サフランの育て方

サフランの育て方

サフランは、西南アジアを原産とするアヤメ科に属する多年草です。香料、染料、薬、調味料など、古くから幅広く活用されている、歴史ある植物です。特に香料、染料としては、紀元前からヨーロッパで利用されてきたという歴史があります。最初に栽培されたと言われているギリシアでは、王族によって重宝され、王族以外は香料として使用できなかったとされています。

サフランの種付けに適した時期

サフランの種付けに適した時期は、晩夏から初秋です。その為、8月下旬から9月中旬を目安に、種付けを行うようにすると良いでしょう。時期がズレてしまうと、花がしっかりと育たず、小さくなってしまう事があるので、時期は必ず守りましょう。また、時期がズレてしまうと、芽が出て花が咲いてしまう可能性もあります。

そうなる前に、種付けを終えるようにしましょう。万が一芽が出てしまったり、花が咲いてしまった時には、速やかに種付けを行うようにして下さい。さらに、浅く植えてしまうと花の付きが悪くなってしまいます。そこで、庭に植える場合には球根2個分、鉢に植える場合には1個から1.5個程度の深さを目安に植えましょう。

そして、庭に植える場合には、水はけにも注意し、水はけの良い場所を選んで植えるようにして下さい。鉢に植える場合には、サフランの背丈を考えて、高さが低めの平鉢などを選びましょう。何故なら、サフランは成長してもあまり背丈が伸びないからです。

その為、高さのある鉢を選んでしまうと、見栄えが悪くなってしまう可能性があるので、鉢の高さには気をつけましょう。鉢の高さに加え、使用する土にも、注意が必要です。鉢に植える場合には、水持ちと水はけのバランスに優れた、培養土を使用するようにしましょう。

サフランの育て方

サフランは、日当たりの良い場所を好む植物です。そこで、育て方としては日当たりの良い場所に置いてあげるようにしましょう。寒さにも強い植物なので、特に防寒をする必要もなく、冬場でもそのまま屋外で育てる事ができます。しかし、高温多湿には弱いので、夏場に気温が高くなる地域で育てる際には、夏が来る前に球根を掘り出しましょう。

そして夏の間は、涼しい場所で球根を乾燥させながら管理し、種付けに適した時期に再度球根を植えるようにすると良いでしょう。植物の育て方で非常に重要となる水やりですが、基本的に土の表面が乾燥したらたっぷりと水をやりましょう。ただし、冬から春にかけての季節は、土が少し乾燥した状態となるように管理しましょう。

その為、冬から春にかけての季節には、少し水やりを控えるようにして下さい。また、肥料はリン酸を多く含むものを選んで与えるのが、サフランの育て方の基本です。だからといって、肥料を多く与えすぎたり、窒素分を多く含む肥料を与えてしまうと、軟腐病のリスクが高まります。

軟腐病とは、細菌が原因によって植物が腐敗してしまう病気です。薬剤が効果を発揮しにくい病気でもあるので、軟腐病にかかると抜き取って処分するしかありません。せっかく育てたサフランを処分する事にならないよう、育て方には気をつけましょう。

栽培する上で大切なポイント

サフランを涼しい地域で栽培する場合、3年から5年程度植えっぱなしでも問題はありません。しかし、夏場に気温が高くなる地域で植えっぱなしにしておくと、球根が腐ってしまう可能性があります。そこで、5月の大型連休前後を目処に、堀りあげを行いましょう。全体の2/3以上の葉が枯れると、堀りあげのサインとなります。

堀りあげた球根は、風通しの良い日陰の場所に吊るして保存するようにして下さい。葉が完全に茶色く変化し、枯れてしまったら、綺麗に取り除きましょう。また、子球が出来た場合には速やかに取り外して、通気性の良いネットのような素材の袋に入れて、涼しい場所で保存するようにして下さい。

鉢植えとして栽培する際には、鉢のスペースに常に注意するのがポイントです。何故なら、鉢のスペースが狭くなってしまうと、花が小さくなってしまったり、花の数そのものが少なくなってしまうからです。そこで、鉢のスペースが狭くなってきたと感じたら、速やかに植え替えて、スペースを作ってあげましょう。

スペースのある状態で栽培すれば、球根がしっかりと太る事ができるので、大きな花が成長するでしょう。さらに、植えっぱなしの状態でも、球根が増えすぎてスペースがなくなってしまう可能性があります。そこで、堀りあげの必要のない涼しい地域で栽培していても、3年から5年に1度は堀りあげを行う事で、球根が太るスペースを作ってあげるのがポイントです。

なお、料理に使う場合は花が咲いたらすぐに、めしべを抜き取り、日陰で乾燥させましょう。日陰で乾燥させる際には、水分を吸収するキッチンペーパーなどの上に置くのがポイントです。こうして乾燥させためしべは、瓶に入れて保存しましょう。瓶に入れて保存していても、風味はおよそ1年程度で落ちてしまいます。そこで、1年以内に使い切るようにする事をオススメします。

香りや風味をより一層引き立てるには、料理に使う前にホイルで包み、オーブンの余熱で乾燥させましょう。この一手間で、香りや風味を引き立てる事ができるので、香りや風味が落ちてきたなと感じたら、是非試してみて下さい。

サフランの歴史

サフランは、西南アジアを原産とするアヤメ科に属する多年草です。香料、染料、薬、調味料など、古くから幅広く活用されている、歴史ある植物です。特に香料、染料としては、紀元前からヨーロッパで利用されてきたという歴史があります。最初に栽培されたと言われているギリシアでは、王族によって重宝され、王族以外は香料として使用できなかったとされています。

ちなみに日本には、江戸時代に薬として伝わり、明治19年に神奈川県大磯町で初めて栽培されました。明治36年には神奈川県大磯町から大分県竹田市へと伝わり、日本での主な生息地として広く知られるようになりました。現在もなお、大分県竹田市では多くの生産が行われています。

実際に、日本国内で流通するおよそ80%から90%のサフランが、大分県竹田市で栽培されたものであると言われているほどです。また、大分県竹田市以外にも、産地としては宮城県塩竈市も有名です。

サフランの特徴

サフランの特徴としては、貴重で非常に高価なスパイスであるという事が挙げられます。貴重で高価なスパイスであるがゆえに、中世ヨーロッパの時代には、偽物が数多く作られたと言われています。そして、偽物を販売した者は、火あぶりの刑に処されるという話も残っているほどです。

実際に、スパイスとして利用できるのは、乾燥しためしべの部分のみです。1つの花から1つのめしべしか採取できない為、1kgのスパイスを作る為には、およそ15から17万個の花が必要になります。こうした事からも、どれだけ貴重であるかが、よくわかるのではないでしょうか。

また、その香りも他の植物にはない特徴と呼べるでしょう。独特の香りは、魚介類と非常に相性が良く、魚介料理には欠かせないスパイスとなっています。さらに、水に溶かすと色鮮やかなイエローに変化するというのも、特徴です。その為、料理をイエローに着色する際にも欠かせない存在です。

ただし、あくまでイエローに変化するのは水に溶かした時のみです。油には溶ける事のない、水溶性であるという事も、特徴として把握しておくべきでしょう。そして、スパイスとして使用する際には、しっかりとフタをして保存するようにしましょう。

光や熱、湿気は、スパイスならではの香りや風味の大敵となります。その為、光や熱、湿気の当たらない冷暗所が保存場所に最も適しています。なお、色が変わってしまったものや、香りが弱くなったものは使わないようにしましょう。

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