヨーロッパやアジアで、原産地もヨーロッパ、アジア両方の説があります。もっとも有力視されているのは、地中海沿岸地方からヨーロッパ、アジアへと伝播し、世界中に広まったとする説です。長い期間、広い地域で自生、あるいは栽培されてきており、古くから人々の間で利用されてきたことは間違いありません。
タイムは、古代から使われてきたハーブの一つといえます。香りの強い種類なので、エジプトでは香油として用いられ、ギリシアでは入浴のさい湯船に入れたり、あるいは寺院のお香に用いたりしました。
中世でも、そのシャープですっきりとした芳香と、殺菌作用から空気を清浄にするために重宝された歴史があります。悪臭や疫病から身を守ってくれるハーブとして、花束にして携帯されることもありましたし、その清涼感のある独特の香りは、「勇気の象徴」とされてきました。
タイムの特徴
初夏から夏にかけての季節、タイムはピンクやホワイトカラーの小さな花を咲かせます。香りの強いことで有名なハーブですが、もっともその芳香が際立つのは花の咲き始めた時期です。また、このときは地上部での薬効が最大となるタイミングでもあります。
すばらしい香りに加え、ぴりっとした風味があることも特徴です。料理の香りづけのほか、香料や薬用、ガーデニングと幅広く利用されています。肉や魚にぴったりな定番のハーブで、特にフランス料理とは相性バツグンです。
葉はチモールなどの殺菌・防腐作用のある成分を含んでおり、料理の香り付けとしてだけではなく、保存性も高める効果も期待できます。基本種はコモンタイムですが、変種や近い品種が多く存在します。レモンの香りがする品種や、葉に黄色い斑模様が入る品種、白い斑模様が入る品種など、それぞれに異なる見た目と香りを備えています。
中には、広がるように育つ、匍匐性のタイプのものもあります。どの種類のタイムにも薬効があり、例外なく料理の香りづけにも使用することができます。たとえば、レモンタイムはその名の通りレモンの香りを持ち、マイルドな風味が特徴です。料理のほかにも、小枝を生のままハーブティーにすると、すっきりとしたおいしさを味わえます。
下記の記事も詳しくかいてありますので、凄く参考になります♪
タイトル:イブキジャコウソウの育て方
タイトル:マリーゴールドの育て方
タイトル:タイムの育て方について
タイトル:ハイビスカスの育て方
タイトル:コリウスの育て方
-
-
アルストロメーリアの育て方
特徴として、ユリ目に該当します。ユリズイセン科の種類にはいる花になります。草丈に関しては50センチから1メートルほどの花...
-
-
イワコマギクの育て方
イワコマギクは和名としてだけではなく、原産地となる地中海海岸地方においてはアナキクルスとしての洋名を持つ外来植物であり、...
-
-
ススキの育て方
ススキはイネ科ススキ属の植物で、秋の七草の一つです。十五夜の月見にはハギとともにススキが飾られていることが多いです。沖縄...
-
-
シュウメイギクの育て方
シュウメイギクは中国が原産とも言われています。中国では根を解毒・解熱に使用されてきました。日本でも古くから本州、四国、九...
-
-
ヘリオフィラの育て方
ヘリオフィラはアブラナ科の植物で小さな青い花を咲かせてくれます。つぎつぎと花を楽しむことができる植物になっています。南ア...
-
-
ロータスの育て方
「ロータス」は、北半球の温帯、主に地中海付近の島国を原産として約100種類もの品種が存在するマメ科ミヤコグサ科の多年草で...
-
-
ラッキョウの育て方
ラッキョウの生息地や原産地は中国のヒマラヤ地方といわれ、中国では紀元前から栽培されていたのです。主に薬用として利用されて...
-
-
セイヨウイワナンテンの育て方
セイヨウイワナンテンはツツジ科の常緑低木で北アメリカが主な原産地です。バーニジア州、ジョージア州、テネシー州などに分布し...
-
-
オーブリエタの育て方
オーブリエタとは、アブラナ科オーブリエタ属に類する多年草です。多年草とは、毎年生息して育つ植物の事を言います。いわば土の...
-
-
ヒヤシンスの育て方
ヒヤシンスは、ユリ科ヒヤシンス属に分類される球根性多年草です。ギリシャなどの地中海沿岸から、イラン、シリア、トルコ、など...
学名はThyme、分類はシソ科イブキジャコウソウ属に当たります。高さおよそ15センチメートルから40センチメートルほどに成長する、常緑小低木のハーブです。 開花期は5月から7月にかけてで、耐寒性の性質を持ちます。