イタリアンパセリの育て方

イタリアンパセリの育て方

パセリはヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸が原産のハーブです。学術名の「ペトロセリウム」は、生息地を砂礫地としたことに由来します。その歴史は古く、すでに紀元前から古代エジプトで香味野菜あるいは薬用・歯磨き用として用いられてきました。

イタリアンパセリの種付け

イタリアンパセリは、水はけが良く栄養豊富な土が栽培に適しています。植え付け予定地にはあらかじめ堆肥か腐葉土を十分に入れておきます。日当たりの良い場所を好みますが、乾燥に弱いので水切れしないように注意します。あまり日に当たり過ぎると、葉が固くなってしまいます。

家庭で一度に使う量は僅かですが、できるだけ長い時間、新鮮なものを収穫していきたいハーブですので、プランターや鉢に植え、身近な所で栽培するのも良いでしょう。半耐寒性の二年草ですので、種付けの時期は春が良いでしょう。秋蒔きの場合は夏の終わり頃に蒔くようにします。

冬を越し、翌年の初夏に花を咲かせ実をつけて枯れますので、いずれの場合にも翌春には新しく蒔きなおします。発芽には2?3週間かかります。20℃前後が発芽適温です。発芽に光が必要ですので、育苗箱に種が重ならないように蒔き、土はごく薄くかける程度にします。発芽して双葉が開いたら間引きをします。

育ちの良いものを残し、元気のないものを間引きましょう。本葉が4?5枚になったところで再び間引きをします。苗が育ってきたら、1?2度植えかえをして株間30センチくらいにして定植します。根が切れてしまうと根付きにくくなる性質があるので植え替えは慎重に行います。発芽までは乾燥しないように水やりをしましょう。

初期成長が遅いので、市販の苗を購入して植え付ける方法が手軽で良いかもしれません。その際には、あまり大きくなっていない苗を選びます。鉢底にネットを敷き、石を敷きつめ水はけをよくしてやります。

その上に、栄養豊富な培養土を入れ穴を掘り苗を入れて土をよせ、軽く押さえます。複数植える場合は株間が15センチくらいになるように植えます。だいたい2?3株が目安です。植え終わったら鉢底から流れ出るくらい十分に水やりをします。

イタリアンパセリの育て方

定植後2週間ほど経ったら追肥をします。その後は1ヶ月に1回ほど追肥をします。夏の高温や乾燥にあうと、下葉から黄色く変色し枯れてしまいます。プランターで栽培しているのであれば涼しい場所へと移動させます。根元に腐葉土やワラなどを敷いて水分の蒸発を防いでやると丈夫に育ちます。

寒さには強く屋外での冬越しも出来ますが、乾燥した風が吹きつけるような場所は避けましょう。氷点下まで気温が下がるような所では屋内に移動させて下さい。冬は追肥の必要はありません。土が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。

植え付けから1ヶ月程度で根付きます。本葉が10枚程になったら収穫できます。外側の下葉から順に収穫していきます。あまり摘みすぎると株が弱ってしまうので、一株あたり常に10枚程度の葉は残してやるようにします。

枝が増えすぎるのも良くないので適宜収穫しながら育てていきます。葉をつけ根から切り取ると株元から新芽が出て、柔らかい葉が収穫できます。大きく育つと茎は多少固くなりますが、葉を摘んで使用するには差し支えありません。

夏になると根元から花茎が伸び花が咲き、種がつき枯れていきます。葉の利用が目的であれば、花茎が伸び次第株元から切るようにすると長持ちします。上手く管理すれば通年収穫することが出来ます。

イタリアンパセリの病虫害

イタリアンパセリは虫がつきにくいハーブでもありますが、花が咲く頃になるとアブラムシやキアゲハ、蛾の幼虫などの食害にあうことがあります。葉を利用するものですので、出来るだけ防虫剤を使わずにこまめに取り除くようにします。

チョウや蛾の成虫の飛来を見かけたら、防虫ネットをかぶせ卵の付着を予防するのも良いでしょう。土の水分が過剰だと苗が根元から腐る軟腐病にかかることがあるので、水はけの良い土で育てることが大切です。

また、イタリアンパセリは連作を嫌うので、プランターで続けて栽培する場合には土を替えるようにします。パセリに限らず、害虫や病気が発生する時には土に問題があることが多いものです。適度な水やり、追肥を心がけ風通しの良い環境で栽培しましょう。

イタリアンパセリを続けて楽しむ

イタリアンパセリは気候や地質にあまり左右されない、比較的育てやすいハーブですし、身近にあると大変重宝します。翌春に再び種を蒔き、イタリアンパセリを楽しみ続ける為に、種を収穫することが出来ます。放射状の小花が咲いた後、受粉に成功すると着果し、花の根元の子房がふくらんできます。

自然界では、ミツバチなどの昆虫が媒体となって受粉を行ってくれますが、高所のベランダでのプランター栽培でそれが期待出来ない時には、綿棒などを使って自分で簡単に人工授粉することが出来ます。種が成熟してくると茶色になってきます。

水やりを控えてよく乾燥させてから採種しましょう。そのままにしておいても、種が落ち次の季節に自然と芽を出してくれるでしょう。私たちにとって身近で有益なイタリアンパセリを、楽しみながら続けて栽培していきましょう。

イタリアンパセリの歴史

パセリはヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸が原産のハーブです。学術名の「ペトロセリウム」は、生息地を砂礫地としたことに由来します。その歴史は古く、すでに紀元前から古代エジプトで香味野菜あるいは薬用・歯磨き用として用いられてきました。

古代ギリシアやローマでは家畜の餌として、時には儀式用にと幅広く使われてきました。消化を助け、悪酔いを防ぎ、食べ物の匂いをやわらげる為に、ガーランドにしてテーブルに飾られることもあったといいます。

9世紀に入るとフランスへ、次いでイギリスやドイツへと広まり、ヨーロッパ全土で栽培されるようになったのは17世紀頃のことです。その後ヨーロッパからの移民によってアメリカにももたらされました。

日本には18世紀末、オランダから長崎の出島に持ち込まれました。その為「オランダ芹」「オランダみつば」と呼ばれました。貝原益軒の「大和本草」(1709)の芹の項にもその名が記されています。

本格的に栽培されるようになったのは明治から大正時代にかけてですが、一般的に日本でパセリと呼ばれているものはモスカールド種という縮れた葉の丸みを帯びたもので、イタリアンパセリとは異なります。モスカールドパセリは固く口当たりが良くないことから、現在までパセリはほとんどが料理の彩りとして添えられ、食用とはみなされていません。

イタリアンパセリの特徴

日本でパセリと呼ばれているものと比べ、葉が平たく、風味が柔らかいのが特徴です。原種により近いとされ、ヨーロッパではこちらが一般的です。苦味も少なく歯ざわりが良いので、イタリア料理やフランス料理では生でサラダに用いられたり、ちぎってドレッシングに加えられることが多くあります。

またスープや炒め物、揚げ物など様々な料理と相性が良く香り付けに活躍します。葉がみずみずしい緑色をした新鮮なものは、水分を含ませた紙に包んで野菜庫に立てて保存します。数日経つと香りが薄れてくるので早めに使用します。まとめて収穫したものは、乾燥させ揉み砕いて保存しておくとスパイスとして手軽に使うことが出来ます。

ビタミンA、B、C、カルシウム、鉄分、ミネラルやクロロフィルを豊富に含む栄養価の高い野菜でもあります。特に非常に多くのビタミンKを含んでいます。ビタミンKはカルシウムを骨に定着させたり、血液を固める成分の合成にも関わっています。

どんな料理にも使いやすいので積極的に食べたい野菜の一つです。キッチンハーブとしても育てやすく、初めて育てるハーブに適していると言えます。パセリの独特の香りはアピオールなどの精油成分によるもので、殺菌効果があるので口臭対策、肌荒れ対策にもなりますし、浸出液はケガや虫刺されの消毒にも使えます。その他、利尿効果、生理痛、リウマチ、貧血などに効果が期待できます。

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