カンナの育て方

カンナの種付け
園芸では春に球根を植えて夏から秋にかけて花を楽しむ春植え球根として扱われています。球根で植えるときには霜の心配がなくなる4月以降が植え時です。鉢植えの場合は直径25cmから30cmくらいの大きめの鉢を使用し、1つの鉢に一つの球根を植え付けます。球根の芽の部分が鉢の中心部に来るようにして、地中5㎝くらいのところに植え付けます。
庭植えの場合も5cm位の地中に植えて地上に10cm以上の芽が出てきたら芽の周りに5cmほどの土寄せをすることで早く芽が出るようになります。カンナは種付けから栽培することもできます。種は丸くて黒いもので菅、皮がとても硬いのでコンクリートなどで少し傷を付けてから一晩水に付けて吸水させます。そしてビニールポットなら2、3粒が目安でしょう。
発芽したら間引いてひとつの苗を作り、少し大きくなったらビニールポットから出して鉢や花壇などの土に植え付けます。鉢に植え替えるとき、種付けから栽培するときはそれほど大きくならないので直径15cmくらいの鉢に一株植え付けるくらいで良いでしょう。発芽に適した温度は22度くらいなので、種付けは5月ごろ行います。
カンナは成長が早いので、種付けをしたその夏には花を咲かせることができます。カンナを増やしていく場合は分球でも行うことができます。大きくなった球根を小分けして植え付けます。4月か5月ごろがそのうえ付けに適しています。
カンナの栽培方法と上手な育て方
カンナはやや湿り気のある土を好みますが、有機質が多く含まれている土ならば育ちます。種付けや植え付けを行うときにはたい肥や腐葉土を混ぜた土を用いるようにします。カンナはもともと熱帯地方に生息しているものなので、寒さには弱い代わりに真夏の直射日光のもとでも育ちます。
だからとにかく日当りの良いところで栽培をし、5度以下になると休眠をし、0度以下になると枯れてしまうので、寒い時期には室内に入れたり、庭で地植えをしている場合には春になるまで球根を取り出して寒くないところで貯蔵するようにします。水は乾かさないようにやるようにします。
球根が乾燥すると生育が悪くなり枯れてしまうこともあります。かといって水を与えすぎても球根が腐ってしまうということにもなりかねないので、土の表面が乾いてきたら水を与えるという育て方をします。肥料の与え方ですが、気温が高い時期には著しく成長をするので、その成長期には栄養をしっかりと与えるようにします。
植え付けるときに堆肥や腐葉土などの肥料を混ぜてから植えますが、その時にゆっくりと栄養分が出るタイプの粒状の肥料を混ぜておき、発芽したら月に一度ほど追肥として化成肥料を芽から少し離れたところに撒くようにします。花が終わりをむかえる9月ごろには肥料は与えなくてもよいでしょう。
育て方のまとめ
カンナの育て方としては、かかりやすい病気や害虫なども特になく園芸植物の中でも育てやすい方です。とにかくカンナは熱帯地方の植物なので、寒いのが苦手で暑いのが好きであることを念頭に入れておくようにします。球根にしても種にしても暖かくなる春以降に火の良く当たるところで植え、土が乾いて球根が乾いてしまわないように水やりをします。
ただし水のやりすぎ葉球根を腐らせてしまう恐れがあるので加減をすることも必要です。そして気温が高いとどんどん成長するので、月に一度は肥料を与えてスタミナ不足にならないように注意をします。肥料を与えるのは花が終わる9月から10月ごろまでとし、その後は与える必要がありません。
花が枯れてきたら枯れた花を摘み取っておきます。そのままにすると花に種ができて栄養分が種に取られてしまい、それ以上花が咲かなくなるので咲き終わった花はこまめに摘み取るようにします。また花がいっぱいさいて重くなり茎が倒れそうなときには支柱を立ててもよいでしょう。
やがて寒くなってくると鉢植えのカンナなら鉢ごと室内に入れるようにして寒さから防ぐようにし、庭植えの場合なら秋に葉が枯れた後に茎を地面のすぐ上くらいのところから切り取って球根を掘り出し、それを5度以上10度以下の状態で保管するようにします10度以上になると芽が出てしまうので保管時の気温には注意をします。
保管する際には球根を乾燥させてしまうと枯れてしまうのでダンボールや発泡スチロールなどに湿らせたおがくずやピートモスを入れ、その中に埋めて保管するとよいでしょう。そうすることでまた暖かい時期になってくるとその球根を分球して増やしたり、花が咲いた後に摂れた種からも増やしことができます。
日当りの良いところで育てること、球根を乾燥させないよう、しかし腐らせないように水やりをすること、春から夏にかけての成長期には肥料を与えること、寒い時期には寒さから防ぐことに気を付けることで夏には大きなカラフルな花を鑑賞することができます。そして上手に管理をして増やしていくこともできます。
カンナの歴史
原産地は熱帯アメリカで日本には江戸時代前期にカンナ・インディアカという種類のものが入ってきて、現在では川原などで自生しているものも見られます。 カンナ・インディアカが伝わって以来、いろいろな野生種を組み合わせて園芸観賞用とされた種類のものが1000種類以あります。
「フレンチ」「イタリアン」などの品種がありますが、多様に交配をしているため品種別にあまり区別されてはいません。カンナという名前はギリシャ語で「葦」を意味し、姿が「葦」に似ていることからそのような名前が付けられました。
カンナの特徴
生息地は熱帯アメリカを中心としていて、日本では「ハナカンナ」と呼ばれる観賞用として栽培されていたり、川原などに半野生化しているものもあります。ショウガ目カンナ科に属し、毎年花を咲かせる多年草で地下には球根を作ります。草丈が1mから2mにもなる大型種と40cmから50cm程度の倭性種に分類されます。
春に芽を出して夏から秋にかけて花を咲かせます。葉の形は先のとがった細長いものや細めの楕円形などで緑や赤銅色のものがあり、葉脈に沿って斑の入るものもあるので、葉だけでも楽ししめる植物です。花は、6本あるおしべのうち、一本だけ残して花弁になるという少し特異な性質を持っています。中には花弁にならず退化するおしべもありますが、残った一本のおしべだけが花粉を出してめしべと受粉し、めしべはへら状になります。
花の色は緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白などがあってカラフルです。カンナの種は黒くて丸く、そして非常に硬いので、マラカスや「がらがら」などの中に入れる材料ともなります。種から発芽をする確率はそれほど高くはないのですが、中には550年も発芽能力を持っていた種もあるのです。
熱帯地方を生息地としている花なので、寒さが苦手で暑さには強い植物です。日当りのもとで管理をすると春から夏にかけてぐんぐん成長します。その時に突きに一度ほど追肥をしたり、球根が乾かないように水やりをしたりすることでカラフルな花を咲かせてくれます。
そして花が終わった寒い時期には鉢なら室内へ、庭に植えているなら茎をおとして球根を掘り上げて5度から10度のところでやや湿り気のある環境で保管するようにします。病気もほとんどなく害虫にもやられることがないので、どちらかといえば育てやすい花といえるでしょう。球根を分けたり、種を植え付けたりすることで増やしていくこともできる花です。
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