クンシランの育て方

クンシランの育てる環境について
置く場所は日当たりと風通しが良い場所がベストです。ただし強い陽射しにあたってしまうと葉が部分的に茶色く枯れてしまう葉焼けの症状を起こすので気をつけるようにします。特に夏場は陽射しが強いですから涼しい場所で育ててあげるようにするのが良いです。
寒冷紗を使って遮光する場合は春や秋は30%程度、夏は50%ほどにするのがちょうど良いです。冬場は室内にとりこんでもいいですが、その場合はあまり暖かい場所に置くのは避けておきましょう。これには理由があり、
花芽がついた後で14度から10度ほどの気温に最低でも2か月はあたらないと開花する時に花茎が伸びず、株元で花が咲いてしまうことがあるからです。またベランダや室内で育てる時には日の当たる方向に株が傾いてしまうので見た目に良くないですから、
1週間に1度くらいは鉢の向きを変えて均等に日があたるようにしてあげるのが良いです。そして花茎ができてしまうと株が弱ってしまうので種を採取する目的がないのであれば花が数輪枯れてきた頃に花茎の付け根からカットしてしまうのが良いでしょう。
花茎を簡単にカットするにはまずよく切れるカッターナイフなどで切り込みを入れておき、花茎を手前に倒すようにして折ると簡単に取り除くことができます。植えつける土は水はけが良いものが向いているので、中粒の軽石砂を4、中粒の赤玉土を3、腐葉土を3の割合で混ぜ合わせたものを使うとちょうど良い感じに保てます。
クンシランの種付けや水やり、肥料について
春から秋までは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにするといいですが、冬はほとんど生育しませんから少し乾燥気味にしておいても大丈夫です。水を与える時には過湿にならないように気をつけましょう。または株元辺りは葉が重なりあっているので水がたまりやすいですから、
真夏の高温期などは葉が腐りやすくなっているので水を与える時には葉にかからないように株元からそっと与えるようにするのがコツです。肥料は春から秋にかけての生育期は10日に1度くらいでいいので液体肥料を与えるようにします。
真夏の高温期は肥料を与えていると生育が弱まってしまうことがあるので肥料を与えるのはやめておきます。種付けは開花後にできる実をそのまま放置しておくと熟してくるのでそこから種を採取します。花茎ごと室内に保存して4月から5月の頃に果実から種を取り出し、
よく水洗いをしてから種が土に隠れる程度に埋めます。水洗いをするのは果実の果肉には発芽を阻害してしまう物質が含まれているからで、それをしっかりと洗い流してしまわないとうまく発芽してくれません。花茎は必要な分だけ残しておき、あとは大きくなる前にカットしてしまうほうがいいです。
発芽する温度は約15度ほどなのですが、秋から冬であっても気温をそれくらいに保てるようであれば採取したらすぐに種まきをしても大丈夫です。ただし種まきから育てる場合は花が咲くまでには長く時間がかかり、約5年ほどみておくのが良いでしょう。
クンシランの増やし方や害虫について
水は土の表面が乾いたらたっぷりとあげるようにします。水切れは葉を傷ませてしまう原因になるので、特に夏には乾燥しやすくなりますから気をつける必要があります。適当な湿地で地植えをしているのであればそれほど神経質にならなくても大丈夫です。
肥料は植えつける前にゆっくりと効果が出るタイプの粒状の肥料を混ぜ込んでおくのが良いです。追肥は1週間に1度薄めた液体肥料を与えるようにします。ただし肥料が多いと虫もつきやすくなりますので、状況を見ながら与えるようにするのがいいです。
種付けさせることは可能で、開花後に実がつきます。花穂は完全に枯れる前できれば3分の2ほど枯れてきた時に採取して新聞紙を敷いたカゴの中で陰干しをしておきます。しばらくして実が熟してくると種がぽろぽろと落ちてきますからいらないものだけ取り除いて採取しておきます。
他の植物と違い、シソの種には休眠期間があるため、採取してすぐにまいても芽が出てきませんから注意が必要です。種は採取できるようになってから6か月間は休眠期間があって発芽しないので、その期間は保管しておきましょう。保管する時には封筒などに入れて冷暗所で保管しておくようにします。
種まきできるのは翌年の4月中旬から5月初旬にかけてですが、その時には種が固くて水を吸水しにくいので撒く前に一晩は最低でも水につけておくのが良いでしょう。そして撒く時には水をきってから用土を入れた鉢や箱にばらまくようにします。
クンシランの歴史
クンシランはヒガンバナ科クンシラン属で、属名はAmaryllidaceae Clivia miniata Regelといいます。Cliviaは19世紀の植物学者であるジョン・リンドレーがイギリスのクライヴ家出身の公爵夫人シャーロット・フロレンティア・クライヴを讃えて命名したことが由来となっています。
またminiataは朱色のや赤くなるという意味があります。原産や生息地は南アフリカのナタールです。しかし実は以前クンシランと呼ばれていたのはクリビア・ミニアタではなく、クリビア・ノビリスのほうでした。ノビリスには高貴なという意味があり、
それを君子という名前に置き換えたのではないかといわれています。1828年にヨーロッパへと渡り、園芸用に品種改良が行なわれた後で日本へと渡来したのが明治時代初期の頃でした。当時はノビリスがクンシランと呼ばれていましたが、
現在はノビリス自体の入手が困難なことからウケザキクンシランの別名があるミニアタがクンシランとして園芸業界で出回っています。ノビリスは下向きに花を咲かせますが、ミニアタは上から横向きに花を咲かせるのでウケザキクンシランという別名がつけられました。
しかし実際にはこのウケザキクンシランの名で呼ばれることはほとんどありません。日本に渡来してからは花だけではなく、その葉も観賞対象として価値が非常に高くなっています。クンシランは古典植物として扱われるようになりました。
クンシランの特徴
クンシランは一度植えてしまえば毎年花を咲かせてくれる多年草で、ランという名前はついているもののラン科の植物ではありません。自生しているのは強い日光があたらないような湿り気がある場所で、岩陰や森林の中などを好みます。株元から光沢のある細長い葉が出ていて、左右対称になっています。
葉の大きさはその個体にもよりますが、30cmから70cmほどとわりと大きめです。葉の状態によってダルマ系と高性系とに分かれます。ダルマ系は葉の長さが短くて幅広でコンパクトですが、高性系は葉の幅が狭くて長く、全体的にすらっとしています。
そして特徴的なのが根が白く、とても太いことです。これは栽培していて植え替えする時などに気づきますが、初めて見る方はたいてい驚きます。春になると葉の間から花茎を伸ばして先端に濃いオレンジ色や赤みがかった紅色の10数輪の花を咲かせます。
開花後には1cmから2cmほどの小さな実がつき、秋頃になると熟して赤くなります。これらの花色だけではなく変種があり、そちらには白色やクリーム色、葉がいろんな模様の斑になるものまであります。開花時期は4月から5月頃で、
草丈は品種により30cmほどから90cmほどにまで成長します。育て方の難易度は5段階であらわすと3くらいになります。耐寒性はやや弱く、最低でも気温が5度以上なければ越冬させるのは難しいです。特に冬場にできる霜には注意をしてあげなければいけません。
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