カラスノエンドウの育て方

育てる環境について
カラスノエンドウは雑草として取り扱われてしまうことが多いので、庭で栽培するときは近隣の敷地に広がっていかないように注意しましょう。とくに畑や空き地が近隣にあると、はぜた種子が飛散していく可能性が高いです。日当たりの良い場所で繁殖しやすいので、日当たりの加減を調整することで繁殖を抑制することも可能です。
日当たりを抑制するための工夫としては、生垣用の庭木を植えたり、土の表面が日陰になるように低木を植えることです。隣接する敷地との境界に、生垣や低木を植えておくと、カラスノエンドウが生え広がっていきにくくなります。さやが黒くなったときに、見栄えが悪いと感じられることがありますので、赤や紫色の小さな花が咲き終わった頃に刈り取ってしまうのも良い方法です。
刈り取ってしまうことで、種子の拡散を予防できます。さやを緑色の若い状態で収穫しておいても、種子ができますので、乾燥させておくのも良いでしょう。刈り取った状態のまま、土の表面に寝かせておくと、そこから秋に発芽することもありますので、くれぐれも繁殖させても良い場所かどうかを考えながら取り扱うようにしましょう。
耐寒性は高くて、秋に発芽したまま越冬します。耐暑性も高くて、枯れて絶えてしまうことがありません。害虫忌避効果の得られる薬剤などを散布しておくと、鮮やかで美しい緑のじゅうたんのように栽培することも可能です。食用にもなるハーブの一種として考えて栽培するのも良いでしょう。
種付けや水やり、肥料について
カラスノエンドウは自然の雨水だけで、充分に生育できます。水やりの必要は、基本的にありません。ただし鉢植えやプランターで栽培を楽しみたい場合は、乾燥しすぎに注意しましょう。繁殖力が高いので、成長するにつれて葉も増えて、光合成も盛んに行います。水分も多く必要とするため、地中に含まれている水分がなくなってしまうと、茎や葉が乾燥し、しなびてしまいます。
しなびたなと感じたら、水やりをすることで復活させられます。肥料を与える必要は、基本的にありません。ハーブのように栽培して、赤や紫色の小さな花を観賞したいときには、お米のとぎ汁を撒いておくと効果的です。粒状の化成肥料よりも、液体肥料のほうが栄養吸収の効率が良いため、花を長持ちさせる効果が大きいです。
液体肥料を薄めて散布するのも良いでしょう。花が咲き、実がつきますので、かなりの土の栄養分が吸収されてしまいます。カラスノエンドウのためというよりも、土壌そのものを痩せさせないために肥料を与えるようにするのが理想的です。春に伸びた長い茎と葉は緑色で美しく、
赤や紫色の小さな花も多く咲いて美しいのですが、実が熟してくると黒くなってしまいます。黒くなったタイミング、もしくは花を楽しんだタイミングで刈り取って、ドライハーブのように乾燥させておくことで種子を収穫しやすくなります。種子を蒔く時は、土壌を選ばず、近隣の敷地に広がって被害を及ばさないように配慮しましょう。
増やし方や害虫について
カラスノエンドウは、簡単に増やせます。たとえ狭い空間であっても、一度生えてしまうと、そこから自然に広がっていきます。他の雑草を繁殖させたくないときに、カラスノエンドウを利用して繁殖させることは容易です。すでに生息している茎を刈り取って、生やしたいと考えている場所の土に放置しておくだけで、秋には新しく発芽してきます。
気をつけたいのは害虫です。蝶や蛾の幼虫が生息し、繁殖してしまうことがあります。他の庭木や観葉植物に付きやすい虫が、風で飛んできて付着してしまうと、そのまま葉を食べてしまいます。蛾の幼虫は葉を食べるだけでなく、排出物として糞を残していきますので、糞が自然に分解されようとする過程でカビが発生したり繁殖したりして、衛生的に問題となる場合もあります。
食用の酢や、リンゴ酢を希釈して葉全体に散布しておくと、虫の予防効果があります。繁殖力が強すぎるため、日当たりの良い場所では密集して生育します。密集してしまうと、風通しが悪くなってしまいます。適切に刈り取るなどの対応をすることで、風通しの良い環境を維持しやすく、とても衛生的です。
新緑と開花が美しい季節だけ鑑賞を楽しむのも、ひとつの栽培方法です。刈り取ったものは日陰で乾燥させて種子を採取しても良いですし、処分してもかまいません。刈り取ったのと同じ場所で、また鑑賞を楽しみたいときには、刈り取ったままの状態でも乾燥してからの状態でも、生やしたい場所の土に埋めて、混ぜ合わせておくと良いでしょう。
カラスノエンドウの歴史
カラスノエンドウは日本各地で見られます。生息地は野原や土手など、あらゆる自然環境に存在しており、道路の道端や空き地などにも生息しています。現在では雑草のように取り扱われることが多いのですが、このように生命力が強く、繁殖力も旺盛であることが影響しています。もともとの原産は、地中海沿岸地方からアジア広域に至るまでの広くに分布しており、特に気候が温暖な地域で繁殖しています。
古くは食用にも好まれていました。カラスノエンドウはマメ科ソラマメ属の植物です。ソラマメや、さやえんどうのような実をつけます。地中海沿岸地方の温帯地域では、農耕作物として麦と同様に栽培されていました。地中海沿岸地方の考古学資料としても登場し、人間の食用作物として栽培されていたことが知られています。
カラスノエンドウという名前にもあるように、エンドウ豆に似ています。また、同じような仲間には、スズメノエンドウもあるのですが、スズメは小さなと言う意味の代名詞として使われる言葉であり、カラスというのはスズメよりも大きいという意味の代名詞として使われる言葉です。
なお、欧米の牧草地に見られるオオヤハズエンドウも同じ仲間として知られています。カラスノエンドウの和名はヤハズエンドウです。飢えをしのぐための野草としても活用されてきました。野原や土手や道路の道端や空き地、あるいは堤防の隅など、さまざまな環境で生息できるので、見つけやすい野草のひとつであり、育て方も容易です。
カラスノエンドウの特徴
カラスノエンドウの最大の特徴は、つる性だという点です。つる性なのですが、ツタのように伸びるわけではなく、むしろ面積を広げながら平らに繁殖していきます。発芽は秋で、越冬して春に背丈を伸ばします。高津は60センチメートルから1メートルにまで達することがあります。巻きひげのようなものが茎から出て、互いに絡み合いながら成長していくのが特徴です。
茎は直立しますので、互いに絡み合いながら大きく伸びていくものの、茎が木のようには硬くなりませんので、自分自身の重さで、ゆっくりと下がっていきます。地面を這うように伸びていきますので、平地であれば地表を覆いつくすような勢いで成長して広がります。雑草として取り扱われることが多いのも、このような繁殖形態によるものが大きく影響しており、
空き地で発生すると、あっというまに一面が覆いつくされてしまいます。日当たりの良い場所を好む傾向があるため、高い樹木がある下や、半日陰のような環境では、ゆっくりとした生育です。突然、カラスノエンドウを植えていない庭でも繁殖することもありますが、低木や生垣などの庭木が植えてあると、繁殖力は抑制される傾向にあります。
春から初夏にかけて、開花します。花は赤や紫色をしており、小さいのが特徴です。花が咲き終わると、さやが実りますが、さやは黒くなってしまうのが特徴です。食用にされているのは、さやが緑色で若い状態のときです。さやが黒くなると実がついてきた証拠です。自然に、はぜて、種子が飛び散っていきます。飛び散るときは、とても勢いが良いのも特徴です。
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