トウミョウの育て方

育てる環境について
トウミョウは簡単に育てられる野菜です。まず初めに直射日光が当たらないところで、エンドウ豆に水を吸わせます。その後暗室で育てます。暗室と言っても、上にボールを乗せる程度で構いません。暗くすることでエンドウ豆の発芽が促進されます。
もやし状に成長したら、しばらく経過を見ます。7㎝から10㎝くらいまで成長したら、もとの日の当たる状態に戻します。冬に10℃以下に冷え込むような場合は、ビニール温室に入れ、栽培器の下にシート状の保温器を敷くと、成長が早まります。
また、夏に30℃以上になる場合は、こまめに水を交換して水温が上昇しないようにします。栽培器の下に保冷剤を敷くと根ぐされを防ぐことができます。スーパーで売られているものは衛生管理が徹底しています。しかし素人が栽培すると、食中毒などのリスクが高くなります。
土を使って育てると、その土に食中毒を引き起こす病原菌などが含まれている可能性があるので、きれいな容器に水を張って育てるのがよいです。特に夏場はカビが生えてしまうことがあるので、カビ防止のために容器内の水は清潔な状態を保ちます。
そしてなるべくじめじめしていない風通しの良い場所を選びます。屋外で育てると、収穫量が増えます。しかし、天候に左右され、早く茎が固くなり食感が落ちることがあります。窓のある室内では、全体的に葉が大きく、濃い緑色をしていてバランスの取れた状態で育つので、部屋の中で育てるのがオススメです。
種付けや水やり、肥料について
トウミョウを自宅で育てる場合は、水耕栽培が最も適しています。よって特別な肥料は必要ありません。肥料水を使う育て方があり、収穫量もたくさん獲れますが、藻が発生しやすいので、慣れない人は水のみで育てる方がオススメです。トウミョウを育てるにはまずエンドウ豆を準備します。
エンドウ豆は市販で売られているトウミョウを食べた後に残るのでそれを使います。まだ発芽していないエンドウ豆がたくさんあるので、これらから確実な収穫量が期待できます。まず容器に水を張ります。この容器がトウミョウの苗床になります。
この時割りばしを両面テープでとめるなどしてかさ上げし、エンドウ豆に触れないように水を張ります。最近では、スーパーで買うものの多くにスポンジがついているので、エンドウ豆が水に浸かってしまう可能性は低いです。エンドウ豆にたっぷりと水を吸わせるために一昼夜水に浸します。
水を吸わせてから2日ほど経つと、エンドウ豆は膨張しています。ここで発芽した豆を水できれいに洗って、豆が水に当たらない程度に水位を調整し、必ず毎日水を取り替えます。1週間くらい水の交換を繰り返すと大きく成長して収穫することができます。
簡単な作業ですが、水は清潔に保つ必要があります。夏の熱い時期はコバエやカビなどの問題が生じるので、水は朝晩1回の交換を勧めます。上から水を与えるとエンドウ豆が傷んで弱くなり、発芽に悪影響が出るので、底面供給を意識します。
増やし方や害虫について
トウミョウは再生栽培が可能です。エンドウ豆から育てると時間がかかるほかに、衛生管理がさらに難しくなるので、スーパーで買ったトウミョウを土台に再生していきます。葉と茎を食べ終わったら、根を再び水に浸しておきます。すると新しい芽が伸びて1週間から10日で食べられます。
トウミョウには脇芽があります。トウミョウでは、切り落とした豆近くの茎にある脇芽を成長させる必要があります。トウミョウの根元には脇芽が2つ確認できます。葉に近い方の脇芽の下でカットすると、生育の準備が整わず時間がかかるので効率が悪くなります。
早く確実に増やすなら、葉に近い方の脇芽を残してカットする必要があります。気温などの条件が揃えば、2回まで連続して育てることができます。カットして1日から2日はあまり変化は見られません。3日から4日経つとちらほらと芽が伸び始めます。
5日目以降から急に伸びて、スーパーのものと遜色ない大きさにまで成長します。夏になると虫が出やすくなるので、水を小まめに替えるなどして防ぎます。無農薬の野菜なので安心して食べられますが、その分虫も集まります。ベランダで育てると虫を防ぐために、
ネットやビニールが必要です。室内で育てる分にはあまり気にするほどではありませんが、季節によってはトウミョウの上にかぶせる対策もとれます。虫対策の他には、カビが生えたらすぐに新しいトウミョウと取り換えるなどの衛生管理も必要です。
トウミョウの歴史
エンドウ豆の歴史は古く、紀元前7000年の頃には南西アジアで作物としての栽培が始まっていました。その痕跡はツタンカーメンの墓からも発見されており、エジプトの王族にも親しまれてきたことが分かります。そして中国がエンドウ豆の若い芽を摘んでトウミョウとして食べるようになりました。
当日は稀少野菜として、一部の高い身分の人や特別な行事でしか食べられないものでした。日本に伝わったのは1970年代の日中国交回復以降のことです。伝わってしばらくの間は、高級中華料理店でしか食べられず、一般家庭の食卓とは無縁でした。
そもそも中国では、トウミョウを畑に植えて、春に出た新芽を手摘みする栽培方法を採用していました。これにより収穫時期が限られる上に量も少なかったため、高級食材として扱われてきました。そこで日本は1990年代の半ばから植物工場で豆を発芽させて栽培するようになりました。
これによって一年中安定的に供給量を確保できるので、一般家庭のお手軽な野菜として浸透しました。2008年のリーマンショックの景気低迷から、比較的安価なトウミョウの需要はさらに伸びました。少し前までは業務用としてのみの使用でしたが、
最近は日本国内の多くの工場で生産されています。スーパーには、エンドウ豆の発芽したばかりの苗をカイワレ菜のように栽培したものや、ある程度成長した若葉を摘み取ったものがよく見られます。また自宅で栽培する人も増えました。
トウミョウの特徴
トウミョウはエンドウ豆を発芽させたもので、原産地は中央アジアから中東、地中海沿岸です。生息地は工場栽培により世界各地に広がりました。若芽を摘み取り、葉やつる、茎などを食べます。ほのかな豆の香りとシャキシャキした食感が特徴です。
くせがなく甘いので、野菜が苦手な人にも広く受け入れられています。アク抜きをする必要がないので、調理が簡単です。炒め物や鍋の具材、サラダ、スープなどに使え、料理に彩りを添えます。スプラウトのトウミョウは、ハウスや施設内で栽培されるので、
一年を通して安定して流通していることで特に旬はありません。しかし本来のトウミョウはハウスあるいは露地栽培されるものです。その場合、収穫時期が3月から5月にかけてなので、食べ頃は春と言えます。また、緑黄色野菜として栄養価が非常に高いのも特徴です。
βカロチンがホウレン草より多く含まれており、抗発ガン作用や動脈硬化の予防が期待できます。ビタミンB群がとても豊富で、ビタミンB群は新陳代謝を促進すると言われています。またカルシウムを骨に定着させたり、血液を凝固させたりするのに欠かせないビタミンKも豊富です。
トウミョウに含まれている葉酸も、DNAの合成や調整に深く関わっていて、胎児の成長に必要なので妊婦の積極的な摂取が望まれています。このように可食部の栄養価が高いトウミョウですが育て方は簡単で、スーパーで購入しなくても自宅で栽培できる野菜として知られています。
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