ゼノビアの育て方

ゼノビアの育て方

ゼノビアは日本国内ではスズランノキという名前でも呼ばれる北米を原産地とする植物です。同様にスズランノキという名前で呼ばれる花木にはオクシデンドルム・アルボレウムがあり同様にツツジ科の植物となっていますが、ゼノビアの正式名称はゼノビア・プルベルレンタでゼノビア属の植物であり、オクシデンドルム・アルボレウムはツツジ科オクシデンドルム属の植物であるため、全く別の植物です。

ゼノビアの育てる環境について

ゼノビアは可憐な花を咲かせる植物ではありますが、その性質は非常に頑強で、栽培に関してもある程度簡単に行うことができます。特に耐寒性についてはもともとの生息地が寒冷地帯であるために非常に優れたものがあり、冬場であっても-25℃程度までは枯死することなく越冬できるとされています。

こうした気温になることは北海道地域でも限られていますから、通常の環境であれば寒さに関してはほとんど気にする必要はないでしょう。もちろん雪が積もってしまった場合には早めに除けておくことが必要ですが、寒さに関して神経質になる必要はありません。

ただその反面暑さには弱く、寒冷地であっても夏の暑さ対策は行っておいた方が良いでしょう。寒冷紗などの斜光資材を用いるというのは良い方法ですし、庭に樹木などが植えられているのであればそうした樹木が日よけになるような位置に植えるようにするのが無難です。

また鉢植えで育てる場合には鉢の素材については少々注意が必要で、プラスチック鉢のような温度が上がりやすい鉢だと鉢土の温度が上がり、生育に支障をきたすことがあります。最近ではホームセンターなどで安価に買える鉢の代表格となり、ほとんどの植物に利用することができるものではあるのですが、

ゼノビアを育てる場合には多少値が張ってもテラコッタなどの素材を選んだほうが良いでしょう。またより良い環境で育てるのであれば、テラコッタ素材の鉢を二重にすることが効果的です。これによって鉢土の温度上昇を予防することができ、万が一高温になっても外側の鉢を水でぬらせば効率よく鉢土を冷ますくことができるようになります。

ゼノビアの種付けや水やり、肥料について

種付け・植え付けについては暖地だと9~10月、そうではない地域では12~4月上旬の間に行うことが基本です。ただこの期間でなくては絶対に生育できないというものでもありませんし、特にポットで購入してくるのであれば開花期となる5月ごろまでは植えても問題ないでしょう。

庭に植え付ける際には元肥として有機質肥料を株元に埋め、鉢植えの場合は3月ごろに化成肥料を株元に追加するようにすれば問題ありません。植え付け後の肥料に関しては特に無くとも生育させることができますが、もし状態があまり良くないのであれば化成肥料などを追加で施すようにすると良いでしょう。

ただ与えすぎると外見が良くなるどころか病気や枯死の原因になりますから、与えすぎは禁物です。水やりに関しては通常通り土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをすることが基本です。ただ夏場に関しては乾燥を嫌う性質があるため、水やりだけでは不足することもあります。

特に暖地では土も乾燥しやすいため、土表面にマルチングを施して保湿をするなどの工夫が必要になるでしょう。マルチング用の素材としてはポリエチレン素材のものなどもありますが、通気性を下げてしまうと生育に支障が出るため、ポリエチレン素材よりは有機素材を用いるようにするべきです。

有機質のマルチング素材としては稲わらやピートモスなどが該当しますが、庭植えの場合は外見などで選んでも問題ありません。ただ稲わらはニカメイチュウの虫害の原因になることがあり、他の植物を同じ庭で生育している場合はその植物に虫害が発生することもありますので、この点に関しては注意が必要です。

ゼノビアの増やし方や害虫について

増やし方としては挿し木か株分けのどちらかの方法で増やすことができます。挿し木は6月に新梢から穂木をとり、湿らせた赤玉土に挿して保湿をします。この際の穂木としてはある程度の長さがあれば問題ありませんが、10センチほどの長さを確保しておくように心がけましょう。

保湿の方法として最もメジャーな方法には鉢ごとビニール袋に入れて行う方法がありますが、ゼノビアの場合もこの方法で問題ありません。次に株分けの方法ですが、これは株元から発生したひこばえを切り分けることで行うことができます。時期としては12月から4月中旬に行うこととなりますが、

積雪が発生する豪雪地帯だとこの時期に行うのはかなり難しくなってくるでしょう。そのため行うとすれば暖地になるのですが、この際には子株側にも根が残るように行わなくてはならず、また方法として一度掘り返して行う必要があるため、ある程度慣れている人が行った方が良いと言わざるを得ないところがあります。

方法としては挿し木で増やすことの方が簡単であるため、初心者であるという人や、初めてゼノビアを生育させるという人の場合だとなるべく挿し木で増やすようにした方が良いでしょう。病気・害虫などに関しては特に心配する必要はありません。

もともとの生息地や環境などから非常に頑強な性質を持っているため、他の植物と比べてもほとんど手がかからないのがゼノビアの特徴なのです。ただ絶対に虫が付かない、病気が発生しないとは断言できない部分もありますから、時折状況を確認し、問題が発生しているようであれば逐次対処するようにしてください。

ゼノビアの歴史

ゼノビアは日本国内ではスズランノキという名前でも呼ばれる北米を原産地とする植物です。この名前の由来には諸説あり定かではありませんが、花ことばの「恋煩い」や「純愛」であることと絡めると、紀元51~53年および54~55年にアルメニアを統治したイベリアの王子、ラダミストゥスの妻であるゼノビアが想起されます。

ゼノビアはイベリアの王子ラダミストゥスの妻として彼を支えていましたが、ラダミストゥスは決して善き王とは言えないところがありましたが、ゼノビアはそんなラダミストゥスであっても共に生きていたのです。しかしそれが変わったのが紀元55年に起きたパルティア人の反乱でした。

この反乱によって王はラダミストゥスからアルメニア王ティリダリス1世に代わるのですが、ラダミストゥスはそのままでは処刑されるとして、子を身ごもっていたゼノビアと逃亡することになります。しかし身重の女性が長く馬に乗っていることもできず、

逃げ切れないであろうと悟ったゼノビアは共に敵の手に落ちるのではなく、自分をここで殺して逃げてほしいと哀願するのです。ラダミストゥスは革のほとりで剣を抜いて妻を刺しておいて行くのですが、彼女は偶然一命を取り留め、発見した羊飼いたちによって

ティリダリス1世の元へ連れて行かれるのです。しかしティリダリス1世は彼女を追放された王の妻として処刑するのではなく、むしろ王族として手厚くもてなしました。このエピソードにおいては「自身が命を落としてでも夫に逃げてほしいと思った妻」の愛が描かれており、

オペラにもなっています。ゼノビアの花とこうした史実に直接の因果関係があるかどうかは定かではありませんが、一部ではこの女性への献名だったのではないかとも言われています。

ゼノビアの特徴

ゼノビアの花としての特徴はその涼しげな色にあります。葉は淡い緑色、花は美しい純白となっており、見る人の心に涼をもたらしてくれる花です。秋になると紅葉によって表情を変えるという魅力を持ってもいるのですが、秋以降になっても気温が下がらない地域などだと上手く色づくことができず、

その緑色のまま越冬する場合もあり、秋以降の姿に関しては地域差があります。花は白く香りが強い花を一本の茎に複数咲かせますが、この白い花がスズランの花に似ていることから和名の「スズランノキ」という名前が付くようになりました。同様にスズランノキという名前で呼ばれる花木には

オクシデンドルム・アルボレウムがあり同様にツツジ科の植物となっていますが、ゼノビアの正式名称はゼノビア・プルベルレンタでゼノビア属の植物であり、オクシデンドルム・アルボレウムはツツジ科オクシデンドルム属の植物であるため、全く別の植物です。

特に生長後のオクシデンドルム・アルボレウムは高さ20メートルの高木になるケースもあるため、混同しないようにしましょう。購入時点の姿が大きく違うために購入時に間違えるということはありませんが、インターネット上で「スズランノキ」として紹介されているものが

オクシデンドルム・アルボレウムであるということは少なくありません。またスズランノキの育て方として調べていて見つかった情報がオクシデンドルム・アルボレウムだと別の植物の知識になりますので、その点にも注意が必要です。

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