フジの育て方
![フジの育て方](https://www.sodatekata-box.jp/wp-content/uploads/2015/05/pixta_fuji.jpg)
フジの育て方とは
フジは基本的には日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育ちます。粘り質がある湿潤な土が向いています。黒土をメインにした堆肥と有機質を混ぜ合わせた土を使うようにするといいです。そこに保湿や通気性のよさを考えて川砂か鹿沼土を混ぜ込むと良いでしょう。
地植えにしている場合は根付いてしまえば特に水やりは必要ありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いた時を目安に与えるようにします。肥料は2月頃に骨粉や油粕などを株元にまき、開花後には化成肥料を少しだけ与えます。肥料にチッ素が多く含まれていると花付きが悪くなるので、
そこは気をつけなければいけません。植え付けが11月半ば頃から3月頃にかけてが良いです。病気や害虫が発生しやすいのでマメに管理してあげたほうがいいでしょう。病気はこぶ病は幹や枝に小さな突起状のものや大きなコブ状のものができてしまう病気で、風通しの悪さが原因です。
他には斑点病やさび病などにもかかりやすいです。斑点病はそのままで、葉に茶色や褐色の斑点ができてしまいます。害虫はフジノキクイムシ、マメコガネ、マメドクガ、ミノガ類、カイガラムシ類、ハゴロモ類、カメムシなどとても多くの虫にとって魅力的な花です。
フジノキクイムシはそのままで幹を食べて穴をあけてしまいます。マメコガネ、マメドクガ、ミノガ類などは葉を食べてしまいますし、カイガラムシ類、ハゴロモ類、カメムシなどは樹液を吸って、ひどい時には枯らしてしまいます。
栽培してる時に行なうこと
フジは夏と冬の2回最低でも剪定をしたほうが良いです。夏は樹形を整えることと花付きを良くするために軽く行います。7月上旬頃に勢い良く伸びている枝があった場合つるの先端をカットし、つるがそれ以上伸びないように抑えてあげます。茎や枝が伸びることを栄養生長というのです。
しかし、この場合、花付きを良くする生殖生長を活発にしてあげるのです。株元に日光がよくあたるようにしたほうがいいので、その辺りもたくさん生えているようであればカットして整理してあげるといいです。冬は樹形のバランスを整えるために行います。
長く伸びすぎている枝や花芽がついていないものをカットします。ノダフジの場合、花芽と芽の違いがわかりにくいですから、はっきりわからないようであればあまりカットしないように控えめにしておきます。株元や幹の途中にはヤゴと呼ばれるよく伸びてしまう枝が出てきます。
ですので、これに関しては見つけたらすぐにカットしてしまいます。冬の剪定は時期が大切で秋のお彼岸前にしてしまうと翌年咲く予定の花芽が秋に咲いてしまうことがありますので、少なくともは落葉する時期になってから行なうようにしたほうがいいです。
植え替えをする場合、地植えから鉢植えにあげる場合はできるだけ根を切らないように丁寧に掘り出しましょう。鉢植えのサイズを大きくすることですが、フジは大きな鉢に植え替えすると生長がはやくなって葉や枝はよくのびますが、花付きがあまり良くならないので頻繁に植え替えはしないようにします。
苗木を植える場合も同じで、根がちょうどおさまる程度の大きさの鉢を選ぶのがポイントです。注意したほうがいいことは鉢植えを地植えに変える場合です。鉢植えの中で栄養十分に育っていた株が地植えになると木が若返ってしまいます。すると枝や葉がよく生長するようになり、花はその分咲かなくなってしまうことが多いです。
種付けで育てられる?
フジには面白い話があります。昔、フジ棚に咲いていたものに種がつき、熟したそれはなんと10mも飛んで発芽したというものです。フジは開花後に15cmから30cmもある細長いマメのようなさやのような果実ができます。皮は木のように硬く、細かい毛が生えています。
そして熟してくるとこれが2つに割れて1.5cmほどの丸くて扁平形の種がはじけ飛ぶのです。この種が入った房は1つの花の房につき2つから3つほどつきます。ただしこの果実がつくのは全ての花房ではなく、ほとんどの花房は果実をつけることはありません。
種がはじけ飛ぶのは落葉期になると皮が乾燥してサヤがねじれてくることから風などで揺れて衝撃ではじけ飛びます。種以外でも挿し木や接ぎ木で増やすこともできます。接ぎ木は3月から4月、挿し木は2月から3月にする春挿しと9月頃に行なう秋挿しがあります。
フジはつる以外にもいろんなことに役立っています。若葉はゆでて灰汁を抜いて食べます。花は湯がいて天ぷらにしたり三杯酢などにつけて食べることができます。つるの茎は繊維を利用して紙を作られます。薬効があるといわれるのは種で、
煎じて食中毒や腹痛などに効果的です。ふじは基本的に寿命が長く、花房の見た目も豪華なことからめでたい木として昔から考えられてきました。長寿なことから日本の各地でも天然記念物に指定されている古い木もいくつも存在しています。
フジの歴史を知ろう
藤が歴史の中で最初に登場するのは有名な書物である古事記の中です。時は712年ごろ、男神が女神にきれいなフジの花を贈り、彼女の心をつかんだという恋愛ストーリーです。759年頃の万葉集にも歌がよまれていて、ホトトギスと組み合わせられてよく使われていました。
平安時代には物語の中にも登場しており、江戸時代になると薬効が知られて利用されていました。かつて大阪城などでは太閤が側室たちを集めて桜見ならぬ観藤会を催したりもしていました。また江戸時代頃まではフジからとった繊維質で衣服を作って仕事をする時に着る習慣がありました。
日本国内で植物分類学が確立するまでは野田藤と呼ばれていました。この花は日本の植物学者である牧野富太郎によって命名されたのですが、野田藤と呼ばれるきっかけになったのは藤の名所だった大阪市福島区の野田でした。原産や生息地は北アメリカ、日本、東アジアなどです。
日本にはフジとヤマフジの2種類が固有種です。中国にはシナフジ、北アメリカにはアメリカフジなどがあります。フジのつるは非常に丈夫なため、昔から生活の中で使われてきており、吊橋や縄、籠などを作るための材料にされていました。
フジの特徴は
フジはつる性の落葉高木です。4月頃から5月頃になると蝶のような形の紫色をしている小花が房になって咲きます。花房の長さは20cmから50cmほどです。2種類あるノダフジとヤマフジには違いがあり、ノダフジはヤマフジよりも花の房が長く、つるが右巻きになっているのが特徴です。
いっぽうヤマフジは花房が短く、左巻きになっているのでよく見るとすぐに違いがわかります。アメリカのものはほとんど庭木として植えられることがありません。中国のものはヨーロッパで品種改良された藤のもとになった品種です。
日本国内でも名所がたくさんあり、開花の時期になると多くの人が訪れています。Wisteria・floribundaというのが学名ですが、このfloribundaというのは花の多いという意味があります。一般的に藤といえば薄い紫色が多く、イメージされやすいのですが、
他にも白色やピンク色のものもあります。庭木や花木として育てられることが多いです。しかし鉢植えにして盆栽として育てることも可能です。耐寒性も耐暑性もそれなりにありますが、開花後には剪定を必要としますのでやり方を覚えておくようにするといいでしょう。
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