スカビオサの育て方

スカビオサの育て方

スカビオサは別名西洋マツムシソウとも呼ばれるもので、同じ系統のマツムシソウは日本を生息地としていて古くから日本人に親しまれてきました。マツムシソウは和歌などにも詠まれる秋の季語として知られており、松虫の鳴く秋の季節に咲くことから名付けられたと言われています。

育てる環境について

スカビオサを育てるのに適した環境は日当たりがよく、水はけが良い場所です。もともとマツムシソウは日当たりの良い草原や高地に生育していることから、比較的耐寒性があり、冷涼な気候を好んで育ちます。日本の夏はスカビオサににとってはかなり辛い季節になり、高温多湿で蒸れて株が弱ってしまうこともあります。

そのため本来は多年草のこの植物も一年草二年草として扱われることが多いのです。耐寒性は強く、降雪地域でも育てることができますので、防寒の必要もありません。ただし南アフリカ原産の品種などでは耐寒性が弱いことがあるので、

-5℃に以下になるような地域では寒冷地でも育てられる品種を選ぶのが良いでしょう。一年を通して日当たりと風通しが良い場所に植えつけるのが基本ですが、夏のあいだはできるだけ涼しい場所に移動させるのが有効です。地植えにしている場合には

梅雨の時期から直射日光がきつい真夏にかけて株元を藁や腐葉土でおおうマルチングを行うとよいでしょう。地表面の温度上昇を防いで株を守ることができますし、雨による泥跳ねを防ぐこともできます。鉢栽培をする場合には、夏場は風通しの良い半日陰に

鉢を移動することによって株が弱るのを防ぐことが出来るでしょう。また鉢を一回り大きな鉢で覆う二重鉢にすることで鉢内の温度上昇を防いで、株が弱るのを予防することができます。春の育成期には十分に日光に当てて栄養を蓄えさせ、花に備えましょう。

種付けや水やり、肥料について

スカビオサは乾燥に強いのですが、ジメジメした湿度には弱いので植え付けのさいの用土、水やりには注意が必要になります。生育期は乾燥させすぎてしまうと花が咲かなくなってしまうので、水遣りはかさず行い、土が乾いてきたらたっぷりとやるようにしましょう。

鉢底から水が染み出るくらいたっぷりやることで、根が鉢全体に周り丈夫な株をつくることができます。また、真夏は水やりをすることで高温になって蒸れてしまうケースがありますので比較的気温の低い朝と夕方に水やりをするのがよいでしょう。

日中の気温が高い時期に水やりをすると逆にダメージになってしまうケースがあります。植え付けの際の用土はやはり水はけを重視して作ります。赤玉土、軽石、腐葉土を混ぜてつくります。スカビオサはややアルカリ性の用土を好むので土に苦土石灰を混ぜ込んでおくのがよいでしょう。

肥料に関しては植え付けの際に緩行性の粒状肥料を鋤込んで置くことで丈夫な株に育てることができます。春から秋の育成期にかけては1000倍から2000倍に薄めた液体肥料を時々与えて栄養をやりましょう。ただし真夏に液肥を上げてしまうと株が軟弱になってしまうことがあるので

真夏の液肥やりは控えましょう。同様に活動を休止する冬場も成長しないので液肥を上げる必要がなく、逆に根を痛めてしまうことがあるので注意しましょう。スカビオサは育て方も優しく栽培しやすい植物ですので、特別な管理をしなくても元気に育てることができます。

増やし方や害虫について

スカビオサの増やし方は種まきと株分け、さし芽です。1年草、2年草は種まきで増やすことができ、最適な時期は9月から10月の秋まきです。バーミキュライトなどの肥料が入っていない清潔な苗床を使ってまきます。ビニールポットなどに数粒撒いて発芽したときに

間引いて苗を作っていくのが良い方法です。元気な苗を残してほかのものを間引いて、乾かさないように管理しまし、定期的に薄めた液肥を与えて管理します。暖かくなったら庭植えや鉢植えにして楽しむことができます。もうひとつの増やし方は株分けです。

多年草のタイプのスカビオサは数年経ったところで彫り上げて芽を3つほどづつつけて株分けします。 あまり小さくしてしまうと、栄養が足りずに目が出ないので、3つくらいの芽を残して株分けするのがよいでしょう。最適な時期は春です。さし芽は茎の先端を7センチメートルほどにカットして、清潔なバーミキュライトなどにさしておきます。

乾燥させないように管理しておくと発根しますのでポットに植え付けます。病気害虫に関しては灰色かび病が多く発生します。これは夏の高温多湿によって体力を消耗してしまうことにより発生するもので、灰色のまだら模様のカビが出てきてしまうのです。

病気になった部分を取り除いて管理しますが、株全体に広がってしまった場合は完治できないので株ごと処分して蔓延するのを防ぎましょう。基本的にスカビオサは病気になりにくい丈夫で管理しやすい植物です。

スカビオサの歴史

スカビオサは別名西洋マツムシソウとも呼ばれるもので、同じ系統のマツムシソウは日本を生息地としていて古くから日本人に親しまれてきました。マツムシソウは和歌などにも詠まれる秋の季語として知られており、松虫の鳴く秋の季節に咲くことから名付けられたと言われています。

また仏教のお寺で使う打楽器にマツムシというものがあり、スカビオサの花が散った跡がこのマツムシに似ているため名付けられたなど諸説あります。いずれにせよ日本人が古くから、この松虫草を秋の花として愛でていたことがわかります。また西洋名のスカビオサはラテン語で疥癬という皮膚病を指す言葉です。

実はこの植物は古くから皮膚病のための薬として使われたことがあり、そこからこの名前が付いたとされています。皮膚病に本当に効果があったかどうかは不明ですが、このスカビオサが昔から親しまれてきた身近な花であったことがわかります。

もともとの原種は山地や高原などに生育していることが多く、山野草として扱われることもあったようですが、現在の園芸種は山野草として育てなくても丈夫に育つ強健さを兼ね備えています。細い茎の先に紫の小さな小花が集まった花を咲かせる大変可憐な植物で、

茶花としても好まれた歴史があります。日本人の和の心にも、そしてイングリッシュガーデンなどにも合う、和洋両方の性質を併せ持つ人気品種です。日本での原種は少なくなってきているため、生息地ではマツムシソウを保護する活動もしています。

スカビオサの特徴

スカビオサはユーラシア大陸や北アフリカなどを生育地とする多年草の草花です。野生の場合多年草で毎年繰り返し咲くのですが、園芸種の場合には一年草、二年草として扱われることが多い様です。品種によっても多年草のもの、一年草のものがあります。

ヨーロッパを中心としてアジアアフリカなど世界中に約80種が分布している世界中で親しまれている花で、花色は青系が多く紫、白、真紅などバラエティに富んでいます。草丈は小さいものは10センチメートル、大型になると1メートルを超えてまるで低木のようになることもあります。

日本のマツムシソウは草丈20センチメートルほどの小型のものです。よく栽培されている西洋マツムシソウは一年草、更によく流通しているコーカサスマツムシソウは多年草で切花としても花持ちがよく人気があります。日本原産のマツムシソウは一種のみですが、

日本各地の草地を生育地としており秋の高原を彩っています。花は長い茎の先に付き、たくさんの花が集まって出来ています。直径は4センチメートルほどで中心部の花は筒状で花冠の先端は5つに別れています。まるでキク科の植物の筒状花のように見えるのが特徴です。

雄しべは4本あり、青い花は草原に生える美しさです。花の色が目立ちほかにはない青をしているため人気が高いのですが、白いものや深い赤、えんじ色のものなどシックなカラーバリエーションが庭の品格を上げてくれるとガーデニング愛好家にも人気が高まっています。

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