カラジウムの育て方
育てる環境について
育て方・栽培する環境に関して、できるだけ日当たりのよい場所に置き、斑が薄くなったり茎葉が軟弱にならないようにしましょう。庭植えにする場合も日当たりがよい場所がよく、腐植質が多く水はけがよい土に植えましょう。鉢植えは明るい日陰に置いてもよいのですが、
直射日光に当てた場合より、葉色の美しさが劣ります。また、急に日照量が変化すると葉が傷むので、置き場を変えるときは、徐々に日光に慣らしていきます。温かい季節のうちによく日に当てて、丈夫な葉を育てておくことがポイントです。ただし、真夏の直射日光は葉焼けするので避けましょう。
寒さは苦手で、気温が下がり始めたら早めに室内の暖かい場所に移動します。寒くなるにつれて葉が黄色く変色し枯れ落ちてくると、休眠に入った証拠です。葉が枯れたら球根を掘り起こしてネットなどに入れるか、鉢ごとビニール袋に入れて10℃以上の暖かい場所に置き、休眠状態にして保管してください。
年が明けて5月頃にネットから球根を取り出し、庭や鉢に植え付けます。順調に生長すると翌年7月頃また葉を出します。また、球根を堀り上げず、鉢に植えたままで室内や軒下など、暖かい場所で冬越しをさせる方法もあります。こちらもまた冬の期間は水を与えず、
5月頃から水を与えてください。状態がひどい時は地上部を地ぎわで切り戻し、球根を新しい用土で植え替えて育て直しましょう。鉢植えの場合は、肥よくで水はけのよい用土(例:赤玉土小粒5、ピートモス2、パーライト2、牛ふん堆肥1の配合土など)で植えつけます。
種付けや水やり、肥料について
カラジウムの種付けに関して、球根は20℃以上で活動をはじめるので、春にあまり早く植え付けるのもよくありません。鉢に植えたまま冬越しさせた球根は春に掘り出して土をよく落とし、傷んだ根を取り除いて新しい土で植え替えます。温度不足では葉の色も悪くなります。
慌てず、5月に入ってから植えつけを行いましょう。球根の大きさによって5号鉢(直径15cm)に1~3球を植え付けます。植え付ける深さは球根の上に1~2cm土がかぶさるくらいの浅植えにします。購入した球根も同様に植え付けます。土は水はけの良い土を使用しましょう。
植える間隔・数の配分に関しては、5号鉢(直径15cm)に1〜3球が目安です。また、根は球根の上部付近から出てくるので、植えつける際には浅植えにならないように注意します。水やりに関しては、5月ごろ発芽してから、秋に葉が枯れるまでは、
土の表面が乾いた瞬間を目安にたっぷり水を与えるようにします。ただし、水分を好む植物とはいえ過湿にすると球根が腐るので、与える水量には十分注意しましょう。秋に葉が黄色くなり枯れて休眠に入ったら、ビニールに包んで暖かい場所に移して翌春まで水を断ちましょう。
肥料に関しては、生育期には10日に1回の間隔で液体肥料を与えます。チッソ分の多い肥料を与え続けると、葉色が悪くなることがあります。観葉植物用の肥料はチッソ分の高いものが多いので、購入時にラベルをチェックしましょう。
増やし方や害虫について
増やし方に関しては、主な方法として分球が挙げられます。春に越冬株を掘り上げて植えつけるとき、大きな球根は数個に分けます。鋭利なナイフで切り分けますが、必ず芽を数個つけて分けます。切り口には灰などを塗ってください。切り口には草木灰をまぶして雑菌が入らないようにします。
かかりやすい病気に関しては、主に白絹病などが挙げられます。白絹病は春から秋に発生します。発症している箇所を見かけたら早めに防除しましょう。被害を受けやすい害虫としては、ハダニ、オンシツコナジラミが主なものとして挙げられます。
葉がある時期ならいつでも発生するため、発生を見たら早めに防除します。ハダニは春から夏にかけての高温乾燥時期に発生しやすい害虫です。葉について植物の栄養を吸います。霧吹きなどで葉に水をかけることにより、ある程度発生を予防することができます。
発生してしまったら薬剤を散布して駆除しましょう。他にも、イモムシが3~11月ごろに、アブラムシが3~10月にかけて(4~6月、9~10月に多く発生)それぞれ発生します。害虫はほとんど付きませんが、見つけたらピンセットなどでつまんで駆除しましょう。
芽かき:芽が少ない場合には、植えつけ後、伸びてきた芽を元から折ります。その後の芽数が多くなり、葉が展開するとボリュームのある株になります。他に、管理する上で必要な作業として、花芽かきがあります。新芽が出るときに花芽がつくことがありますが、この時期は取り除くようにしましょう。
カラジウムの歴史
カラジウム/学名・Caladium/和名・ハイモ、カラジューム/サトイモ科・ハイモ属(カラジウム属)カラジウムは、涼しげな模様やカラフルな模様の葉を持ち、トロピカルな雰囲気を醸し出す、夏に楽しめる春植え球根として欠かせない植物として知られています。
ミニ観葉から小鉢などの鉢植えでも、花壇など地植えでも、どちらでも楽しむことができ、ガーデニング愛好者からの人気が高いです。原産・生息地としては、熱帯アメリカに7種が自生しています。一般的に市販されているものは、ホルツラヌム(Caladium × hortulanum)の品種です。
これらは葉が矢尻形をしており、葉色がカラフルな種類です。中でも最も流通している品種としては、古くから栽培されている「キャンディダム」(C. × hortulanum ‘Candidum’)があり、「白鷺」とも呼ばれています。これによく似ている品種に
「ホワイト・クリスマス」(C. × hortulanum ‘White Christmas’)があります。また、「ホワイト・クイーン」(C. × hortulanum ‘White Queen’)、「ローズバッド」(C. × hortulanum ‘Rosebud’)など、
他にもたくさんの品種が出回っています。ヒメカラジウム(C. humboldtii)は小型の種類で、「ヒメハニシキ」の和名もあります。小型で長さ10cm、幅5cmとなり、緑色地に白色の斑点が散在します。
カラジウムの特徴
カラジウムは原産・熱帯アメリカに約15種が分布するサトイモ科の春植え球根の多年草です。カラジウムの別名としては、カラジューム、カラジュウム、カラディウム、ニシキイモ(錦芋)、ニシキハイモ(錦葉芋) 、ハイモ(葉芋)などと呼ばれており、
一般的には観葉植物として地植え・鉢植えともに用いられ、主に夏の観葉植物として親しまれています。またカラーリーフなどに使用されることもあります。草丈・樹高は10~30cmほどで、熱帯に生息しているため、耐暑性があり暑さには強いですが、耐寒性はあまりなく、
寒さに弱いため冬には落葉し、多年草であるにも関わらず冬で枯れてしまうことが多く、多年草としてあまり認知されていないことも特徴的です。球根は茎が肥大した「塊茎」で形は扁平、寒さに弱いので春に植え付けるのが一般的です。鮮やかなインパクトのある葉が特徴です。
大きなハート型の葉はカットして花瓶にさしても楽しめます。切り花としても馴染みが深い植物で、シャープなシルエットが人気です。葉にピンクや赤、黄色の斑が入った種類もあります。紅い色の葉の印象が強く、人気があるため花の存在はあまり知られていませんが、
鮮やかなオレンジ色の花が咲き、その花の様子・姿が南国の鳥のくちばしを連想させることからゴクラクチョウカとも呼ばれています。全草が有毒で、口に入れると口内炎になるため、食べられません。触ったあとはしっかり手を洗いましょう。
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