ミヤコワスレの育て方

ミヤコワスレの育て方

ミヤコワスレ日本に広く生息している花ですが、もともとはミヤマヨメナという植物を指しています。日本では広く分布している植物ですが、海外ではほとんど見られない、日本ならではの人気植物です。伝説によると鎌倉時代の承久の乱の際に敗れた順徳院が佐渡ヶ島に流された際にもこの花が出てきます。佐渡ヶ島に流され、寂しい生活をしていた順徳院は庭に咲いた一輪の野菊を見つけ、この花を見ていると癒されて都への恋しさが忘れられる、と言われたといいます。

ミヤコワスレの育て方

ミヤコワスレは本州から九州にかけて広く分布している園芸種で、野菊のような可憐さと、日陰でも美しく咲く強さを兼ね備えているのが特徴です。栽培方法としては植え付けの際の用土がポイントです。ジメジメした土地が苦手なので、水はけが良い肥沃な土を用意しましょう。

赤玉土と腐葉土、鹿沼土をブレンドして弱酸性の土壌を作ることで育成をよくすることができます。赤玉土の割合を多くすると、水はけを改善することができるので根腐れを防いで、病気になりにくい育て方ができます。

地植えでも鉢植えでもできますが、地植えの場合には環境が合っていれば5年間は植えたままでも元気に育ちます。ただし、同じ場所で長い期間育てていると育成が悪くなって枯れてしまうことがありますので、5年経ったら他の場所に植え替えるのがよいでしょう。

地植えの場合の育て方では植えている期間で植え替えをしますが、鉢植えの場合にはそこから根が伸びてきた時に植え替えをします。一回り大きな鉢にそのまま植え替えるか、株分けを行っていくつかに分けて植え替えるのがよいでしょう。その際の植え替え時期は5月から6月に行うのが最適です。

ミヤコワスレの増やし方

ミヤコワスレの栽培では種付けを行うことは希です。種付けで増やす代わりに、株分けをするのが一般的です。または種付けの代わりにさし芽をすることで増やすことができます。環境が合っているところに地植えをしていると種付けをしなくても、自然に株が増えてミヤコワスレの花畑のような雰囲気になることもあります。

株分けでは花の終わった株を掘り下げて、根を堀上げ株を切り分けて植え替えることで増やすことができます。さし芽は4月から6月の育生期の芽を使います。春にはどんどん芽が伸びていきますので、芽の先端から2節を切り取って赤玉土やパーライトに差して根が出るまで乾かさないように管理します。

育て方で注意するのは病害虫です。かかりやすい病気には白絹病は高温多湿の時期に発症しやすい病気です。まるでカビが生えたように株元に菌糸が付いて株の元気がなくなりやがて枯れてしまいます。この白絹病にかからないようにするためには風通しが良い場所に植えることと、水はけをよくして土壌の改良を行うのがよいでしょう。

発生しにくい環境を作ることが病気にならないようにする最大の予防策です。キク科の植物ですので栽培時にはアブラムシに気をつけます。アブラムシはキク科の植物を好んで付きます。スプレー式の殺虫剤などを使って早めに駆除することが必要です。

ミヤコワスレの日頃の管理

日頃のミヤコワスレの管理で大事なことは花がらをとることです。咲き終わった花をそのままにしておくと、実が付き、株が弱ってしまうのです。咲き終わった花がらをこまめに摘み取ることで株が消耗するのを防ぎ、枯れた葉もしっかり取ることで、風通しを良くして病気を予防することにもつながります。

花が咲き終わった5月末には茎を根元で切り詰めるのがポイントです。そうすることで、元気な茎が再び生えて病気にかかるのを防いでくれるのです。鉢の置き場所や植え付け場所として最適なのができるだけ直射日光が当たらない場所です。

強い日差しを受けると葉焼けを起こして枯れてしまうこともありますので、日陰気味の場所に鉢を置くのが良いでしょう。一日中日が当たる場所や、西日のあたる場所などに地植えする場合には、真夏は日除けなどをするのが良いでしょう。

風通しがよい半日陰がミヤコワスレの栽培には最適です。木漏れ日がかかる木の根元や午前中に日があたり、午後は影になるような場所が丈夫な株に育ちます。このように暑さには弱いミヤコワスレですが、寒さや日陰にはある程度の耐性があります。

ただし霜が降りるような場所では株がダメージを受けてしまうので、雪が積もるような寒冷地では霜よけをしたり雪よけをすることが必要です。ミヤコワスレは乾燥に弱いので土の表面が乾いたら水やりをします。特に水切れを起こしやすい真夏は水を切らさないように朝夕水やりをすることも必要です。

もし、日当たりが良すぎる場所に地植えにしているときはワラなどでマルチングをして土の乾燥を防ぐのが良いでしょう。また夏ではなくても乾燥しすぎてしまうのが1月2月の冬の乾燥期です。冬でも乾燥したら水やりをして水切れを防ぎましょう。

ただしいつも水で湿っているような土では上手く育ちません。水はけのよい土で育てるのが基本です。植え付けの際にはゆっくりと作用する粒タイプの肥料を混ぜ込みます。毎週こうした肥料を与える必要は無く、追肥として花が咲き終わったあと、そして秋に一回程度与えるので十分です。

ミヤコワスレは肥料もあまり必要ない丈夫な花です。手軽に負担なく栽培でき、美しい紫の風情ある花を咲かせてくれるミヤコワスレは日本の庭に欠かせない人気の伝統ある園芸品種なのです。

ミヤコワスレの歴史

ミヤコワスレ日本に広く生息している花ですが、もともとはミヤマヨメナという植物を指しています。日本では広く分布している植物ですが、海外ではほとんど見られない、日本ならではの人気植物です。

伝説によると鎌倉時代の承久の乱の際に敗れた順徳院が佐渡ヶ島に流された際にもこの花が出てきます。佐渡ヶ島に流され、寂しい生活をしていた順徳院は庭に咲いた一輪の野菊を見つけ、この花を見ていると癒されて都への恋しさが忘れられる、と言われたといいます。

そこから付けられた名前が都忘れ、というものです。今現在都忘れと呼ばれている植物がこの時の野菊かどうかは分かりませんが、この花の美しい薄い紫が順徳院の心に癒しを与えたことは十分考えられます。このようにミヤコワスレは鎌倉時代の古くから日本人に親しまれてきた歴史と伝統ある花なのです。

ミヤコワスレの特徴

この植物は本当の名前をミヤマヨメナといい、本州、四国、九州と広く自生しています。ミヤコワスレの開花時期は4月から5月にかけてですので、庭で栽培する場合にはこの時期に美しい紫の花を咲かせてくれます。人気品種のために促成栽培が盛んに行われていて一年中手に入るようになっています。

切花としても人気が高く、仏花としても広く利用されています。この花は江戸時代から栽培されてきた伝統があるので園芸品種は大変多く展開されています。色の濃い紫のものがよく知られていますが、それだけではなくまるでピンク色の薄い色のものから、薄紫、白、青っぽいものまで豊富なカラーがあります。

品種名も桃山、浜乙女、関西ミヤコなどさまざまなものがあり、広く栽培されています。草丈は20センチから60センチほどで、上の方で枝分かれした先に、3つから5つの花が付きます。日本原産で生息地も本州から九州まで幅広く分布しているため、日本の風土気候に馴染んでいるため、どなたでも育てやすい特徴があります。

特に耐寒性や耐陰性があるため、日当たりの良い場所だけでなく日陰の庭でも育てることが出来るのが人気の理由です。シェードガーデンに咲く花として、狭小の庭や日陰の庭にも多く利用されています。

野菊に似た清楚な花はマーガレットにも似ており、日本固有の園芸品種で江戸時代には既に品種改良がされていたので、大変カラフルなカラーが展開されています。紫系の花は貴重なので、切花としてもガーデンフラワーとしても高い人気があります。

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