オリーブの育て方

オリーブの育て方

オリーブの木は地中海地方が原産といわれるモクセイ科の常緑樹です。5万年以上昔の葉の化石があるほど古い植物で、また一説には人類が最初に栽培した植物とも言われています。人間とのかかわりあいの歴史をたどれば、つややかな緑色が特徴の葉は、ギリシャ神話の中では女神アテナのシンボルとして登場しますし、旧約聖書に綴られた「ノアの方舟」では、神の怒りによって引き起こされた大嵐が過ぎ去った後の大地の再生と平和の象徴としてハトが持ち帰るシーンがよく知られています。

強く美しい木にするために支柱を使う

オリーブの木の魅力はその美しい姿にもありますが、育て方にはこつがあります。オリーブは若いうちは根が浅いタイプなので、3年目程度の木でも自分でまっすぐに姿勢を保つことができません。オリーブは成長すれば丈夫な木になりますが、それまでにしっかりと根を張らせるためにも、また空に向かってまっすぐ伸びる美しい樹形を整えるためにも幹をしっかりと支えることができる支柱を立ててください。

支柱と木を固定する時、麻紐や園芸用の紐などを使用すれば木肌にくいこむ心配はないはずですが、念のため1年に1度程度は、木の成長を妨げていないかどうかチェックしてください。支柱にはいろいろなタイプがあります。若い木は細くて樹高もそれほどありませんので1本の支柱でも支えることができます。しかし、細いながらもどんどん樹高を伸ばしていきますので、成長に合わせて支柱を立て直す必要があります。

また強雨や強風の後は、支柱にぐらつきがないかどうかチェックすることをお勧めします。なお、しっかりと根が張り、安定したら支柱は不要ですので撤去してください。少し手間がかかりますが、オリーブの栽培に支柱は不可欠です。支柱は焼杉材などの木製のものがよいでしょう。金属製のものですと夏の高温時に支柱が熱せられ、木が傷む原因になる恐れがあります。

病害虫対策には観察と剪定を

オリーブは育て方が難しくない上に、病害虫にも比較的強い果樹なので初心者向きともいわれていますが、丈夫な木に栽培するためにはやはり日頃の手入れが不可欠です。オリーブの天敵はなんといっても「オリーブアナアキゾウムシ」です。オリーブアナアキゾウムシは、その名の通り、幹に穴を開けて樹皮の中に潜り込み内部を食い尽くしてしまいます。見つけたら駆除するほか、スミチオン乳液を散布します。

またゾウムシの仲間は下草が生い茂るような場所を好んで寄ってくるので、根元はすっきりとさせるようにしましょう。「スズメガ」の幼虫は旺盛な食欲で葉を食べてしまいます。体の色が葉に似ているので小さいうちは気づきにくいのですが、10センチ程度まで育つとみるみるうちに葉を食べつくされてしまいます。根元付近に黒いふんが点々と落ちていたら注意してください。もし見つけた時は駆除しますが、殺虫剤より取り除くほうが効果的です。病気については「オリーブ炭疽病」に注意が必要です。

葉や実に発生するカビの一種で、症状が現れた部分を取り除いたり、薬剤を散布したりします。離れた場所から愛でるだけでなく、時々は近づいて葉の様子や根元の変化などを観察しましょう。また強い木にする育て方として大切なのは適切な剪定です。害虫を発見しやすくし、また病気になりにくくするためにはやはり風通しのよい環境を保つことが重要なのです。オリーブの剪定は2月ごろに行います。耐久性に優れているので強めの剪定も可能です。中心部まで風と日光が届くように、葉の茂りすぎに注意しましょう。

種から育てる楽しみもあります

若木として購入することが多いオリーブですが、種から育てることもできます。自分で種付けをして、小さな芽を大きな木に育てる楽しさはまた格別です。種付けから行う場合はまず種を手に入れなければなりませんが、一般の園芸店などで販売されていることは少ないようです。ネットなどで購入するのもよいのですが、最近はシンボルツリーなどとして自宅で栽培している方も増えていますから、秋に完熟した実をいただくという方法もあります。

若木から栽培する場合はそれほど難しくないものの、種付けから挑戦する場合にはうまく発芽してくれるかどうかが大きなポイントとなります。購入した種、あるいは完熟した実は、種付けに使用するために果実を取り除き、乾燥しない状態で休眠させて春になったら蒔く、あるいは果実を取り除いた状態で土に埋めて冬を越して発芽を待つ、などの方法があります。発芽までの育て方のポイントは乾燥させないこと。

うまくいけば数週間から数か月後には小さな芽が出てきますので、あとは風通しがよく日当たりのいい場所で育てます。もし実を楽しむ目的があるなら、違う種類の種も必要です。オリーブは自家受粉がしにくい品種ですので、2種類以上の花粉が不可欠です。ちなみにオリーブの種類は全世界では1000とも2000ともいわれていますが、日本国内では、ミッション、ネバディロ・ブランコ、ルッカ、マンザニロなどが多く栽培されています。

常緑樹として季節を問わず緑の葉を楽しむことができるだけでなく、夏は小さな白い花を咲かせ、秋には種類ごとにさまざまな色の実を付けるオリーブ。収穫した実は苦みが強くてそのまま食べることはできませんが、自家製の塩漬けはワインのお供にも最適、というファンも多いようです。また、自家製の圧搾機でオイルを絞るという強者もいるそうです(透明のオイルを家庭で作るのはかなり大変です)。楽しみ方はあなた次第、なのです。

オリーブの歴史

オリーブの木は地中海地方が原産といわれるモクセイ科の常緑樹です。5万年以上昔の葉の化石があるほど古い植物で、また一説には人類が最初に栽培した植物とも言われています。人間とのかかわりあいの歴史をたどれば、つややかな緑色が特徴の葉は、ギリシャ神話の中では女神アテナのシンボルとして登場しますし、旧約聖書に綴られた「ノアの方舟」では、神の怒りによって引き起こされた大嵐が過ぎ去った後の大地の再生と平和の象徴としてハトが持ち帰るシーンがよく知られています。

また実を絞って作るオリーブオイルも、紀元前2千年ごろには食用や医薬品などとしてすでに利用されていたことが、古代ギリシャの壺に描かれた絵や、古代エジプトの壁画などから分かっています。特に古代エジプトでは、ミイラを作る際の香料としても使われていたそうです。

日本には安土桃山時代に外国人宣教師によって持ち込まれたのが最初といわれていますが、栽培が試みられるようになったのは幕末で、実を付けることに成功したのはなんと40年以上も後のことでした。栽培に成功した場所は、現在でも日本屈指のオリーブ産地である小豆島。試行錯誤の末に油を搾り取ることに成功し、現在に至っています。

オリーブの特徴

オリーブの木の特徴は、なんといっても年間を通して豊かに茂るつややかな濃い緑色の葉でしょう。生息地は、原産地である地中海沿岸はもとより、日本でも温暖で雨の少ない小豆島は日本でのオリーブ産地として知られています。「日本なら小豆島くらい温暖でないと育たないのか」というと、実はそうでもありません。

一般的に関東以西なら地植えが可能と言われており、ひと冬に数回程度、気温が零度を下回る程度の気候なら庭木として楽しむことができる可能性が高いのです。また大きく育つことも特徴のひとつです。木の分類としては「小高木」となりますが、これは10メートル未満のものを指します。「庭に植えたものが二階の屋根を超えた」などという話も聞きますが、樹高のわりに幹は細いので、スマートでおしゃれな印象を好む方々も増えています。

ちなみに樹高については剪定を行うことで調整が可能です。実を楽しみたいなら、自家受粉しにくい性質であることから2種以上植える必要がありますが、病害虫に強く、また変化の大きな日本の四季にも適応して緑の葉を絶やすことのないオリーブの木は、初心者でも比較的育てやすい果樹といえるでしょう。

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