エキウムの育て方

エキウムの育て方

エキウム・ウィルドプレッティはテネリフェ島のジャルダンラオロダヴァド植物園の園長であるヘルマンが、イギリスの王立植物園に提供してから広く世界に知られるようになります。これは1907年のことで、ヘルマンがこれを違う種類の植物として紹介してしまったことから、彼にちなんだ名前が付けられたという歴史があります。

エキウムの育てる環境について

日当たりを好む植物ですが、日陰でも育てることが出来ます。日陰で育てると成長が緩やかになり、じっくり時間を掛けて育てることが出来ます。日光に向かって傾く性質があるので、鉢植えの場合は太陽の位置を気にしながら移動させるようにします。

開花には最低でも1年以上掛かり、種付けの時期や成長の速度によっては3年掛かることがあるので育てる場所や植えるものを慎重に選ぶようにします。耐寒の温度は9度から10度までで、最高でマイナス5度まで耐えることが出来ます。関東地方よりも南に位置する地域なら、

寒い時期でも室外で育てることが出来ます。寒さにはある程度耐久を持っていますが、強い霜には弱いです。強い霜に当たってしまうと葉っぱに傷みが出てくるので、寒い地域では霜除けをするようにします。直根性の植物なので、1回地植えを行うと移動することは困難になります。

鉢植えなら成長に応じて植え替えることが出来ますが、根についている土を崩してしまうと枯れてしまうことがあるので慎重に行うようにします。砂漠性の亜高山帯の植物なので、乾燥と低温には強いです。一方で湿気と高温に弱いので、高温多湿の環境では育ちにくくなります。

なるべく鉢植えにしてすぐに移動することが出来る環境にして、雨が降っても当たらないようにします。温度や湿度をしっかり管理すれば、高温多湿の日本でも育てることが可能になります。注意深く管理して、開花までの期間を乗り切れば生育させることが出来ます。

エキウムの種付けや水やり、肥料について

エキウム・ウィルドプレッティの種はとても小さく、数ミリ程度の大きさです。発芽率は環境や温度にもよりますが、50パーセント前後です。種の大きさによって発芽率が変わるのではないですが、種が大きければ大きいほど発芽した後の成長が早くなります。

種付けを行うときには、水はけが良い土の深さ5ミリに蒔きます。バーミキュライトや赤玉土、ピートモスを配合して発芽用土を使います。日光を好むので日当たりのいい場所に配置して、発芽温度である15度から20度に保つようにします。25度を超えてしまうと発芽率が下がってしまうので、

温度管理を徹底させます。種付けを行ってから2週間前後で発芽しますが、時間が掛かるものだと数か月で発芽することもあります。極端な暑さや寒さに弱い性質なので暑さが和らいだ秋や、寒さの心配がなくなった春先に種付けをするようにします。

冬に行う場合は日光が当たる室内や、夏なら涼しい日陰で発芽させることも可能です。育て方のポイントは大量に水を与える必要がある成長期を除いて、水やりは控えるようにします。元々は乾燥した地域で育てられている植物なので、乾燥気味に保つようにします。

完全に乾燥させた状態ではなく、薄っすら水を含んでいる状態にします。根元に水を与えるようにして、頭の先から水を掛けないように注意します。養分が少ない地域で育っているのですが、1か月に1度のペースで追肥は行うようにします。養分が少ない状態でも育てることが出来ますが、追肥をすれば成長を促すことが出来ます。

エキウムの増やし方や害虫について

エキウム・ウィルドプレッティを無農薬で育てたいという場合を除いて、病気や害虫の予防や駆除には薬剤が便利です。害虫駆除に関してはベランダガーデニングや鉢植えなど狭いスペースであればあるほど薬剤を使う量を減らすことが出来るので、

使い勝手が良いスプレータイプのものを選ぶようにします。観葉植物やハーブなど、様々な種類の植物に対応しているものを選びます。狭い範囲や特定の範囲だけに薬剤を散布したいときには、ごみ袋などの大きい袋に入れて散布するという方法があります。

こうすることで周囲の物や植物に散布されず、飛び散ることを防ぐことが出来るので薬剤の効果を上げることが出来ます。植物から数十センチ以上離して散布することが大切なので、大き目の袋を使いします。エキウム・ウィルドプレッティは害虫に弱い植物なので、

殺菌や殺虫の予防を怠らないようにします。一つ一つの個体をしっかり確認して、開花するまで注意深く観察するようにします。害虫は見つけ次第、すぐに駆除するようにします。増やし方は1か月ほどで開花して満開を迎えたあと、種が出来ます。これを植え始めたときと同じように蒔いて、発芽させることで増やすことが出来ます。

植えている途中で増やしたり移動させたりすることは難しいので、種から育てて増やすようにします。発芽しやすい春先や秋を選べば、簡単に増やすことが出来るようになります。発芽してしまえば育てることは比較的簡単なので、発芽するまで注意深く育てます。

エキウムの歴史

エキウム・ウィルドプレッティはテネリフェ島のジャルダンラオロダヴァド植物園の園長であるヘルマンが、イギリスの王立植物園に提供してから広く世界に知られるようになります。これは1907年のことで、ヘルマンがこれを違う種類の植物として紹介してしまったことから、

彼にちなんだ名前が付けられたという歴史があります。別名は宝石の塔とも呼ばれていて、スペインカナリア諸島が原産地です。ウィルドプレッティは園長の名前ですが、エキウムはギリシャ語でエキスの意味を持っていて、毒蛇に噛まれたときの治療薬と考えられたためにこの名前が付けられたのです。

原産地であるスペインと日本の気候が違うことから、育てることは困難だといわれていたほどです。ですが、研究のおかげで数少ない施設ですが開花に成功させています。日本で初めて栽培に成功したのは、京都府立植物園です。当時の高林園長が1980年代にコペンハーゲン大学から種を持ち帰り、

栽培を始めます。その栽培を開始した2年後である1982年には露地栽培に成功し、開花を発表したのです。1998年には京都府立植物園の小川氏によって、NHKで日本での栽培方法が発表されたという歴史があります。

さらに有名テーマパークなどで栽培されていて、エキゾチックな雰囲気の植物として植えられています。開花や定植している施設は珍しく、日本でエキウム・ウィルドプレッティを見ることが出来る数少ないスポットです。

エキウムの特徴

エキウム・ウィルドプレッティの生息地はテネリフェ島テイデ山の亜高山帯針葉樹林で、隔年1回の結実性の植物です。種を蒔いて芽が出てから3年で開花し、高さ約3メートルほどになります。たくさんの花をつけ、開花時期の4月から6月には蜜源として利用されています。

エキウムの中でもエキウム・ウィルドプレッティははちみつを引き寄せる力があり、良質なはちみつを採取することが出来ます。1日にたくさんの蜜を生成することが出来るので、これを目当てに多くの蜜蜂や蝶が訪花してくるのも特徴の一つです。

直根性の植物なので定着させるのは非常に困難ですが、丁寧に育てれば数年で開花させることが出来ます。葉っぱは銀色に近い白色をしていて、線形です。茎を含む全体が固い白毛に覆われていて、開花までは約20センチメートルの草丈です。

ロゼット状のまま、開花までの期間葉っぱの枚数を増やします。開花期になるとロゼット状の葉っぱから茎を伸ばして、最大で3メートル以上になります。円錐の花序が形成されて、花の数は固定によって差がありますが数千枚から数万枚です。全体に覆われている白毛はとても固いので、

素手で触ってしまうと手に刺さってしまう可能性があります。お手入れをするときや植え替えなどを行うときには、園芸用の手袋などを用意して手入れをする必要があるほどです。毒性を持っていることも特徴の一つで、種や葉っぱだけでなく、採取したはちみつからも毒性が確認出来ます。

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