ニラの育て方
ニラの育てる環境について
ニラの育て方は、日当りと水はけのよい場所を好みます。生育適温は20度ですが、暑さに強く春から夏にかけて生育します。生育中は盛んに株が分げつするので1年間に何度も収穫か可能です。苗の植え付けは5〜6月で、収穫は植え付けの2ヶ月後以降から可能になります。
一度植えると4〜5年は収穫できます。ニラの花芽分化は他のネギ類とは異なり、高温と長日条件で始まります。開花は7〜8月ですが株を疲労さえず長く収穫するために花茎は摘み取ります。連作障害は少ないのですが、1〜2年はあけた方が生育はよくなります。
蕾がついたら開花前に切り取って、株を疲労さえないように工夫します。収穫は株元3〜4cmを残して刈り取ります。収穫後にお礼肥を与えて葉の再生を促します。また冬超し前に堆肥をたっぷりと与えます。種皮がかたく吸収しにくため、発芽まで乾燥しないように注意します。
10cm〜15cm間隔を目安にスジまきして、発芽後は株間は1〜2cmになるよう間引きます。苗の様子をみながら、ときどき薄い夜肥などを与えます。春まいは初夏、秋まきは翌春にうね幅50cm、株間20cmで1ヶ所に5株程度まとめて深植えにならないように植えつけます。
冬は地上部が枯れますが、根株で越冬して春になると萌芽します。収穫後に追肥で年に3〜5回は収穫可能になります。夏は株元に敷き藁をして乾燥を防ぎ、3〜4年で株が大きくなるため、根を切らないように掘って3本ずつに株分けします。
ニラの種付けや水やり、肥料について
種から育てる時は3〜4月の春まきにします。9cmのポリポットに培養土を入れて、表土の中央にペットボトルのキャップなどで押して、深さ1cmのまく穴をつけます。その穴に種を10〜15粒程度まいて土をかぶせて、たっぷりと水を与えます。
発芽して草丈が5〜6cmに成長したら、小さいものは間引き、1ポットで7本の苗を残して育てます。ポットの土が乾いたらたっぷりと水を与えます。追肥は1週間に1回、液体肥料を種類によって300倍〜500倍に薄めて与えます。
種まきから80日〜90日ほどで植えつけられるので、植えつけは6月下旬〜7月になります。苗の植えつけは、5月中旬〜6月中旬です。日当りと水はけの良い場所で、植えつけの2週間前までに苦土石灰を畑全体に散布して、よく耕します。植えつけの1週間前には畝幅60cmとって、
畝の中央に深さ20cmの溝を掘り、堆肥と肥料を施し土を戻し周囲から土を盛り上げて高さ10cmの平畝を建てます。株の間を30cmとって植え穴を掘り、ジョウロでたっぷり水を与えます。水が引いたら植え穴に苗を4〜5本まとめて、土をかぶせて株元を軽く手で押さえて、
苗の植えつけをした後でもたっぷり水を与えます。乾燥が激しい場合は、たっぷり水を与えることを忘れてはいけません。植えつけの2ヶ月後に収穫します。収穫したら株もとへ土寄せして、1週間ごとに液体肥料を仕様通りに薄めて追肥します。収穫のたびにこれを繰り返すと何回も収穫可能です。
ニラの増やし方や害虫について
ニラの増やし方は、多年草のため一度植えると何年も収穫が可能です。生命力がとても強く丈夫なため、少々放置しても成長します。種から育てることは可能ですが、種から育てる場合は収穫までに1〜2年の期間が必要になります。すぐに収穫したい場合には苗を植えつけることが良い方法です。
2〜3年株分けしないと株が密生して小さな根茎になり葉の幅が狭いニラになり、肉厚で幅広の良いものができません。株が増えてきたら株分けして増やすことが可能です。株分けに良い時期は、葉が枯れて休眠状態に入っている冬です。冬は根に栄養が十分に与えられていて、
断根や分割などの作業をしても傷みが少ないのです。株根を掘り起こして、分けた株を3〜4本ずつまとめて植えます。植えつけ間隔は、苗を育てて植える場合でも、株分けをして植える場合も株の間隔は20cm程度が適当です。根は長く沢山密集しているため掘り起こすは大変で根気のいる株分け作業ですが、
株分けをすることで美味しいニラに成長し、さらに追肥と水やりをすることで、殆ど放置しても育つほど生命力が強いため大変育てやすいのです。害虫はあまりつかず育てやすいのですが、いくつかの病害虫は考えられます。オレンジ色でやや膨らんだ小さな斑点がでたらさび病、
新芽につきやすいアブラムシ、根部を加害するネダニなどです。さび病が出たら有機農産物栽培に使用できる殺菌剤を散布します。アブラムシには食品成分を使用した殺虫殺菌剤などで退治します。ネダニの予防には苗を植えつけた直後に専用の殺虫剤を株元に散布します。
ニラの歴史
東アジア原産で、中国西部から東アジアにかけての地域が生息地と考えられます。中国では紀元前から栽培されており、モンゴル、インド、ベトナム、日本など広範囲で古くから栽培されていましたが、ヨーロッパではニラは好まれず殆ど栽培されなかったのです。
日本では弥生時代に中国から伝来されて栽培されており古事記にも記載があります。古事記には賀美良という名前で登場し、平安時代の本草和名とく薬物辞典には韮の和名は古美良と記されています。現在のニラという名称は「みら」が変化したものです。
この他にも万葉集などにも名前がでてくるなど、古くから日本では親しまれています。ニラは長い期間、薬草として食べられており、野菜として栽培されるのようになったのは明治時代になってからです。ニラは丈夫で作りやすく、刈り取った後の株から新しい新芽が伸び、
寒い地方では体が温まり、精力がつくと重宝された野菜です。戦前は家庭菜園での栽培が主流で、八百屋の店頭には並んではいません。強いニオイは現在はあまり嫌われなくなっており、北海道から沖縄まで全国的に栽培されるようになりました。東アジア各地で自生しているニラは、
中国や東南アジアでは古代から栽培されてきましたが、ヨーロッパでは現在も栽培されていまん。ニラの強いニオイのもとはねぎやタマネギと同じ硫化アリルという物質です。ビタミンB1の吸収を高めたり、肉や魚の臭みをやわらげる働きもあり、豊富に含まれるカロテンとビタミンEは油と相性が良く、炒め物にも適しています。
ニラの特徴
ニラにはβカロテンのビタミンA、ビタミンB群、C、Eなどの栄養素がバランスよく豊富に含まれていることが特徴です。ニラの独特な香りは硫化アリルという栄養成分で、ビタミンB1の吸収を高める効能があります。ビタミンB群が多い食品には牛肉や豚肉があり、ニラの料理で代表的なレバニラ炒めは理にかなった料理です。
硫化アリルはネギなどにも含まれる栄養成分で、血液をサラサラにして血栓を防ぐ効果が期待できます。βカロチンは、皮膚や粘膜を正常に保ち、外部からのウイルスの侵入を防ぎ、免疫力を高めます。眼の網膜にある光を感じるロドプシンという物質で夜盲症の予防もできます。
ビタミンB群は、炭水化物などの糖質や脂質からエネルギーを作ったり、タンパク質を材料にして皮膚や筋肉、骨、ホルモンなどを作る栄養素です。ビタミンB群が不足した場合は、疲労感やだるさ、子供の成長障害、肌荒れ、神経障害などが起こる可能性があります。
ビタミンCは白血球の働きを活発にして免疫力を高めます。ビタミンEは血液をサラサラにして血行を良くして血栓を防ぎます。ニラは煮たり炒めたりすることで臭みは弱くなりますが、長時間の加熱調理はβカロテンが失われます。
食品や調理方法での違いはありますが、5分〜10分ゆでることで、20〜45%程度のβカロテンが減ってしまいます。調理方法は栄養分が減らない様な工夫が必要です。ニラはほぼ1年中店頭で販売されていますが、11月〜4月が栄養も多く美味しい時期です。
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