オーニソガラムの育て方

オーニソガラムの育て方

オーニソガラムはヨーロッパから西アジア、アフリカが生息地で、約100種類ほどがある球根植物です。ヒアシンス科、オオアマナ属です。オーニソガラムは球根で増える植物です。その球根は玉ねぎのように薄い鱗片が重なった鱗茎と呼ばれる形状をしており、卵形や平たい球形です。

育てる環境について

オーニソガラムは日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では生育が悪くなり、花が咲かないことがあります。特につぼみが大きくなってきたら日当たりのよい場所に置くように注意しましょう。そうしないとつぼみが開かずに終わってしまうことがあります。

アラビカム、ウンベラツム、ナルボネンセなどの耐寒性の品種は戸外でも冬越しすることができます。ドゥビウム、ミニアツム、ティルソイデスなどの半耐寒性種は霜に当たると葉が傷み、最悪の場合枯れてしまうことがあるので、露地植えでなく鉢植えで栽培し、11月以降は室内の日がよく当たる場所に置くようにします。

土は、水はけのよいものが適しています。水はけが悪いと白絹病が発生し、球根がダメになってしまうことがあるので、露地植えにする場合は特に注意が必要です。鉢植えに刷る場合は、赤玉土5:腐葉土3:川砂(もしくは山砂)2の割合で混ぜた土を用います。

球根の植えつけは10月頃に行います。露地植えにする場合は、穴の深さは7cmにし、小球種は10cm、大球種は15cm間隔で植えていきます。鉢植えの場合は、深さ2~3cmに植えつけます。オーニソガラムには巨大球の品種もありますが、

そのような球根を植える場合は鉢植えにし、球根を土の上に置くような感じでごく浅く植えます。鉢植えの場合は毎年植え替えした方が生育がよくなります。露地植えの場合は、3年に1回ほど球根を分球するために掘り上げますが、それ以外は特に植え替えの必要はありません。

種付けや水やり、肥料について

オーニソガラムは乾燥した土地を好むため、水のやり過ぎには注意してください。球根を植えつけた後は頻繁に水をあげたくなりますが、我慢が必要です。植えつけから2か月間は水をやりすぎると球根が腐ってしまうことがあります。この期間と休眠開け直後は水に慣らすように、

水やりの回数は控えめにして、土の表面が完全に乾いてから与えるようにしましょう。春の生育期間には、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。6月頃になって葉が枯れると10月頃まで休眠期間になりますが、この期間には水を与える必要はありません。

肥料は、球根を植えつける時に緩効性の肥料を混ぜ込んでおきます。丈夫な植物なので、その後は肥料を与える必要はありません。必要となる手入れとしては、花がら摘みがあります。花が咲き終わったら、花をそのままにしておかずに早めに花茎ごと切り落とします。

花は枯れてはいますが、栄養はまだ花の方にも行ってしまいます。花がらに栄養を取られると球根の力が弱くなってしまうので、花がら摘みを怠らないようにしましょう。葉は球根から直接生えており、球根に栄養を送る役目を持っています。切り取るのは花茎だけにし、

葉は自然に枯れるまでそのままにしておきます。花が終わり、暑くなってくると休眠期に入ります。6月頃になって葉が枯れたら、鉢植えのものは球根を掘り上げます。休眠期に30℃を超える場所で保管すると花芽ができないため、できるだけ涼しい場所に貯蔵しておきましょう。

増やし方や害虫について

オーニソガラムは球根を分球してふやします。葉が黄色くなり、1/3ほどが枯れた頃に球根を掘り上げます。掘り上げたら、玉ねぎのように薄皮を剥くと、いくつかに分かれているのがわかります。大きく3つや4つに分かれていることもあれば、元の球根の周りにぐるっと

小さな球根が付いていることもあります。掘り上げた球根は、植えつけ時期の10月頃まで風通しのよい涼しい場所で保管しておきます。かかりやすい病気には、白絹病があります。白絹病の原因は菌で、高温を好み真夏によく発生します。

土壌で病原菌が発生し、植物が土に接している部分やその周りの地面が白い糸で覆われたようになり、そのまま立ち枯れてしまいます。その後、地表に小さな種のような白や褐色の粒がたくさん見られるようになります。これらは「菌核」と呼ばれる菌糸の塊で、このまま冬を越します。

この状態になると過酷な環境でも耐えて長期間生きるため、同じ場所で発生が続くことになります。病気にかかった株はすぐに取り除きましょう。病原菌を取り除くには2つの方法があります。ひとつは天地返しです。菌核は地表から5cmあたりまでにしかいないので、

越冬している1~2月に天地返しをして菌核を地中深くに埋めてしまいます。白絹病の病原菌は好気性菌なので、深く埋めれば繁殖を抑えることができます。もうひとつは太陽熱で消毒することです。7~8月の暑い時期のよく晴れた日に、土を少し湿らせてから黒ビニールで覆って蒸すようにすると効率よく消毒ができます。ただし、休眠に入り球根を掘り上げた後に行いましょう。

オーニソガラムの歴史

オーニソガラムはヨーロッパから西アジア、アフリカが生息地で、約100種類ほどがある球根植物です。園芸用としては約30種が栽培されており、耐寒性の品種と半耐寒性の品種とに分けられます。耐寒性品種の代表的なものとしては、地中海沿岸原産のアラビカム、

南西アジア原産のウンベラツム、地中海沿岸原産のナルボネンセがあり、これれらはそれぞれ形状が異なるものの白い花を咲かせます。半耐寒性の品種では、オレンジ色の花をつけるドゥビウム、南アフリカ原産で黄色の花のミニアツム、同じく南アフリカ原産で白花のティルソイデスが代表的です。

中でもウンベラツムは英名で「Star of Bethlehem(ベツレヘムの星)」とも呼ばれ、愛されてきました。ベツレヘムの星は、キリストが生まれた時に輝いたといわれている星です。クリスマスツリーの頂で輝いている星も、このベツレヘムの星を表しています。

6弁の花びらを持つ純白の小さな花が、汚れのない神の子の誕生を祝して輝いた星に喩えられたのでしょう。他のオーニソガラムもベツレヘムの星と呼ばれることがありますが、一般的にはベツレヘムの星という際はウンベラツムを指します。ウンベラツムの和名はオオアマナといいます。

日本に古くからあるアマナという植物に似ており、それよりは少し大きいことから名づけられたようです。ウンベラツムは観賞用として日本に入ってきた植物ですが、繁殖力が強く、鱗茎を含んだ土が移動したことで野生化したものも数多くあります。街中でも時折、道端やちょっとした土手などで見かけることがあります。

オーニソガラムの特徴

オーニソガラムは球根で増える植物です。その球根は玉ねぎのように薄い鱗片が重なった鱗茎と呼ばれる形状をしており、卵形や平たい球形です。球根の大きさは種によって異なり、小型種では直径3cmほど、大型種では10cmほどになります。

秋に植えつけ、春に開花する秋植え球根で、夏は地上の部分が枯れて休眠します。葉は細長く線状のものが多く、長さは20~30cmほどになり、球根から直接伸びています。葉の中心から茎を長く伸ばし、その先端に花を咲かせます。花はひとつの茎に数輪から数十輪がつきます。

花は6枚の花びらを持ち星のように見え、色は白や乳白色の種が多いですが、黄色やオレンジ色の花をつけるものもあります。アラビカムは茎が50cmほどに伸び、その先端に3cm程度の花が10輪ほど咲きます。花の色は乳白色で、香りがあります。

花の中心にある雌しべが黒っぽくて大きいため、和名はクロボシオオアマナといいます。ウンベラツムは2cmほどの白い花をひとつの茎に6~20輪ほどつけ、ナルボネンセは穂状に白い花がまばらにつきます。ドゥビウムはオレンジ色の花を数輪から数十輪咲かせる品種で、鉢植えでよく売られています。

ミニアツムは黄色い花で、10輪ほどが茎につきます。ティルソイデスはひとつの茎に30輪前後の白い花を咲かせます。アラビカム、ウンベラツム、ナルボネンセは耐寒性で、ドゥビウム、ミニアツム、ティルソイデスは半耐寒性です。半耐寒性の品種は冬場の育て方に注意する必要があります。

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