トウモロコシ(スイートコーン)の育て方
トウモロコシの育てる環境について
夏になると家庭菜園などでトウモロコシを育てている家が多く在ります。自分も同じように育てたい、獲りたてのトウモロコシを食べたいと感じる人も多いものです。因みに、獲りたてのトウモロコシはそのままでも食べることが出来ると言いますが、これはみずみずしさが在る事や、粒は果実と言う事からも果物感覚で食べることが出来るのです。
尚、トウモロコシを育てる環境の中でも裁判適温は25度から30度になります。そのため、気温が安定する時期が種まきの時期となりますが、寒冷地などでは直まきで5月の半ばから6月の半ば、暖地では直まきで4月の初旬から5月の中旬頃、中間地では直巻きの場合は4月の半ばから6月の初旬頃、ポットまきの場合は3月の下旬から4月の中旬頃に種まきを行います。
尚、トウモロコシは強光線や乾燥気味の環境にすることで、肥料の吸収力を高め立派に成長してくれます。そのため、日当たりや水はけが良い環境に種をまいてあげる事や、元肥を沢山施しておくことで成長も早くなります。また、土壌酸度の範囲と言うのはph5.5~ph8.0となっており、他の野菜と比べると範囲が広いのが特徴でもあり、育てやすい野菜であるとも言えます。
因みに、トウモロコシには幾つかの種類が在りますが、甘みが多いのがスイートコーンであり甘味種と言います。これ以外にも、フリントコーンと呼ばれる硬実種、爆裂種はポップコーンに利用される品種です。また、飼料に利用するのがデントコーンであり、野菜として利用するのはスイートコーンとなる甘味種となります。
トウモロコシの種付けや水やり、肥料について
種まきは栽培を行う地域により異なりますが、一般的には気温が安定して来る4月の下旬頃から5月下旬頃に行います。種まきをする場所は、日当たりが良く、通気性や水はけが良い場所を選びます。また、これらの条件が揃っているのであればどこでも栽培が出来るという便利さや手軽さが在りますし、初心者でも育てやすい野菜です。
また、野菜の中には連作被害を持つものもあり、同じ場所に1年や2年作付けが出来ないものも有りますが、トウモロコシにおいては毎年同じ場所に作付けが出来たり、前作も野菜を栽培していた場所での作付けは可能です。尚、種まきをする2週間前に1㎡あたり堆肥を2kgと、粒状肥料を350gまいて、良く土と混ぜ合わせて土づくりを行っておきます。
トウモロコシは背丈が高くなる野菜ですので、他の野菜と併せて栽培する場合には日当たりを考えて作付けを行うなどの育て方のコツが在ります。トウモロコシの実りを良くするためにも、種をまくときには2列の状態で種をまいてあげる事、株の間を30cmほど開けて、そこにまき穴を開けてあげてから、1つの穴に3粒ずつ種をまいていきます。
発芽をして、草丈が10㎝ほどになったら2本に間引きをしていきます。また、この時根元部分に寄せ土を行います。草丈が20㎝になった時点で、残りの1本を間引きをしておきます。尚、土が乾燥をしてしまうと実の肥大が悪くなるため、乾燥した時には水をたっぷりあげます。
トウモロコシの増やし方や害虫について
トウモロコシは草丈が大きくなる野菜ですので、株間30センチほどにしてあげるのがコツです。あまり近づけすぎてしまうと太陽の光が葉などで遮られてしまい、成長に悪影響を与えるので注意が必要です。また、種をまく時には1つの穴に3粒の種をまいてあげますが、発芽して草丈10㎝の時に2本に、草丈が20㎝の時に1本にそれぞれ間引きをするのがコツです。
また、間引きをした後は根元に土寄せを行って、1000倍に薄めた液体肥料を1週間に1~2回まいてあげ、更に追肥をしてあげます。これは水やりの代わりにもなりますが、土の状態を見て乾燥をしてあげる時はたっぷりと水まきをしてあげます。尚、草丈が50㎝ほどになったら株元部分よりわき芽が発生しますが、追肥を行って株が倒れないように土寄せを行っておきます。
因みに、わき芽は取り除くのが一般的でしたが、わき芽を取り除くことで株が倒れやすくなることからもそのままにしておくケースも多く、寧ろわき芽は取り除かずにそのままにしておいてもかまいません。その分、追肥や水をたっぷりとあげて成長を促してあげます。トウモロコシは他の野菜と同じくアブラムシがついてきます。
アブラムシは育成を妨げてしまうので、見つけた段階で殺虫剤、食品成分を利用している殺虫殺菌剤や天然ヤシ油を利用している殺虫殺菌剤などを利用して退治します。また、若い実を食害するという、アワノメイガも要注意です。殺虫剤を利用して株全体に散布するか、葉のつけ根に薬剤がのるようにして散布しておきます。
トウモロコシ(スイートコーン)の歴史
トウモロコシは夏になるとお店の店先に登場する夏を代表する野菜です。蒸かして食べたり、焼きトウモロコシで食べたり、つぶだけを取ってスープの具材として食べるなど、色々な食べ方が出来ますし、スイートコーンとも呼ばれている事からも甘みが増したものも多く在り、子供から大人まで人気が高い夏の野菜と言えます。
トウモロコシはアメリカが原産の野菜であり、現在でもアメリカは全世界の中から見ても生産量は世界一となっています。しかし、中国、ブラジル、メキシコ、インドネシア、インド、フランス、アルゼンチン、南アフリカ、ウクライナと言った国々でも生産が行われており、その生息地は数多くの国々と言えます。
また、日本においても北海道などの北の大地から千葉県、茨城県、群馬県、長野県などでも多くの栽培が行われています。トウモロコシは紀元前5000年の時代には大規模な栽培が行われていたと言います。また、全世界に伝わる切っ掛けとなったのがアメリカ大陸の発見の時であり、
1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、カリブ人が栽培をしていたトウモロコシを持ち帰りヨーロッパに伝わったと言います。16世紀半ば頃になると、地中海沿岸一帯に広まり、16世紀末頃になると、イギリスや東ヨーロッパと言ったエリアに広まり、ヨーロッパ全土に栽培が拡大して行ったと言います。
日本に伝わったのは1579年の時代であり、ポルトガル人が長崎などに持ち込んだものや、明治の初期頃にアメリカから北海道にスイートコーンやデントコーンなどが導入されたと言います。
トウモロコシ(スイートコーン)の特徴
トウモロコシの生産量の4割はアメリカであり、日本の中での生産量は極僅かだと言います。そのため、国内においての輸入量はとても多く、飼料、澱粉、油脂原料などの加工用としてアメリカなどの国々から輸入に頼っています。
因みに、トウモロコシは数多くのつぶを持つ野菜でもあり、甘みが強いものなどをスイートコーンと呼んでいますが、人間が食べるのは粒の部分であり、粒以外の芯となる部分は軸もしくはコブと言います。
一般的に、トウモロコシの軸部分は食べ終えると捨てるのですが、加工品として利用する場合等では軸部分は合成樹脂材料のフルフラール、フルフリルアルコール、甘味料として利用されるキシリトールと言った原料になると言います。
また、粉砕した粉と言うのは、きのこを栽培する時の材料、建材原料や研磨材な度でも利用されていると言います。茎や葉などにおいても、堆肥の材料に利用されたり、そのまま放置しておくことで枯れるため、それを断裁してから肥料としてりようするなどの近い道も有ると言います。
尚、成長する事でヒゲのようなものが大量に出て来ますが、このヒゲはめしべの花柱であり、南蛮毛と呼ばれる生薬として使われており、有効成分のカリウムには利尿作用が在ると言います。
このように、トウモロコシは粒となる果実、軸、茎や葉、そしてヒゲとなる花柱など全ての部分を利用出来る野菜であり、人が食べる粒以外にも様々な使い道が在る野菜と言う特徴を持ちます。
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