イースターカクタスの育て方

イースターカクタスの育て方

ブラジル原産の多肉性植物で、4月初旬の頃のイースター(春分後の最初の満月の後の日曜日)に開花するカクタス(サボテン科)であることから、イースターカクタスの名前がつきました。正式な学名はリプサリドプシスと言います。

育てる環境について

最初は鉢植えで管理します。蕾がつくと移動したときに落ちてしまうことがあるので、室内鑑賞が適しています。花が終わった後は戸外に出して、日光によく当てると株元が引き締まります。梅雨明け〜9月上旬までは日光は直接当てないように気をつけて、やや日陰の場所で管理するようにします。

晩秋の霜が降りてくる前に室内に入れて、窓辺など日向になる場所に置きます。室内温度は5〜10℃ほどのやや低温で管理するようにして、暑すぎる環境は避けます。また、暖房の風が直接当たるような場所に置かないように気をつけます。耐寒性、耐暑性に共に弱い植物なので、暑さ寒さには気をつけます。

用土には水はけの良い、通気性の高いものを使うようにします。市販の草花用培養土をそのまま使うのではなく、その中に軽石を3割程度混ぜてあげると良いでしょう。もしくは、ピートモス:バーミキュライト:軽石=1:1:1に配合して混合土を作って使うと良い土になります。

ピートモスや軽石は透水性と水はけを良くする効果をもっています。バーミキュライトは耐熱性を高めてくれます。やや日陰の直射日光が当たらない環境がオススメです。日光が直接当たると、葉焼けして色が悪くなってしまいます。

それにより生育が衰えてしまうこともあります。ただし、完全に日陰に置いてしまうと今度は花の付きが悪くなってしまうので、半日陰に置くようにします。高温多湿も良くないので、土と日当たり、風通しで調整してあげましょう。

種付けや水やり、肥料について

植え替えに適しているのは、花が咲き終わってからです。まず最初に葉っぱ(茎節)を1〜2節ほど摘み取って、株を一回り小さくしておきます。シャコバサボテンの葉はつながった特徴的な格好をしています。葉っぱを先端から2節ほど摘みとれば良いです。

この作業には、上下の葉をそれぞれつまんで捻って引っ張ります。こうすれば葉と葉の間(節間)から綺麗に外れます。ちなみに、この作業を園芸用語では「ピンチ」と呼びます。ピンチ後の葉っぱは、増やす時の挿し芽用としてリサイクル可能なので捨てずにとっておきます。

株を鉢から抜いたら、一回り大きな鉢に植え替えてあげます。根が傷ついてしまわないように丁寧に扱いましょう。冬場は寒さで休眠モードに入るので、水やりは土の表面が乾いてもすぐにあげずに数日経ってから与えるようにします。冬場はだいたい月に2〜3回程度で十分です。

春と秋は成長期なので、土が乾いたら水を与えるようにします。ただし、常に土を湿らせておくのは好ましくないので、土の表面が乾いてから1〜2日後に水やりを行うようにします。夏場も暑さで半休眠モードに入るので、根が水を吸いにくくなります。

水やりはだいたい週に1〜2回ほどに抑えて、なるべく乾燥気味で管理するようにします。元肥には、用土にリン酸分の多い緩行性化成肥料を混ぜてあげると良いです。花後〜6月下旬まではこれを置き肥もしくは液体肥料を施してあげると花付きが良くなります。

増やし方や害虫について

挿し芽で比較的簡単に増やすことが可能です。挿し芽用の芽は、植え替え時にピンチして摘み取った葉っぱを利用することが出来ます。小さめの鉢に用土を用意して、葉っぱの半分くらいまで土に埋まるようにして挿します。葉っぱの基部を傷つけてしまうと根っこが育たなくなるので、

棒やヘラなどを使って用土に穴を開けてから丁寧に挿すようにします。その後はたっぷり水やりをして、雨が当たらない半日陰で湿気を避けるようにして管理します。やや乾燥気味の環境になるようにしましょう。こうしておけば、挿し芽から約1ヶ月ほどで根っこが伸びてきます。

イースターカクタスにつきやすい害虫は、カイガラムシです。カイガラムシは植物にくっ付いて汁を吸ってしまいます。カイガラムシはアブラムシよりも落としやすいので、柔らかいブラシなどを使って擦り落として駆除することも可能です。

歯ブラシを使うと細かい部分まで手入れしやすいです。もしくは、定期的に薬剤を散布して予防するようにします。他には、4月〜10月にかけてナメクジとヨトウムシが発生しやすくなります。つくと新芽が食べられてしまいます。

病気はそれほど心配ありませんが、カイガラムシの排泄物が蓄積すると、それにすす状のカビが生えて、すす病という病気に罹ることがあります。カイガラムシの予防と駆除をしっかり行うようにするのがポイントです。カイガラムシは風通しが悪い場所で発生しやすいので、風通しを考えて置きましょう。

イースターカクタスの歴史

ブラジル原産の多肉性植物で、4月初旬の頃のイースター(春分後の最初の満月の後の日曜日)に開花するカクタス(サボテン科)であることから、イースターカクタスの名前がつきました。正式な学名はリプサリドプシスと言います。

イースターカクタスは普通のサボテンと異なり、森林の樹木、岩場に張り付いた状態で生活している森林性のサボテンです。同様の暮らしをするサボテン類の植物には、シャコバサボテンや月下美人などが広く知られています。

一般的に栽培されているイースターカクタスは、2つの原種とそれらを交配させて作った品種群から成っています。1つ目の原種は「リプサリドプシス・ロセア」と呼ばれるもので、ほのかな香りのする赤紫色の花をつけます。

2つ目の原種は「リプサリドプシス・ガエルテリ」と呼ばれるもので、鮮やかな赤色の花をつけます。ロセアと比べると花が一回り近く大きい品種です。この2原種をかけあわせて園芸品種のイースターカクタスと呼ばれる植物が出来上がっています。

日本に入ってきた時期ははっきりしていませんが、似た種類のカニサボテン(蟹葉サボテン)が明治になって知られるようになり、戦後にはシャコバサボテンが知られるようになりました。

おそらくイースターカクタスもこの時期に日本でも知られるようになったと考えられます。花言葉は「復活の喜び」「情熱」などで、花言葉にぴったりの情熱的な花を3〜5月頃に株一杯に咲かせてくれます。

イースターカクタスの特徴

シャコバサボテンによく似た着生サボテンです。生息地のブラジルでは岩場や樹木に張り付いて生育しています。シャコバサボテンよりもやや小さめで、西洋の復活祭イースターの頃に花を咲かせることから、イースターカクタスと呼ばれています。

花の色はピンク、オレンジ、赤、などがあります。形には一重咲きと八重咲きがあります。八重咲きは雌しべが花弁に変化した形状をしています。花の大きさは通常3〜4cmほどですが、大輪の品種だと10cmを超えるものもあります。葉っぱにも特徴があります。

茎節(葉状茎)と呼ばれる葉をつけ、その先端に1〜3個ほどの花をつけます。花の形は星型で、株全体に咲かせてくれます。葉節の形は通常は扁平ですが、ものによっては四角い形をしたものもあります。また、小さいうちは四角だった葉節でも、大きくなるにつれて扁平になっていくこともあります。

半耐寒性の多肉植物なので、霜や寒さに気をつければ育てることが出来ます。理想的なのは家の中で育てることですが、無理ならばベランダや屋根下でも育てられる可能性もあります。多肉植物は葉、茎、、根のどこかに水を貯蔵することが可能で、

頻繁に水やりをしなくてもすぐに乾燥してしまうことはありません。高温多湿と寒さが苦手で、水をあげすぎると根腐れを起こしてしまう可能性があるので、水の与え方には十分に注意する必要があります。基本的には屋内管理で夏越し、冬越しさせる育て方が適しています。

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