そら豆の育て方

そら豆の育て方

そら豆は祖先種ももともとの生息地も、まだはっきりしていません。 原産地についてはエジプト説、ペルシャ説、カスピ海南部説など諸説ありますが、野生種と思われるものが北アフリカからカスピ海南岸付近にかけて生息していたのが確認されており、北アフリカや南西アジアが原産でないかと推測されています。

そら豆の基本的な育て方と植え付けの準備

そら豆の育て方は、はそれほど難しくなく手間もあまりかかりませんので、初めての方でも容易に栽培を楽しむことが出来ます。家庭菜園でもベランダのプランターでも問題なく栽培することが出来ます。そら豆の種付けは11月以降に行い収穫出来るまでの期間は5か月から6か月を要しますので、

収穫は翌年の4月下旬から六月上旬にかけてということになります。そら豆は種からも栽培できますが、発芽しないこともある野菜ですので苗からの栽培が確実です。畑は、水はけが良く日当たりのよい場所を選びます。また、連作障害もありますので4年以上、間を空けた土壌を選ぶ必要があります。

以上のことを踏まえた上でポイントを押さえた育て方をします。まず、苗作りから始めます。9㎝のポットを用意して、10月の中旬ごろに種付けをします。1つのポットに2~3粒ほどの種を蒔きます。そら豆のオハグロといわれるへそのような部分を斜め下にして豆を立てたような状態で、

種の3分の2ほどを土の中に埋め込むような状態にして種付けをします。種付けをしたらたっぷりと水やりをしておきます。この時水の勢いで種が倒れたり、また、オハグロが斜め下の状態になっていないと発芽しにくいので水やりには注意が必要です。

この後1週間~10日ほどたつと発芽しますので、本葉が出そろった頃に、育成のよいものを残して1~2本立ちにします。その後、本葉が3~4枚になるまでそのままポットで育てます。そら豆の苗を購入する場合は、背丈が高く間延びしたものは避けて、

わりと草丈が低く葉が詰まってついているものを選びます。これは、寒冷期に育ちすぎた苗が凍害を受けるのを防ぐためです。苗が出来たら、畑の準備をします。前述した条件の良い場所を選び、土づくりをします。植え付けの2週間ほど前に1㎡あたり、

苦土石灰150gと化成肥料を1㎡あたり50gほどを元肥として混ぜ込みよく耕しておきます。この時、そら豆は根粒菌を寄生させているため窒素が多くなりすぎないように、肥料は控えめにします。そのうえで幅100㎝高さ10㎝程の畝を立てておきます。

植え付けとその後の育て方

苗は畝に株間40㎝程を取り、少し大きめの穴をあけ根鉢のまま表面が見えるくらいに浅く植えます。その後は土を寄せて根元を軽く押さえておき最後に十分な量の水を与えます。その後の水やりは、寒い時期には少し乾燥気味の状態を保つようにするため、水やりの回数は控えめにします。

そら豆は多湿を嫌いますので余分な水分は、株を弱らせることになります。草丈が20㎝を超える頃、およそ1月下旬から2月中旬ごろに1回目の追肥を施してやります。株元から離れた場所に化成肥料を1株あたり5gほど混ぜ込んでやります。

この頃、倒伏を防ぐためにも株元への土寄せと中耕も合わせて行っておきます。この後花が咲いて育成が早くなったら実が熟するまでに2~3回の追肥を施します。この時期に肥料切れすることが無いように注意しましょう。そら豆の茎は弱いので風の影響を受けて倒伏しやすくなります。

これを防ぐため、草丈が60㎝を超えたあたりから支柱を立ててやります。成長すると1メートル以上にもなりますので支柱は1.5mほどのものを用意し畝の周囲に30㎝程の間隔で立て、その間を適当な間隔に紐を張り柵を作っておきます。プランターの場合も市販の支柱を使って同じように立てておきます。

春になって成長が旺盛になると茎が多く出て込み合ってきます。このままですと日光を遮り、日あたりが悪くなってしまいますので、遅く出てきた貧弱な茎を選んで切り取ります。大体一株当たり7~8本を残すようにします。これをすべての株に行い、

全体の日当たりを確保しておくとサヤの付きがよくなり実も充実させることが出来ます。この後上部の花が咲いても実が入りませんので、支柱を立てた頃には先端を摘み取って摘心を行っておきます。伸びてきた側枝をそのままにすると、

葉のほうへ養分を吸われてしまいますので必ず摘み取るようにします。その他、そら豆につく害虫で一番多いのがアブラムシです。このアブラムシは様々な病気を運んでくることが知られており、厄介な害虫でもあります。大量に発生すると駆除が難しくなりますので、

常に観察して発見したら早めに木酢液などで対応しておきます。その他の害虫としてハモグリバエやナモグリバエといったものがいますが、葉に白い筋が入ったり、葉の裏に生息しているのを発見したら、その䈎ごと取り除くようにします。

そら豆の収穫

収穫の時期は開花頃から大体30~40日たった頃になります。さやの状態は上を向いているうちはまだ未熟で、内包する豆が充実してさやが下を向き、さやの背筋が黒くなり、更に光沢が出てきます。この状態を目安に収穫します。収穫はハサミを使って実の根元から切り取って収穫しまが、あまりに熟しすぎると、味が落ちてしまいます。収穫の時期を定めるために試しどりをして、実の状態を確かめて早めに収穫しましょう。

そら豆の歴史

そら豆は祖先種ももともとの生息地も、まだはっきりしていません。 原産地についてはエジプト説、ペルシャ説、カスピ海南部説など諸説ありますが、野生種と思われるものが北アフリカからカスピ海南岸付近にかけて生息していたのが確認されており、北アフリカや南西アジアが原産でないかと推測されています。

そら豆に限らず野菜の発祥地は定かでないものが多く、それぞれの種が複雑に混ざり合って発達したことからどこか一か所の場所を限定したり、発達の経路を明らかにするのは困難なこととであるようです。ともあれ、そら豆は世界最古の農産物ともいわれており。

その栽培の歴史は古く、チグリス・ユーフラテス川流域で新石器時代にすでに栽培されており、エジプトでは4000年前から栽培されていました。エジプトの遺跡である、ピラミッドからも、発見されていることからもそのことが裏付けされています。

その他には、トロイの遺跡からも化石化したものが見つかっています。旧約聖書には、他の雑穀類と混ぜてパンを作ったとされており、安息日の食べ物として、そら豆が食べられていたと記されています。 また、北ヨーロッパの国々では、春先には茹でたり、おかゆにしたりして食べられていました。

日本へ伝わったのはは天平8年頃で、聖武天皇の時代(奈良時代)に、インドの僧が、中国経由で来日した時に、兵庫県武庫村で試作したことが始まりといわれています。この後、江戸時代以降、米の代用品として炊いて食べたり、みその原料としても使われていたりと、かなり重要な穀物として広く利用されていました。

日本は、他国とのかかわりがなかった時代が長く、国内の農産物のみにに頼って、食生活を営んでいたという理由から天候の不順などで不幸な飢饉がたびたび起こっていました。その、飢饉の年には、人々の命を支える貴重な食糧だったといわれています。 この後、明治時代になると品種開発や研究が進み品種も増加していくにつれて徐々に消費が増えていきました。

そら豆の特徴

そら豆は、秋に種付けをして、3〜4月頃、白く紫がかった花びらに黒い斑紋がある3cmほどのかわいらしい花を咲かせます。実がなるのは5月くらいからで全長は1mほどになります。実の大きさは品種によりますが、15㎝程の大きさのさやの中に3~4個の種が入ります。

呼び名の由来は、和名のそら豆はサヤが空に向かってつくため「空豆」という字があてられ、またそのさやの形が蚕の繭に似ていることや、蚕を飼う初夏に旬を迎え食べられることから「蚕豆」という字があてられています。

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