カランセの育て方

カランセの育て方

カランセはラン科エビネ属の多年草です。日本が原産地となっているエビネ属の花もありますが、熱帯原産のものを特にカランセとよんでいますので、日本のエビネとは異なっています。この名前はギリシャ語で美しいという意味のカロスと花という意味のアンソスを組み合わせたもので、古くからその美しさが高く評価されていたことがわかります。

カランセの育てる環境について

日本で育てる場合には、庭植えではなく鉢植えが基本です。暑さには比較的強いですが、強すぎる直射日光には弱いため、遮光して育てる必要があります。春から秋にかけての葉をのばす時期には、戸外の風通しの良い場所で、最初から50%程度遮光して栽培します。

夏場の暑さも耐えられますが、水やりや遮光はきちんと管理しましょう。春から秋にかけての生長期には、水と肥料を充分与えて葉を大きく育てることで、休眠期の開花の成功率が高くなります。冬の落葉期に入ると鉢を室内に取り込み、花芽が伸び出すまでは日光にもほとんどあてる必要がありません。

しかし、花芽が伸びてからは日光に当てなければ鮮やかな色彩の花を咲かせることができませんので、窓辺に置いて日光に十分にあてるようにしましょう。カランセの花茎は常に日の当たる方向に向かって伸びますので、このときは花茎を曲げないように、鉢を動かさずに固定しましょう。

暑さには強いですが、高温多湿の環境には弱く、花茎が黒く腐って途中で折れることもあります。風通しの良い、多湿過ぎない環境を用意しましょう。花が枯れてきたときには、付け根から茎を切り落として、株を休ませます。

用土に関しては、他の洋ランのようにミズゴケやバークなどを使わず、やや深めで排水溝が多いプラスチック製の鉢に植えます。市販の園芸用培養土で十分ですが、ピートモスなどが混合されたものであればそれほど条件が厳しくはありません。

カランセの種付けや水やり、肥料について

カランセは株の植え付けを行います。植え付けや植え替えは4~5月が適した時期で、休眠期を終えて新芽の出る頃がベストです。植え替えは2年に1回程度行います。株をよく観察して、新芽が見えてきたときに植え替えるようにしましょう。この花は本来は地植えのランですが、

日本ではもともとのカランサの生息地とは気候が合わず、こまめに管理しなければ育てることができませんので、庭や花壇に直接植えることができません。そのため、鉢植えで栽培して気候の変化に合わせて移動する必要があります。冬越しができる気温は10~13度といわれていますので、

これを基準に気温が下がってきたら屋外で管理しましょう。水やりは、春から秋までの葉が大きく伸びる時期にはたっぷりと与えるようにします。特に夏場は、水が不足すると葉が枯れて成長が遅れてしまいますので気を付けましょう。

一方、冬に落葉してから花芽を伸ばし始めるまでは、完全には乾かない程度に用土を少し湿らせる程度で十分です。花芽が伸び始めたら、水やりの回数を少し増やしましょう。ただ、この時期に水分を与えすぎると花茎が腐ることがありますので、

水の量を増やすといってもほどほどにします。肥料は、春に新芽が出始めた時に有機質固形肥料を鉢土に置き、初夏までに数回取り替えます。量はそれほど多くする必要はありません。液体肥料は5月上旬から9月下旬まで、週に1回程度のペースで規定倍率のものを与えましょう。

カランセの増やし方や害虫について

カランセを増やすときには、株分けを行います。カランセは、上手に冬を越して栽培年数が経過すると、バルブが増えてきます。こうなると株分けをして増やすことが可能ですので、挑戦してみましょう。株分けの時には、2バルブほどで1株になるように切り分けますが、

バルブ上部に高芽を出したときには、高芽から少し根が伸びてから切り取り、別途植えつけることによって増やせます。株分けは植え替えの時期と同じ4~5月ですので、掘り出したときにバルブの状況を見てから行うのもよいでしょう。バルブを分けるときには、

それぞれに傷をつけないように注意することが重要です病気に関しては比較的耐久性があるため、特に気にしておくものはありません。ただ、植え替えの時などにバルブを傷つけると、それが原因で腐ることがあります。これは株分けの時に特に気を付けておきたいポイントです。

また、害虫に関しても強いため、深刻なものはほとんどありませんですが、春先にはアブラムシが発生し、汁を吸うことでカランセの栄養分を吸い取ってしまいますので、放置しておくと弱ってしまいます。大量発生すると枯れてしまうこともありますので、

アブラムシを見つけた時には専用の駆除剤などを使って除去しましょう。また、落葉が始まったら枯葉をこまめに取り除いて、根元付近が多湿になったり腐ることがないように管理しておくと、常に風通しの良い状態を維持できますので成長しやすくなります。

カランセの歴史

カランセはラン科エビネ属の多年草です。日本が原産地となっているエビネ属の花もありますが、熱帯原産のものを特にカランセとよんでいますので、日本のエビネとは異なっています。この名前はギリシャ語で美しいという意味のカロスと花という意味のアンソスを組み合わせたもので、

古くからその美しさが高く評価されていたことがわかります。この花は東南アジアを中心に、世界中の熱帯・亜熱帯地方に150種類近くが分布しています。美しい花を咲かせることから観賞用として注目を集めており、19世紀末から20世紀前半にかけていろいろな品種が作られましたが、

カランセがランの人工交配に初めて成功しています。寒さには弱いため、原産地以外のところで栽培するときには、温室などを利用して冬の冷気から守るようにします。日本は温暖湿潤気候で四季がはっきりしているため、冬の間に枯死してしまうことが多く、

日本に流入している洋ランの中でも、国内での流通量が非常に少なくなっています。落葉種の基本といわれているカランセ・ベスティタは明治時代末ごろに日本に渡来したといわれていますが、寒さに弱い性質は変化していませんので主に植物園などの

温室で育てられています。栽培用の苗や開花しているものを観賞用に販売しているところもありますが、上手に増やすことができるかどうかは国内で栽培する地域の環境と、かなり上級者の部類に入る園芸の技術があっても確実とはいえません。

カランセの特徴

カランセの特徴は、熱帯原産であることから寒さに弱いという性質です。この花は落葉性のものですので、寒くなると葉をすべて落として冬の間はバルブのみの姿になります。日本の場合には、室内で冬を越さなければ寒さで枯死してしまいますので、

鉢植えが基本です。逆に、暑さには強いため、夏場は比較的管理が容易で、一般的な春咲きの花とは異なります。カランセの草丈は、葉がない時期で15cmほどしか成長しませんが、葉がある時期には60cm~1m程度まで伸びます。花茎は冬から春にかけて、

新しくできたバルブの基部から成長し、開花します。花茎は細かい産毛が生えており、花は花茎の先端に30~30輪ほど咲きます。色は赤やピンク、白などが多いですが、近年では交配種が増えてきたため、花が大きくなり、色彩も鮮やかで種類豊富になっています。

もともとの花は小ぶりであり、シャープな形の花弁で可憐な姿をしています。開花は12~3月にかけて行われ、春から秋にかけて大きい葉を広げていきます。葉は3~5枚程度で広い披針形をしており、柔らかく、縦の葉脈に沿って襞があります。

秋から冬にかけてはこの葉もすべて枯れ落ちていき、冬を越す準備に入りますが、熱帯地方の冬を想定していますので日本の冬には対応しきれません。育て方が難しく室内に保管していても弱ることがありますが、数年間栽培することができればバルブが増えてきて、株分けで増やすことも可能です。

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