ボケの育て方

ボケの育て方
美しい花を枝いっぱいに付けるこの植物は日本や中国だけでなく世界中で愛される庭木です。植え付けをする際には乾燥しすぎない日向の土壌が最適です。土の質を選ばずに育つことができるのは日本の風土に馴染み古くから栽培されてきたことが理由です。
ただしトゲがあるので、人に当たらないように注意して植えつける必要があります。その刺を利用して動物よけの生垣とすることもありますが注意が必要です。ボケは鉢植えとしても育てることができます。
通年日がよく当たる場所で管理して開花する時期だけ室内に取り込んで鑑賞しましょう。ただし夏の高温や直射日光が苦手なので、土壌の過度な乾燥を避けるために半日陰に移動させるのが良いでしょう。こうした植え付けや植え替えは休眠期に入る9月下旬から11月にかけて行います。
鉢植えの場合の注意点は畑から掘り上げて鉢に入っているものがありますので購入した年の花を楽しんだあとには全て土を取り替えて植え替え、その後も2年毎に植え替えることで元気に育てることができます。
植え替えの際の用土は水はけと水持ちの両方ができる赤玉土、鹿沼土、軽石、腐葉土、ピートモスを混ぜて植え付けます。根をほぐしてそこから1/3程度にハサミを入れ弱った根を取り除いてから植え付けます。植え付けの際には一回り大きな鉢を選ぶのが良いでしょう。
庭に植え付けをする場合には根鉢の大きさの2倍程度の深さの穴を掘り、掘り上げた土に穏やかに効果を及ぼす粒状の肥料を混ぜ込んで植え付けます。1平方メートル当たり150グラム程度混合して植え付けましょう。植えつけたら根の周りに十分に水を注ぎ植え土をなじませるようにします。はじめぐらつくようであれば支柱を立てて支えてあげると根つきが良くなります。
ボケの種付け
ボケは種付けで増やすのではなく挿し木で増やすことができます。特に庭木として販売されている苗は挿し木で増やしたものがほとんどです。また接木苗で販売されているものもありますが、ボケは台木に負けてしまうことも多くほかの品種の芽が出てしまうこともありますので、やはり挿し木がおすすめと言えるでしょう。
ボケの栽培の注意点
ボケは枝が多い植物です。短い枝がたくさん生えて混み合ってくることがありますが、こうなると日当たりが悪くなり、一枚一枚の葉に十分な日光が当たりません。また風通しも悪くなって虫もつきやすくなるので剪定が必要になります。11月に剪定するのが最適ですが、いくつかの注意点があります。
花芽を落とさずに切らないと次の年の春に花がつかなくなってしまいます。また葉芽も残して置くようにしましょう。花芽は丸みを帯びた形をしており、葉の芽は尖った形をしているので見分けることができます。
葉の芽も全部切り落としてしまうと栄養が作れずに枯れてしまうので、伸びすぎた芽や、細い枝は切り落としても構いませんがよく選んで剪定することが必要です。置き場所に関しては一年を通じて日当たりや風通しの良い場所で育てるのが大事です。
日本の風土には基本的に適している植物なので、ほかの植物のように夏越し、冬越しに特別な作業をする必要はありません。ただし水切れには弱く、地植えの場合には根付きさえすれば心配はありませんが、植え付け直後は水やりにも注意しましょう。
また真夏や真冬の乾燥の季節には水やりを行います。鉢植えは水切れをして枯れてしまいやすいので注意して水やりをします。水の量が足りないと根が表面に集まってしまい弱い株になってしまうので、鉢底から水が出るくらいたっぷりと水やりをすることが大切です。
特に夏場は乾燥して水切れをおこしやすいので注意して水やりをしましょう。肥料に関しては地植えは1月の休眠期には油かすなどを与えます。鉢植えの場合には花の終わった直後のお礼肥、6月、9月に1回ずつやるのが適しています。
つぶ状の化学肥料か、油かすと骨粉を混ぜて丸めたものを上げるのが良いでしょう。土は水はけの良いモノを好みますので庭植えにする場合いはあらかじめ通常の用土に腐葉土を混ぜ込んでおけば十分です。鉢植えの場合には赤玉土と腐葉土、川砂を混ぜ込んだものを使用します。
地植えの場合には植え替えは必要ありませんが、鉢植えの場合には鉢の中に根が回ってしまうので定期的に植え替えをします。9月から10月に周りの土を半分程度落として古い根を切り詰めてから植え付けをします。植え替えをした後にはたっぷりと水をやって落ち着かせます。
その間は直射日光は避けて半日陰で管理しましょう。ボケは根頭ガンという病気にかかりやすいのでそうした病気にかかりにくい丈夫な株を作るためにもこの時期に植え付けをします。生垣として利用する際には40センチメートル間隔で植え付けておきます。このようにボケは庭木として、鉢植え、盆栽として、更には生垣として利用できる多くの方に愛されている花木なのです。
ボケの歴史
ボケはもともと中国原産の落葉低木です。梅と比べてもかなり木の丈が低く、コンパクトな印象で春の花木として人気があります。花期は3月から4月ですが、秋咲きのものは11月から12月に美しい花を咲かせます。日本へは中国から平安時代に薬用として入ってきたものが最初とされています。
そこから貴族などに愛されて育てられ、江戸時代になった頃に園芸品種としての改良が進みました。10世紀に記された日本の博物書、本草和名にもボケの名前が出てきます。大正時代から昭和にかけては日本や中国から欧米諸国にも伝わるようになり、海外でも品種改良が進み、多くの園芸品種が生まれました。
大正時代にはボケ栽培のブームが起こり200種類もの園芸品種が作られたとされています。中国ではこの花を漢方薬の一つとして利用しており、脚気神経痛や腎臓病にも薬効があるとして利用しています。
ボケの特徴
ボケの原種は中国に4種類あり、ヒボケ、カラボケ、コウテンボケ、マボケが知られていますが、日本にもクサボケという品種が自生しています。生息地も中国や日本をはじめとして温帯に広く分布しています。花色は赤や白、ピンクなどで一輪の華にグラデーションのように二色が入ることもあります。
花つきが良く、枝に花がびっしりと付き華やかな印象を与えてくれます。花には雄花と雌花があり、ひと株に両方の花が咲くのも特徴です。庭木として楽しめる他、盆栽としても高い人気が有り鉢植えで育てることもできますし、生垣用に利用されることもあります。
葉は楕円形でギザギザがあり高さは2メートルにもなることがあります。果実もみのり夏にはかなり大きめの黄色い実がなります。分類ではカリンに近い仲間とされています。ボケの仲間では日本に生息しているクサボケが有名です。高さは60センチメートル程度になり地下茎からたくさんの枝を出してこんもりと茂ります。
葉が出る前に花が咲き3月から4月にかけて見頃となります。花色は朱色で美しく丸く優しい印象の花です。マボケは中国原産の3メートルにもなる高木です。刺が多く枝分かれが少ないのが特徴です。
そのほかの園芸種としてカンボケがあり、これがほかの多くの品種の改良に使われて現在のように200種を超える園芸種が生まれました。低木なので人気が高くヨーロッパでも盛んに栽培されている品種です。背が低く花つきが良く、さらに花が美しい世界中で愛されている植物です。
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