ウツギの育て方

ウツギの育てる環境について
ウツギを栽培する際には、日当りのよい場所、もしくは明るい日陰で育てると良いでしょう。耐暑性と、耐寒性にとても強い植物ですので、道南よりも南で栽培をすることができます。秋頃になると、落葉するため、枝だけが残った状態になります。
そのため、秋頃は特別に日当りに気をつけることをしなくても良いでしょう。鉢で育てる場合には、管理しやすい場所に置き、季節ごとに移動させることも可能です。成長すると茂るほどスペースをとる場合があるため、地植えができる環境であれば庭などに植えると良いでしょう。
コンパクトに育てたいという場合には、ヒメウツギを選ぶことをおすすめします。育て方のポイントは、間引きと剪定です。花の後、夏前に行ないましょう。花が咲いた後に伸びてくる古い枝を枝元から数本選んで間引きます。この時、枯れた枝も切り落としましょう。
枝を調整することで、風の通りがよくなります。株の中にまで日光が当たるようになるイメージで行ないましょう。枝同士が特別に混み合っている状態でない場合には、無理に間引きを行なう必要はありませんので、混み合った枝部分を見つけて行ないましょう。
また、コンパクトな状態を保ちたい場合には、2月頃に株元まで全ての枝を切り戻しましょう。切り戻し作業を行なった年は、花を見ることができませんが、コンパクトな姿をキープすることができます。一般的に切り戻しは3年から4年に一度を目安に行ないましょう。
ウツギの種付けや水やり、肥料について
ウツギが好む土は、湿り気のあるものです。鉢植えの場合は、春から秋にかけての生育期においては、土の表面が乾いてきた場合には、水をたっぷり与えましょう。秋以降は、落葉期となりますので、生育期と比較すると、水やりは控えましょう。土をやや乾かし気味にすることがポイントです。
また、地上をした場合には、一度ウツギが根付いてしまえば、極端に乾燥が続いている状態を除けば、特に水やりを行なわなくても可能です。夏や冬場の乾燥期にのみ気をつければ良いでしょう。肥料については、発酵油かすを与えてあげるか、化成肥料を与えてあげます。
春と秋に一回ずつ、1年に2回あげるようにしましょう。化成肥料は即効性のあるものよりは、ゆっくり栄養分が届くものをおすすめします。土を作る場合には、ウツギは、腐植質の土で良く育つため、赤玉を5、鹿沼土を2、腐葉土を2、川砂を1の割合で混ぜた土を作りましょう。
庭などに地植えをする場合には、庭にある元々の土に5割ほどの腐葉土を混ぜると良いでしょう。植え付けは、冬の落葉期に行ないます。地植えの場合は古い土をやさしく落としたあとに、30分ほど根っこに水を吸わせてから植えます。
植え付けた後は水をたっぷりあげましょう。植え付けをする際に注意したいのは、極寒期です。なるべく極寒期は避けることをおすすめします。地植えをした場合には、一度植え付けてしまうと植え替えの必要もありませんので、お手軽に育てることができます。
ウツギの増やし方や害虫について
ウツギは、さし木で増やすことができる植物です。3月中旬から下旬の春頃に行なう場合には、昨年の枝を使用します。また、6月から7月にかけての初夏に行なう場合には、同じ年に伸びた枝を使います。新しいものを選びましょう。さし木にする際のポイントは、わき芽が発達したものを選びましょう。
枝を先端よりおおよそ15センチほどの長さにカットして、さし穂にしていきます。枝の切り口は、真っ直ぐではなく、斜めになるようにカットしましょう。ビニールポットや育苗箱を使用します。赤土玉を用土に使用して、地面から芽が1個から2個顔をのぞかせる深さに挿していきます。
土が乾かないように、半日陰の場所に置いてから水をあたえてあげましょう。90日ほどで鉢や庭にも植え付けられるように根がでていきます。病害虫はアブラムシがつきやすい性質をもっています。主に春頃につきやすくなりますので、
春先に殺虫剤を散布して予防しましょう。また、春から初夏にかけてはウドンコ病が発生しやすくなります。葉っぱや茎がカビに覆われて白くなりますので、窒素分の多い肥料を与えて予防することがポイントです。また、夏から秋にかけての高温期には、
サビ病と呼ばれている葉っぱにイボ状の斑点ができる病気が発症する場合があります。発生したらダメージを受けている葉っぱを取り除き、薬剤を散布します。他の葉っぱにうつらないよう、ダメージを受けている部分は全てカットしましょう。
ウツギの歴史
ウツギは、ユキノシタ科の植物です。生息地は北海道から九州、奄美大島までの日本の山野や、中国原産のものもあります。落葉性の低木です。その他、メキシコに自生している種類は2種類あり、その他多くはヒマラヤや東アジアに分布しています。
枝の芯の部分が空洞になっていることから、うつろな木と呼ばれ、空木という名前がつけられたという由来があります。別の属や種でも、幹が空洞になっている植物をウツギと呼んでいることもあります。別名であるウノハナは、ウノハナウツギの略称です。
また、旧暦の4月頃、卯月の頃に花を咲かせる植物のため、卯木とされたという説もあります。また、おからのことを卯の花と呼ぶのは、ウツギからきています。ウツギが咲いている様子がおからと似ていることや、枝の芯が空洞で空っぽという意味合いに通じるため、つけられたとされています。
花付きの苗が園芸店などでよく販売されていますが、本種と他の種を掛け合わせた園芸品種がヨーロッパでは多く作られています。また、学名であるドイツィアは、オランダ人のヨハン・ドイツという名前に由来しています。フランスの園芸家によって園芸品種が作出され、
オーソドックスな白色の他、ピンクや紅色のものがあります。中国のものは、花びらが白く、裏側が紫紅色をしており、花びらに丸みがあるのが特徴です。昔は、畑などの耕作地の境界を示す木として植えられていました。また、幹部分は、木の釘に加工することができ、利用されています。
ウツギの特徴
ウツギは、湿り気のある土壌を好む植物で、開花時期は5月から6月頃です。樹高は通常2メートルから4メートルほどになり、新しい枝は赤褐色を帯びる傾向にあります。樹皮は灰褐色をしています。枝の先端には、白い花が沢山あり、ひとつの花はおおよそ1センチほどです。
通常花弁は、細長く5枚あります。葉っぱの縁にはギザギザがあるのが特徴で、葉っぱ全体には毛が生えています。触った感触はざらざらしています。その他、卵形や楕円形、針形などさまざまな葉柄を持っています。地際から枝を沢山伸ばし、大きく成長して茂っていきます。
さまざまな種類があり、ウツギ属は50種程存在しています。主にシロバナヤエウツギがよく見られます。雄しべが花びらとなっている特徴があります。また、花びらの外側部分が少し赤い色になるアケボノウツギや、八重咲きのサクラウツギなどがあります。
花びらの外側が紅色をしており、美しいフォルムが人気です。花だけでなく、葉っぱも美しいのが特徴で、ヴァリエガタと呼ばれている品種は、代表的な種類です。日本に分布しているものは、ヒメウツギと呼ばれているもので、樹高は1メートル程度と低く、
スペースが十分にない場合でも育てやすいのが魅力のひとつとなっています。葉っぱに生えている毛が少ないのが特徴です。ウツギは、初心者でも栽培しやすい植物で、生け垣などにも向いています。大気汚染にも強く、丈夫な植物です。洋風の庭園を作る際にも合う植物です。
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