ブラキカムの育て方

育てる環境について
ブラキカムは鉢植えでも庭植えでも可能ですが、秋から春にかけては日向に、夏場は半日蔭に置きましょう。寒さにはある程度対応でき、軽い霜が当たる程度であれば戸外でも冬を越すことができますが、頻繁に霜に当たったり、凍結するほどの寒さであれば室内に取り込みましょう。
日当たりがよく、水はけの良い場所であれば比較的成長しやすく、それほど手間はかかりません。夏の暑さには弱いですが、アングスティフォリア系の品種は庭植えでもある程度暑さに耐えられますので、育てやすいです。ほとんどの品種は夏場には遮光して過ごしますが、
一部の品種はこの時期にも開花が続きます。日よけをしながら花を楽しみましょう。この花は元気に生育する気温が15~25度程度ですので、できるだけこの状態に近づけるように気を配っておくことで成長しやすくなります。真夏は高温多湿で最も苦手な時期ですので、
切り戻しをして風通しを良くするのも効果的です。用土に関しては、ブラキカムは過湿にも乾燥にも弱いため、水やりは注意が必要です。基本的に、水やりは気持ち控えめに行うのがよいでしょう。水はけがよく、保水力もある土を好みますので、自分で配合するときには
小粒の赤玉土4:小粒の鹿沼土1:酸度調整済みピートモス3:腐葉土1:パーライト1の配合土などを用いるとよいでしょう。気温と湿度、日照量などに気を付けておけば、比較的強い品種ですので、慣れてくると何年でも咲かせることができます。
種付けや水やり、肥料について
ブラキカムは9~10月にかけて、粒子の細かい用土に種をまき、種が少し見える程度にごく薄く覆土をします。発芽した苗は、春まで凍らせないように育苗しますが、フレームに取り込んだ場合には多湿や高温になりやすいため、しっかり換気をしましょう。
冬が厳しくない地域であれば、庭植えの状態で冬越しをすることも可能ですが、霜や凍結の心配がある地域では、鉢植えにして苗を育てたほうがよいでしょう。水やりに関しては、基本的に控えめにして育てる植物です。庭植えの場合にはほとんど水やりをする必要がありませんし、
鉢植えの場合にも土が湿っているときには水をやらずにおきます。ただ、乾燥しすぎると枯れてしまいますので、水分が蒸発しやすい夏場には、気温が下がる朝と夕方に水をやりましょう。通常は、用土の表面が乾いてきたらたっぷり与えるようにします。
肥料は、鉢植えでは3~11月に薄めの液体肥料を施しますが、一度に与えすぎると根が傷んでしまいますので、規定倍率の2倍ほどに薄め、量も与えすぎないように気を付けましょう。また、植え替えや植え付けの時などの置き肥も省略します。庭植えの場合には、
特に肥料を与えなくても成長します。全体的に、生息地との環境の違いに注意しておけば、育て方は比較的簡単であり、成長しやすい品種ですので、ポイントに気を付けて育てていくとよいでしょう。甘やかしすぎず、厳しすぎず育てるのがすくすくと成長させるコツです。
増やし方や害虫について
ブラキカムの増やし方は、大きく分けて株分け、さし芽、種まきの3つの方法があります。株分けの場合には、3月に植え替えをするとき、株分けをして植えることで増やすことができます。また、さし芽は3月に充実した茎を用土に挿すことで、増やすことができます。
病気に関しては、3~5月と9~11月に、風通しが悪い場所で株が軟弱に育つと、うどんこ病が発生しやすくなります。白いカビが原因で、葉の表面などが粉をふいて白くなり、ひどくなると枯れてしまいますのでこれらの特徴がみられたときには殺虫殺菌剤を使用しましょう。
風通しと日当たりを良くして、液体肥料を施して丈夫に育つようにすることで、植物自体の耐久性がついて発生が減少します。また、2~6月と10~11月の低温多湿の環境では、灰色かび病が発生しやすくなります。花弁に水滴のようなな跡がつき、白い花では赤い斑点、
色のついた花では白い斑点が多数生じ、状態が悪化すると褐色に腐ってきて、やがて灰色のカビに覆われます。この時期には水やりは午前中に済ませておき、夕方は葉が乾いている状態にしたり、風通しを良くしましょう。害虫に関しては、5~7月と10~11月に
ナメクジが発生して新芽を食べます。ナメクジは夜行性ですので、食べられた跡がみられるときには夜に見回って駆除しましょう。専用の駆除剤を使う方法もありますが、ビールを入れ物に入れて置いておくと、死ぬまで飲み続けますので予防になります。
ブラキカムの歴史
ブラキカムは、オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、ニューギニアに、60~70種が分布する半耐寒性の一年草、または多年草です。本来は学名のカタカナ読みで、ブラキスコメと呼ぶのが正式ですが、日本では流入してきた当時からブラキカムと呼ばれており、
本種の異名とされています。もともとは様々な国で自生していましたが、その大半がオーストラリアであり、古くからなじみのある花ということで国内で品種改良が施され、環境が異なっている地域でも育てやすくなりました。野生種の場合、原産地の生育環境が日本とは合っていないため、
国内にはオーストラリアで品種改良されたものが主に流入しています。一年草は夏に弱く、多年草は夏に比較的強いため、現在日本国内で栽培されているものは四季咲きの多年草品種が多くなっています。日本の生育地でも育てやすい品種が入荷されてからは、一般家庭でも多く育てられるようになりました。
野生種は日本では育ちにくいため、現在園芸用として親しまれているのはほとんどが改良品種で、花の形や全体的な姿がコスモスのミニチュア版に似ていることから、ヒメコスモスとも呼ばれるようになりました。
近年では、種間交雑などによって園芸種の種類が増えてきており、葉の形や花の色など、野生種とはずいぶん雰囲気が変わって、よりバリエーションが豊かになっています。そのため、寄せ植えなどにも向いており、人気の品種となっています。
ブラキカムの特徴
ブラキカムの花はシネラリアを小ぶりにしたような形で、原種は60種類ほどあります。基本的にコスモスを小さくしたような形をしていますが、品種改良された園芸種の中には、本来の細く裂けた線のような形状の葉だけでなく、幅の広いものも登場しています。
花は青紫や藤色、ピンク、白など華やかでカラフルなものが多く、小さめのサイズで数多く咲きますので、鉢植えにしても庭植えにしても、開花時期には鮮やかに周囲を彩ります。花の色が組合わせやすいため、寄せ植えをしてもお互いに害を与えることなく、きれいな仕上がりになります。
この花は分枝性にも優れており、特に手入れをしなくても自然にマウンド状にこんもりとまとまりますので、観賞用にぴったりです。花つきもよく、次から次へと開花しますので、緑の多い庭にもぴったりです。成長面での特徴としては、原種は多年草タイプと一年草タイプに分かれていますが、
日本では四季咲きの多年草タイプがほとんどです。こちらは一年草タイプに比べると夏に比較的強いですが、もともとが暑さにも寒さにも弱い品種ですので、四季を通じてきちんと管理する必要があります。多年草タイプは4~11月にかけて長期的に開花しますので、
長く花を観賞したいという人にもおすすめの品種です。近年では、花径3㎝程度の大輪を咲かせる品種も登場していますので、組み合わせの楽しさもひとしおです。病気などの心配もほとんどありませんので育てやすいです。
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ブラキガムは、キク科、ヒメコスモス属(ブラキスコメ属)になります。また、別名は、ブラキスコメ、宿根ヒメコスモスなどと呼ばれています。ブラキガムの花はシネラリアを小ぶりにしたような形で、原種は60種類ほどあります。基本的にコスモスを小さくしたような形をしていますが、品種改良された園芸種の中には、本来の細く裂けた線のような形状の葉だけでなく、幅の広いものも登場しています。