イチリンソウの育て方
育てる環境について
春の開花時期には日のあたる場所が成長を促しますが、夏ごろには落葉樹の下など半分日陰になるような場所においてあげます。夏に太陽の光に浴び過ぎると翌年に開花しないことがあるので、花が終われば移動してあげましょう。夏に近づくにつれ葉が硬くなります。
出来るだけ涼しい環境で風通しのよい環境を用意してあげます。鉢で栽培する場合は根が広がる傾向にあるので、比較的深めの鉢を用意します。冬に雪が積もると開花しない可能性がありますので、落葉樹などの落ち葉で凍結を防いであげます。自生している環境は比較的湿度の高い場所が多く、
極度の乾燥は大敵ですので、水やりなどを注意して行います。が、水分量が多すぎれば根ぐされを起こす可能性がありますので、ある程度水はけの良い環境が最適です。腐葉土を利用すれば、冬の凍結も夏の湿気にも対応出来ますので便利です。冬の寒さが厳しい地域ほど腐葉土の割合を多めにしてあげます。
鉢植えで室内に取り込むことが可能であれば室内で育成した方が楽です。夏場の多湿と冬場の凍結さえ防げば生育環境に問題はありません。比較的肥料を好む性質があるので、有機質の肥料を与えてください。育て方は野性に頻繁に自生している植物ですので
比較的簡単ですが、環境変化が起こり辛い状況を作ってあげる配慮は必要となります。山の中では冬には落ち葉がつもり、夏には木が直射日光を遮り、風が比較的穏やかに流れていますので、それに近い環境にしてあげましょう。
種付けや水やり、肥料について
生育中には一日一回水を与えます。鉢植えの場合はしっかりと土に水分が回るようにあげてください。庭植えの場合は根ぐされを起こさないように水の与えすぎに注意して調節します。休眠時期に近づくにつれて水を与える回数を減らしていきます。最終的に休眠期間に入れば水を与えることはほとんど必要ありません。
その代わり多湿には十分注意が必要なので少しだけ土に水分を含んでいるような環境を維持します。肥料を好む植物です。しかし、綺麗に花を咲かせる場合はチッソが多い肥料は避けてください、リン酸とカリが多い肥料を利用します。
元肥として植えこみ時に緩効性の化成肥料を少量鉢の深めの辺りに混ぜ込みます。この植物は根が広範囲にはる植物ですので、出来るだけ遠い部分、根に触れないように肥料を入れます。春の間は月に二回程度のペースで液体肥料も同時に与えます。
そして花が終われば油粕などの有機肥料を与えてください。翌年の花の開花に影響を与えます。用土はホームセンターなどに販売している山野草用の用土で十分に育成出来ます。そこまで大きく成長しない植物ですので鉢植えの場合はこれを購入して利用できます。
自分で配合する場合は小粒赤玉土、小粒鹿沼土、小粒軽石を5:4:1の割合で配合してください、ある程度の水はけがが必要になります出の、そのあたりに意識して配合すれば利用できます。植え替えは休眠中の秋頃に行うのが最適です。2年に一回程度で十分です。
増やし方や害虫について
イチリンソウの増やし方は株分けと種まきの二種類で増やします。株分けは二年に一度程度の植え替えの時期に行います。植え替えの時期にもなれば根が鉢の中にぐるぐるとはっている状態ですので、手でほぐすように大きくざっくりと分けます。種まきを行う場合は5月頃に種を採り種まきをするのですが、
翌年春には芽が出ます。開花するまでには5年ほど期間が必要となりますので、面倒な場合は株分けで増やすことをおおすすめします。芽が出たころに葉が褐色になってくると炭そ病の可能性があります。炭そ病は褐色の楕円形を大きく拡大していくカビの一種で、
発症して拡大した場合は株ごと抜いてください。排水が悪くチッソを多く含む肥料などを与えると発生する可能性が増加します。事前の予防が重要となります。また低温多湿の環境では灰色かび病が発症する可能性もあります。湿度が高く気温が下がっている梅雨時には注意が必要です。
鉢植えで栽培している場合は室内に移してあげることで予防できます。花が解けるように変色していく症状がでますが、枯れてしまった場合でも、菌が残っている可能性があるので、出来れば株ごと抜いてしまいます。
害虫ではナメクジやアオムシ、アブラムシなどが発生する可能性があります。これらは株を食害しますので、発見したら直ちに除去します。アブラムシの場合は一匹ずつの除去が非常に難しいので、園芸用品店などで販売されているアブラムシ用の薬剤散布で対処します。
イチリンソウの歴史
イチリンソウは日本の山などに自生している多年生の野草でキンポウゲ科イチリンソウ属の植物です。元々日本でも自生している植物だと考えられています。開花時期が4月初旬から5月半ばなためそう言われていると考えられています。生息地は本州から九州にかけて自生しており、
雪の少ない土地で見られることが多くみられます。原産地としては日本のほかにも中国やシベリアなどで見られます。日本では栃木県日光市で初めて発見されました。1709年に刊行された「大和本草」という農学書にも記載されているなど昔から人々に身近な存在の植物と言えます。
中には八重咲きのイチリンソウもありこれはヨーロッパやアジアの北東部原産植物で、日本ではハルオコシと呼ばれている。これの由来は不明ですが、おそらく初春に花を咲かせることからと考えられています。また、同じような名前でニリンソウやサンリンソウなどの植物もあり、
どれも同じスプリング・エフェメラルの仲間ではありますが違う種類です。よく花が一つだからイチリンソウ、二つだからニリンソウと勘違いされていますが、イチリンソウが2輪咲かせることもありますし、逆にニリンソウが1輪しか咲かせないこともあります。
これらの中で最も大きな花を咲かせるものがイチリンソウで、大きいものであれば5センチほどの大きさになります。ニリンソウは比較的小さく2センチ程度、サンリンソウも大きくて2センチ程度です。そのため、見た目でもイチリンソウははっきりと区別出来ます。
イチリンソウの特徴
キンポウゲ科イチリンソウ科は大きくイチリンソウの仲間とイチゲの仲間に分類されます。このうちイチリンソウの仲間にはニリンソウやサンリンソウも含まれます。統一してその花は白く、日本では北海道のような積雪のある地域以外で自然に見られます。
高さは20~30センチほどに成長し、春先に花を咲かせます。花弁に見える部分は萼片です。大きさや色は若干生息している地域によって異なりウラベニイチゲなどは萼花弁の裏に紅色が入っており、園芸でも好んで扱われます。落葉性で日陰でも成長します。
耐寒性は強くも弱くもありませんが、春の花なので、冬の雪が積もるような場所ではあまり成長しません。園芸でよく栽培される仲間にニリンソウやユキワリイチゲ、アズマイチゲなどがありますが、どれも小さめの白い花を咲かせるイチリンソウの仲間です。
見た目は良く似ていますが、花つきの良し悪しも種類によって違うため、事前に栽培方法を調べておくことが必要となります。一般に栽培されていることも少なくありませんが、イチリンソウやその他の仲間には毒性がありますので誤って口にしてしまうと、下痢や吐き気などの症状を引き起こすことがあります。
また、肌が弱い人であれば茎や葉から出た汁を触っただけでも水泡が出たり、かゆみ、痛みが出ることがありますので、園芸として栽培する場合は事前の注意と知識が必要となります。茹でることで毒性を排除することができ、食用とすることもありますが、この場合も正確な知識を持って行う必要があります。
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