オヤマリンドウの育て方
育てる環境について
オヤマリンドウの育て方でありますが、切り花として楽しむ以外でありましても、育てる環境については植木鉢などを用いましても栽培することができます。ただしオヤマリンドウは標高の高い山が生息地である為、暑い夏の時期では可能な限り涼しい環境で育てることが重要になります。その場合では、栽培に用いる植木鉢などに着目することも対策の一つであり、例えば断熱鉢を利用することも効果的です。
この断熱鉢は、水が液体から気体になる際に熱を奪う原理を利用した植木鉢で、その冷却効果のおかげで植木鉢の内側の温度を低温にすることができます。この為、オヤマリンドウなどの高山に生える植物にも、適した環境を再現することに役立てられます。その素材は水を良く吸収したり、良く水を蒸発させる効果を備えていることが多く、
平野部などで高山に生息する植物を育てる場合では、欠かせないアイテムの一つになります。また、現在では断熱鉢を内鉢として、それを入れることができる外鉢も販売されています。商品によりましては、発泡スチロールなどでできている場合もあります。その鉢で内鉢を覆うことで二重鉢になり、水冷鉢として、より一層冷却効果が望めるようになります。
これらの便利な商品は園芸用品店や、インターネット通販でも入手することができます。また、自作する場合では内鉢は素焼きタイプの方が良く、より気化熱の効果を期待できます。高山植物であるオヤマリンドウを栽培する場合では育てる環境について、このような点に留意することも大切です。
種付けや水やり、肥料について
オヤマリンドウの種付けや水やり、肥料についてでありますが、鉢植えの場合でありますと、用土は水はけが良好な土を準備すると良いでしょう。そして三月の始め頃に種を植え付けます。一、二か月程致しますと発芽することが一般的ですが、芽が出てくる頃は可能な限り日当りの良い場所に置いて栽培することが理想的です。
太陽の光りをしっかりと浴びますと茎や葉も丈夫になり、良い株に育ってくれます。また、水やりは土の上が乾きましたら、水を与えるように致しましょう。この植物は根の部分が乾燥することは避けた方が良い種類であります。その為、芽が出始める時期から花が咲き終わる頃までは乾燥させないように注意し、土の表面部分が乾きましたら十分に水やりを行います。
気を付けるべき時期はやはり暑い夏の季節ですので、猛暑の頃は土の乾きには特に注意する必要があります。根の部分での水分が不足致しますと、根自体の乾燥が進み、深刻な影響が出てしまいます。その為、水切れには十分気を付けることがポイントになります。しかしながら水を与え過ぎましても良くありませんので、そのバランスが大切です。
また、水やりの時は葉や花の部分には水がかからないようにすることも大切ですから、土の根の部分に優しく水を与えていくことが肝心です。一方、肥料についてはそれ程与えなくても良い品種でもあります。仮に与える場合でありますと、液体の肥料などを春から梅雨の時期まで間に、月二回までの間隔までなら与えても良いでしょう。
増やし方や害虫について
オヤマリンドウの増やし方や害虫についてでありますが、増やし方はさし芽や株分けなどで行うことができます。さし芽を行う場合では、茎先から五センチや八センチ程の部分でカットして、土に挿し入れます。その際、土の中に入れる茎の個所に生えている下の葉は不要ですので、下側の二、三センチまでの葉は全て切り取っておきます。
さし芽をした後は水を十分に与えてから、日陰で栽培していきます。さし芽を行う場合では四月の終わり頃や、五月や六月が適した時期になります。また、乾燥に気を付けて栽培致します。その他、株分けで増やす場合でありますと、時期はさし芽よりも少し前の時期が望ましく、大概三月から四月が最適になります。
株分けの方法は植木鉢などから抜いた後、それを割り裂いてから植木鉢などに入れて植えます。もしも傷みが生じている根がある場合では、その部分を取り払っておきます。オヤマリンドウはかなり根が成長致しますので、育て始めてから一、二年経過している場合では、株分けをするか、大きな植木鉢に入れ替えた方が根づまりを防ぐことができます。
そして害虫についてでありますが、オヤマリンドウではアブラムシがつく場合があります。アブラムシがつきますと茎や新芽など、養分を吸い取られてしまいますので、市販の駆除剤などを用いて適切に排除することが肝要です。また、風通りが良好でない場合ではアブラムシが発生することがある為、駆除した後は風通りが良い場所に置いて育てることも害虫対策になります。
オヤマリンドウの歴史
オヤマリンドウは日本の固有の種類でありますので、日本が原産地になります。またオヤマリンドウはリンドウ科のリンドウ属の植物であり、数多く存在するリンドウの一つです。しかし生える場所が亜高山や高山などの山々が主な生息地である為、「御山」に生息することから、オヤマリンドウと名付けられた歴史があります。
生息地域は本州では中部地方から東北地方の南部であり、四国では石鎚山などがあります。またオヤマリンドウの歴史では、薬として利用されてきた歴史もあります。これはリンドウの名前の由来にも関連するもので、リンドウは漢字で書きますと「竜胆」という字になります。
これは複数の根を伸ばして肥大した根茎を生薬として用いる際、その味が極めて苦いことが由縁しているとされています。漢方には同じく苦みの強い「熊胆」という生薬がありましたが、その苦みに勝るとも劣らない苦みがあったことから、熊を超える存在として竜の名が与えられ、竜の胆という意味で「竜胆(りゅうたん)」と名付けられたとされています。
また、日本でも古来より薬として用いられており、930年代に作られた書物とされる「和名類聚抄」という辞書にも、薬草としてその名が記されており、日本の歴史にも刻まれております。更に欧州でもリンドウ科の植物は薬草として用いられた経緯を持っています。このようにリンドウ科の植物は中国の漢方を始め、日本や欧州でも遥か昔の時代から薬として活用されてきた歴史があります。
オヤマリンドウの特徴
オヤマリンドウの特徴は名前の由来にもなっておりますように、ある程度標高の高い亜高山や高山に咲くことが大きな特徴です。そして花の特徴でありますが、色はブルーが強い濃い紫色をしており、伸びた茎の先端部などに芽を出して開花させます。また、花の大きさは二センチから四センチ程であり、基本的に上を向いて咲きます。
しかし花びら自体は他の植物の花のように大きく開くことはなく、殆どすぼんだ状態のままで開花することが、この植物の特徴です。また、葉は細長く先端が鋭角に尖った形状を持ち、十から二十程の葉が対になった状態で生えています。茎は比較的丈夫であり、草丈も高さがあることから、切り花として用いられることも多くあります。
その全体的な草丈の大きさは、二十センチから六十センチ程が一般的となっています。そして分類と致しましては多年草でありますので、地上から上に出ている部分は枯れましても、土の中の部分は生きていますから、次の時期にまた花を咲かすことができます。そして花が咲き終わった後に実る果実は、枯れた状態の花冠をまとって熟していきます。
最後は割れて開くことにより、中から種が出てくる「さく果」であることもオヤマリンドウの特徴の一つです。一方、この植物の根の部分は薬として用いられますが、とにかく味が苦いことが最大の特徴になります。薬としての効果は主に胃などを健康に対する効果があり、食欲を増進させたり、解熱作用や解毒作用にも効果があるとされています。
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