ダチュラの育て方

ダチュラの育て方

ダチュラといえば、ナス科チョウセンアサガオ属、あるいはキダチチョウセンアサガオ属の植物のことです。しかし、この区別に関しては、少々複雑な面があります。本来、チョウセンアサガオ属の一年草や多年草をダチュラ属としていますが、園芸業界では、このチョウセンアサガオの近縁種、キダチチョウセンアサガオ属(ブルグマンシア属)の低木をダチュラと呼ぶことが多いのです。

エンジェルストランペット・植え付け

まずは、エンジェルストランペットについて、その育て方を紐解いていきましょう。熱帯地方でも高山帯を原産としているため、ある程度の耐寒性はあります。よって日本においても比較的育てやすい熱帯植物のひとつではないでしょうか。

暖かい地方ならそのまま露地植えで冬を越させても大丈夫、そうでない地域での栽培は、冬は鉢に移して寒さをしのげる場所で管理するか、あるいは寒冷紗をかけてあげるなどの対策が必要なこともあります。日当たりが良い居場所を好みます。また、かなり大きく育つので、そうしたことも想定し、スペースの確保できる場所に植えてあげることがポイントです。

夏の暑さが苦手な種類もあります。夏場は風通しが良く涼しい場所というのも、考えに入れておきましょう。植え付け・種付けに関しては、さし木によるものと種によるものがあります。種まきによる種付けの場合、親株と違う色の花が咲くケースもありますので、同じ色を希望する場合は、さし木による繁殖方法を取ります。

5~7月が適期で、20cm程の長さに枝を切って、土に挿しておくことで発根します。大きな葉が付いているものは、これを半分程度に切って、余計な水分の蒸散を防ぎます。切った枝は、最初に30分くらい水に漬け、その後土に植えます。さし木にあたっては、園芸用品店などで、さし木用の土が売っていますので、こうしたものを利用するのも良いでしょう。

ここで注意したいのは、切った枝の上下を間違わないということです。また、植えた後は、土が乾かないようにして水やりをします。こうしてひと月ほどで、発根します。根が出たら、一本ずつ別の鉢に植え替えてあげましょう。種まきによる種付けの場合も、適期は5~7月です。鉢に種をまき、種が隠れるほどの土をかぶせ、土を乾燥させないようにして管理します。10日ほどで発芽しますので、その後は本葉が出たら一本ずつ別の鉢に植え替えます。

エンジェルストランペット・手入れ

水やりについては、鉢植え栽培と庭植え栽培で多少違ってきます。春から秋の生育期は、よく水を吸います。鉢植えのものは特に土が乾きやすいので、こまめな水やりが必要になるでしょう。枝葉が茂ると、必要とする水の量も増えてきます。庭植えも同様に、生育期にはよく水を吸いますが、自然に降る雨の具合なども加味して、あげる水の量を調整します。

冬場は、生育が鈍くなるので、それほど水を必要としませんが、それでも葉が残っている場合は土が乾いたら水をやります。葉が枯れて休眠期に入ったら、軽い水やりに切り替えます。肥料も相応に必要とします。まず植え付け時の土に粒状肥料を混ぜておくこと。そして、植え替え後も、ひと月に一度、あるいは2か月に一度くらいは、根元に肥料をまいてあげましょう。遅効性の肥料が良いとされます。

大きく生育するので、剪定もしてあげます。まず花の後にバランスを見ながら刈り込むことです。枝分かれした所から、20cmほどの枝を残して切ります。また、3月~4月頃に、枯れた枝を処理しましょう。

本来のダチュラ、チョウセンアサガオの栽培

チョウセンアサガオは、エンジェルストランペットよりも手のかからない植物です。種付けは5月頃。直接庭にまいても大丈夫ですし、最初は鉢などにまいて、その後植え替えても良いでしょう。土の表面が乾いてきたら、しっかり水をあげます。種をまいた時も、その後も肥料はそれほど要りません。もともとやせた土地でも育つ植物なので、苗が育つときに、ほんの少しの肥料を根元にパラパラとまいておく程度で構いません。

こちらの植物も大きく育つので、植える場所は、スペースを確保できるということが大切です。株と株の間隔を、50cm程取って植えると良いでしょう。また、日当たりの良い場所を選んで植えてあげましょう。冬の防寒対策は考えなくてもよいです。冬には自然に枯れてしまいます。

ダチュラの毒に関する注意点

先に述べた通り、どちらの種類も有毒植物であることを、忘れないでください。万が一食べてしまうことのないように、食用として栽培している植物の近くでは育てないようにしましょう。また、うっかり子供などが口にしてしまわないように、十分気を付けることも重要です。小さな子供は、思わぬ物を口にしてしまうこともしばしばです。ダチュラは、全草に毒性があります。

手入れの際に、直接手で触れない方が良いという見解もあるのです。小さな傷などから、成分が入り込んでしまわないとも限らないからです。ケガをしていなくても、手袋などをした状態で、この手入れを行うというやり方が、より望ましいという意見もあるくらいです。花を活けた花瓶の水にも、成分は溶け出します。こうしたものを、やはり子供やペットが誤って飲んでしまわないよう、注意してください。

ダチュラの歴史

ダチュラといえば、ナス科チョウセンアサガオ属、あるいはキダチチョウセンアサガオ属の植物のことです。しかし、この区別に関しては、少々複雑な面があります。本来、チョウセンアサガオ属の一年草や多年草をダチュラ属としていますが、園芸業界では、このチョウセンアサガオの近縁種、キダチチョウセンアサガオ属(ブルグマンシア属)の低木をダチュラと呼ぶことが多いのです。

春から秋にかけて、垂れ下がったトランペット状の花を咲かせることから、エンジェルストランペットなる別名もあります。白や淡いオレンジ色の大きめの花は、夏場の庭先の彩りとして人気で、よく見かけることもあるでしょう。一方、本来のダチュラであるチョウセンアサガオの方は、花を上向きに咲かせます。良い香りがすることでも有名です。しかし、日本における園芸品種としての人気は、エンジェルストランペットの方が上かもしれません。

本来のダチュラは、特に日本の医学の歴史において、その存在が目立つ植物です。江戸時代頃に日本に入ってきたとされるこの植物から作った麻酔薬を使い、医学者の花岡青洲が、乳がんの摘出手術を行ったことは、多くの人の知るところでしょう。これは、全身麻酔としては世界初といわれています。実際、スコポラミンやヒオスチアミン、アトロピンなどのアルカロイドを含み、これを摂取すると、幻覚やせん妄といった症状が出ることは、昔から分かっていました。

全身麻酔薬として手術に使用したのは、花岡青洲が初だったのでしょう。しかし、この麻酔薬の実験で手術を受けた彼の妻は、失明してしまうのでした。麻酔薬に使われたチョウセンアサガオにしても、エンジェルストランペットにしても、有毒植物です。同じような成分のアルカロイドを多量に含むため、うっかり食べてしまわないように、注意が必要です。

ダチュラの特徴

この植物は、世界各地の熱帯性気候の地域を生息地としています。花岡青洲が用いたものは、インド原産のメテルという学名の付いたものです。また、アメリカチョウセンアサガオと呼ばれるものは、アメリカやメキシコを原産とし、その芳香が有名です。庭植えで人気のエンジェルストランペットは、アメリカの熱帯の中でも、主に高山帯の植物です。

このようにダチュラと一口に言っても、どの種類のことを指すのか、というのはひと思案必要なところでしょう。栽培に関しては、こうした違いは大きなものですが、いずれにせよ美しい有毒植物であることは共通しています。

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