デージーの育て方

デージーの育て方

ヨーロッパおよび地中海原産の草花です。自生の生息地であるヨーロッパでは野草として、ごく自然に芝生に生えています。デージーの由来は、Day’s-eyes(太陽の目)が転じたものだと言われています。

デージーの育てる環境について

関東以西が栽培には適しています。植える場所には、できるだけ日当たりの良い場所を選びます。寒風が当たったり、霜が直接当たるような場所は避けましょう。水はけが良く、保水力に富んだ土で育てるようにします。土が硬いようであれば、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、土を有機質にして耕して柔らかくしておきます。

水はけと通気性の良い土を作るには、市販の草花用の培養土を使うと、もしくは小粒の赤玉土:腐葉土:牛糞堆肥=5;4:1の割合に混ぜた混合土を使います。乾燥しないように、春と秋は毎日1回は水を与えて湿らせた環境を作ります。

冬場に乾燥しやすい土地では、3〜4日に1回くらいの頻度で水を与えます。春になると生育が盛んになり、どんどん乾燥するようになるので、しっかりと土を湿らせておくことが大切です。基本的には育て方も簡単ですし、野生らしい丈夫さもあります。

日当たりもよほど悪くなければ育ちます。ある程度の日陰にも耐えられます。ただし、日照が極端に不足すると茎が間延びしたり、花の付きが悪くなることがあります。特に苗の時期には姿勢が崩れやすいので、日に当てるようにして、根っこをしっかり張らせるようにします。

寒さに比較的強いので特別な防寒作業は必要ありませんが、心配であれば箱などを使って霜よけをしてあげると良いでしょう。ちなみに、土にリン酸分の多い肥料を与えると花付きが良くなります。窒素分の多い肥料だと葉だけが伸びて花付きが悪くなります。

デージーの種付けや水やり、肥料について

種まきは8月上旬〜9月に行います。この時期は暑い時期なので、ヒョロヒョロとなって徒長してしまいやすいので、発芽したら風通しの良い場所で、しっかりと日光に当てるようにします。覆土はせずに、土の上から蒔けばOKです。発芽してからの芽を摘む作業をしやすくするように、

なるべく等間隔に種を蒔くようにしましょう。箱を使って種まきをする場合には、ばらまきにして薄く覆土します。本葉が2〜3枚出てきたら、花や花壇などの広めのところを選んで20cm間隔で移植します。花芽が伸びてきたら1,000倍の液体肥料を月に1〜2回程度施して、

肥料が切れてしまうのを防ぎます。植え付けは9月上旬〜11月上旬が敵期です。花と花の間は20cmくらいずつ離して植え込みます。乾燥には比較的強いですが、極端な乾燥には弱いので、冬場の乾燥する時期には株元とマルチング(ビニールや藁で覆って乾燥を防ぐ)処理します。

デージーのマルチングには腐葉土や堆肥を使うと良いです。水やりは戸外で育てる場合には、ほとんど必要ありません。ただし、乾燥が極端な時にはしっかり水やりを行うようにします。鉢植えの場合は水切れしやすいので、

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えて乾かさないように気をつけます。肥料は植え付けの時にまとめて施します。緩効性肥料を元肥として土壌に加えてあげればOKです。追肥には夏と冬の時期を除く開花期間に液体の肥料を定期的に施すようにします。

デージーの増やし方や害虫について

一年草なので、年ごとに種かポット苗を購入して育てる必要があります。花が項垂れてきたり黒ずみが見え始めたら、思い切って花茎の付け根から切り取ってしまうようにします。こうすることで、花全体の風通しが良くなり、葉っぱに日光が当たりやすくなります。

主な害虫はアブラムシです。特に気温が上がってくるとアブラムシが発生しやすくなるので、見つけたら駆除するように薬剤を散布します。アブラムシの駆除に適してるのは、オルトランという薬剤です。他にも、デージーは菌核病にもかかりやすいです。

菌核病というのは土の中に住んでいるカビの一種が、株元に寄生して植物の水分吸収を妨げてしまうものです。こうなると植物は十分に水を吸収できなくなり、最悪の場合には枯れてしまいます。被害にあってしまったら、その株は抜き取って処理する必要があります。

また、そのままの土を使っていると同じことが起こる危険性があるので、一度土を消毒し、連作を避けるようにします。連作というのは同じ場所で連続で同じ植物を育てることです。よほどの理由がない限り、連作は避けるべきでしょう。他には、植物専用の殺菌剤を株元に塗布する、なども予防になります。

アブラムシと菌核病に注意すれば、あとはほとんど心配なく育てられます。病気にも比較的強いので、初心者でも成功させやすいです。もしアブラムシがついてしまったら、なるべく早く駆除するのがコツです。そうでないと、増殖してしまうからです。

デージーの歴史

ヨーロッパおよび地中海原産の草花です。自生の生息地であるヨーロッパでは野草として、ごく自然に芝生に生えています。デージーの由来は、Day's-eyes(太陽の目)が転じたものだと言われています。属名のBellis(ベリス)はラテン語では「美しい」を意味するBellus(ベリエス)という単語に由来しています。

それが転じて、花言葉が「美人」という言葉になっています。西洋での花言葉には、その他にもinnocence(純潔)、beauty(美)などがあります。ヨーロッパに自生しているデージーは元々は一重咲きの目立たない花でしたが、その後の改良によって今では多くが八重咲きの豪華な見た目の系統に変化しています。

日本に渡来したのは明治初期で、小さくて可愛らしい見た目のキク科の植物ということから、雛菊(ヒナギク)と名付けられました。他にも、花期が長いということから、延命菊(エンメイギク)という別称もあります。近年では「〜デージー」と名前がついている植物が多く見られますが、それらは全て別の属の植物です。

デージーはキク科ベリス属で、ヨーロッパや北アフリカでは10種類ほどが自生しています。ちなみに、デージーと名のついている花には、グロリオサ・デージー、ブルー・デージー、ユリオプス・デージー、リビングストン・デージー、ダールベルグ・デージー、などがあります。現在の日本ではポット苗や種などで流通している草花です。

デージーの特徴

デージーはキク科のヒナギク属で、和名は雛菊(ヒナギク)です。初心者でも育てやすく、開花期が長い草花です。一年草で夏には枯れてしまいます。晩秋〜早春にかけてポット苗が出回り、多くの品種、系統、を楽しむことが出来ます。花の形、色、性質がそれぞれ違うので、寄せ植えでも楽しむことが出来ます。

根付きがあまり強くないので、花壇の縁どりとして並べて植えたり、コンテナに利用します。寒さには比較的強いですが、霜があたると花が傷むので、苗を入手したら寒さが本格的になってしまう前に根をしっかり張らせる必要があります。

咲き方の特徴は多花性のポンポン咲きです。花の色は白、淡紅、紅色で、姿形が多彩です。草丈は約20cmの長すぎず短すぎずのちょうど良い長さなので、手入れもしやすいです。デージーは本来は多年草なのですが、日本など梅雨の時期に高温多湿となる土地では、

環境に耐えられずにほとんどが枯れて死んでしまいます。そのため、日本では多年草ではなく一年草という扱いになっています。明治期にヒナギクと呼ばれて可愛がられたという歴史もあり、昔から現在にかけても広く親しまれている花です。学校の花壇などにも多く見られ、

誰にでも受け入れられやすく、育てやすい花という認識があります。品種は色々ありますが、実際に流通しているポット苗は限られています。冬場の寒風や霜にさえ注意すれば、さほど苦労もなく丈夫に育てることができるでしょう。

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