長ねぎの育て方

長ねぎの育て方としての畑の準備
長ねぎは栽培期間が長い作物です。しかし、その性質は暑さや寒さに強く、病気や害虫の被害を受けにくい野菜でもあります。ですので比較的栽培しやすい野菜ということが出来ます。ただ、多湿には弱く、畑の水はけには注意する必要があります。
また、連作被害を受ける野菜の一つですので連作すると「苗立枯病」を発症しやすく、畑でねぎを育てる場合1年以上続けてねぎを栽培しないようにしましょう。前述のとおり暑さ寒さには強いのですが水はけが悪いと育成が悪くなります。
特に長ねぎは育成期間が長い野菜ですから基本的な土壌の性質が悪いと健康な作物の収穫が望めません。ですので、水はけが良くかつ、通気性がよい場所を選びましょう。場所の選定が終わったら植え付けの2週間前から苦土石灰を入れ1週間前になりましたら元肥を入れ畑の準備をしておきます。
長ねぎの好む土壌は中性の土壌です。pH値は、5.7~7.4ぐらいを目安とします。酸性に傾いた土壌を嫌いますので石灰等を用いて調整をしておきます。長ねぎは成長期に追肥を多く必要とします。
ですので、その時の肥料のみで元肥は必要ないと言われることもありますが、その土地の土の状態を見て元肥の使用を判断するのがよいでしょう。栽培には、深溝を掘って苗を植え付けることになりますので深く耕しておきます。
長ねぎの種付け及び苗作り
長ねぎは一般的に苗を購入するか先に苗作りをして畑に植え付けるという育て方をします。苗を作る場合に畑で作ることもできますが、ネキリムシの被害にあうことがあり、これにやられると次々に苗を切られてしまい全滅することもあります。
ですので、プランターや育苗箱においての苗作りのほうが簡単で確実です。家の庭などにプランターを置き専用の用土などを購入して種付けをします。長ねぎは暑さ寒さに強いので冬の時期を外せば比較的簡単に栽培することが出来ます。
種付けの時期は3月の中旬から5月の始め頃または、9月初旬から10月下旬ごろをめどに行います。種付けの方法としては、種の間隔を1㎝程にイメージしてばら蒔くようにして薄く覆土しておきます。また、プランターに余裕があれば条間15㎝程の条まきを行ってもよいでしょう。
発芽後育ってきたら込み合ってきた部分を目安に間引きし、隣の株とぶつからないように調整します。そうしながら苗の太さが1㎝程になったら畑への植え付けとなります。この後、植え付け前にねぎの苗を一週間ほど日陰に干しておきます。ねぎは乾燥に強いのでこれでダメになることはなくむしろこのことによって病害虫を予防することが出来ます。
長ねぎの畑への植え付け
苗の準備が出来たら畑への植え付けになります。この時苗の大きさが不ぞろいのまま植えてしまうと後で土寄せするときに、それぞれの大きさごとに寄せる土を加減しなくてはならなくなるのと隣の小さい苗に、土をかけて覆ってしまうとその苗の育成に影響してしまいます。
苗の大きさはあらかじめ揃えておき、大きさごとに植え付けるようにしましょう。 植え付け方法は、畝に鍬の幅ほどの深さ30㎝程度の溝を掘り、その溝に約5㎝程度の間隔で葉を切っておいたねぎを植え付けます。
その上に5㎝程土をかけ踏み固めておきます。土が酸性に傾いている場合はこの時石灰を蒔いておきます。また、この溝に藁を入れておき、後で土寄せして溝を埋めるときに、この藁が空気を抱え込み根に酸素を与えることで後の育生を助けます。
その後の育て方として長ねぎは成長期に雑草がはびこってしまうとそちらに養分を取られ成長が鈍ってしまいます。雑草がはびこってしまう前にこまめに除草することが育て方のポイントの一つになります。
また、植え付け後3~4週間目に追肥を溝に行いますがこの時、土で溝を埋めると育ちが悪くなってしまいますので溝はそのままにしておきます。1回目の追肥から3~4週間たったら2回目の追肥を行います。この時肥料を土に混ぜて溝に施します。
この時あまり高く土を入れすぎると育成が悪くなりますので溝は残すようにします。3回目の追肥は2回目から約3~4週間の後に行います2回目と同じく化成肥料を土に混ぜ今度は完全に溝を埋めてしまいます。
4回目の追肥は3回目の追肥から前回と同じく3~4週間の後に行い同じく土に混ぜた肥料を土寄せします。この時、苗の一番下の枝分かれした部分まで土を盛り上げますが、この部分には生長点がありますのでこれに土を被せないようにしましょう。
ここを露出しておかないと成長が鈍くなってしまいます。また、長ねぎは夏の時期に休眠期に入ることがあり、この時期に追肥や土寄せを行うと病気の原因になることありますので、なるべく夏場の作業は控えるのが望ましく、上記の作業もこの時期に作業が重ならないような育て方のスケジュールを組むことが必要です。
長ねぎの歴史
長ねぎの他、一般的なねぎの原産地は中国西部あるいはシベリア南部のアルタイル地方を生息地にしていたのではないかといわれていますがこの他にも諸説あり定かではありません。ただ、6世紀頃の文献には中国で古くから栽培されていたという記述があり、栽培方法も記されています。
ヨーロッパやアメリカではその頃、リーキと呼ばれる西洋ねぎが好んで食されていました。この西洋ねぎは、古代エジプトやギリシャあるいはローマなどを原産とし、それがヨーロッパやアメリカに伝わったものとされています。
この「リーキ」が先に普及していたため、後に16世紀~19世紀にヨーロッパやアメリカに伝わった通常のねぎは、あまりこの国々では普及しませんでした。日本へはそれよりも早い時期に伝わってきました。日本に伝わったのは8世紀ごろで日本書紀には「秋葱」という名前で記されており日本書紀が記された720年ごろには存在していたことになります。
この後江戸時代には栽培方法も確立しており、日本各地で盛んに栽培されていました。また、青ねぎは南中国から伝わり長ねぎは、中国北部が生息地といわれているわけですが前述のとおり定かではなくまた、日本に伝わった経緯も明らかにはなっていません。
日本では、関東地方よりも北では根深ねぎといわれる白ねぎや長ねぎが栽培されており、関西よりも西になると?ねぎと呼ばれる青ねぎが主に栽培されるようになりました。
長ねぎの特徴
日本のねぎは大きく二種類があり「根深ねぎ」と呼ばれるものと「?ねぎ」といわれるものに分かれます。長ねぎはこのうちの根深ねぎと呼ばれるものに当たり、一般的には、?鞘部に土寄せすることで白く柔らかく育て、主にその部分を利用します。
この後、主に関東で多く栽培されました。これは、中国北部で生まれた太ねぎを祖とする長ねぎは、寒さに強い特徴を持っていたことと、この地方の土壌の性質も長ねぎの育成に向いていて土層が深く砂質で地下水位が高いという特徴を持っています。
土寄せが不可欠な根深ねぎにはうってつけの土地であったわけです。冬の季節の鍋物には欠かせないねぎですが、ねぎは風邪に効果があると言われておりねぎの葉には、「βカロテン」や「ロドプシン」といった物質が含まれており、粘膜や皮膚を健康にして細菌やウィルスの侵入を防ぎ、さらに免疫力も高めてくれます。
また、ねぎの最大の特徴である独特の香りは、「硫化アリル」と呼ばれる物質のためでこの硫化アリルは風邪の症状を和らげる効果があると言われています。
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