クレピスの育て方

育てる環境について
南ヨーロッパが原産なので、耐寒性は比較的高く、耐暑性は低いです。ただし、霜が降りるような関東以北のような土地では、霜よけが必要になります。鉢植えであれば、霜が降りる前に玄関などに取り込んでおくと良いでしょう。夏の極端な暑さを嫌うので、なるべく風通しの良い場所で管理するのがポイントです。
暖かい地方では秋に種をまき、寒い地方では春に種をまくようにすると温度管理が楽です。春の種まきが遅れてしまうと貧弱な株のまま開花してしまうので、種まきのタイミングには注意しましょう。日当たりがよく、風通しの良い場所がベストです。日当たりが悪いと、花茎だけがひょろ長く伸びて徒長してしまいます。
加湿には注意して、頑丈な苗に育てるようにします。寒さや暑さが強くなるまでに根をしっかり張らせることができれば、その後の生育がだいぶ楽になります。コンテナ植えでは、ひだまりで管理すると良いでしょう。冬の間も生長して、春になると蕾がついてきます。用土は基本的な小粒赤玉土:腐葉土=7:3の混合土で育ちます。
もしくは、花用の培養土を使えばOKです。もしくは、花用の培養土に川砂か赤玉土を1割ほど混ぜ込んであげると良いです。夏の極端な暑さを嫌うので、コンテナ植えならば対策として二重鉢にすると良いです。株を植えた鉢よりももう一回り大きな鉢を用意して、その中に入れてあげます。こうすることで直接鉢が日光に当たるのを避け、鉢の中で蒸れてしまうのを防ぐことが出来ます。
種付けや水やり、肥料について
暖かい土地では秋のススキの穂が出始める頃に種まきを行うと良いです。寒い地域では、早春に保湿して種まきを行います。使う用土は花用の培養土か、小粒赤玉土:腐葉土=7:3で十分育ちます。使う土は清潔な土を使います。5cm間隔で点まきにします。種が隠れるように5mmほど上から土をかけて、たっぷり目に水をあげます。
発芽するまで(約2週間)は、土が乾かないように管理します。本葉が2から3枚出てきたら、肥沃な用土に移します。肥料は、11から4月の間に緩行性化成肥料もしくは液肥を定期的に与えれば良いです。肥料が多すぎると葉だけが大きくなってしまうことがあるので、少し少なめに施すようにします。
ちなみに、窒素分が多い肥料は葉や茎、リン酸が多い肥料は花、カリが多いのは根、をそれぞれ大きくする働きがあります。クレピスは花を育てるのが目的ですから、液肥で与えるならば花用のリン酸の割合がやや多いものを選ぶと良いでしょう。また、株が弱っているようならば、緩行性ではなく即効性の化成肥料を与えると数日で効き目が出ます。
活力剤などがそれにあたります。基本的には緩効性肥料を使い、株や花の元気がないようであれば、即効性の肥料を施すと良いでしょう。水を切らしてしまうとなかなか発芽しないので、芽が出るまでは水きれに注意します。発芽温度の目安は20度くらいです。水やりに関しては、芽が出たら徐々に少なくするようにします。根がしっかりしてきたら、乾かし気味に管理したほうが良いです。
増やし方や害虫について
種まきで簡単に増やすことが可能です。種は通常のタンポポと同じように綿毛でつきます。綿毛が丸く膨らんできたら、花茎を切り取って綿毛ごと採取すると良いです。採取した全ての種が使えるわけではなく、中には未成熟な種もあるので、多めに採取しておきましょう。種の選別方法ですが、成熟している種は綿毛の下の種子が焦げ茶色になっています。
白いものはまだ未成熟な種です。これはまいても発芽しないので、取り除きます。選別が完了したら、風通しの良い涼しい場所で保管しておきましょう。綿毛は取っても取らなくてもどちらでも良いです。暖地、温暖地ならば9から10月頃に種をまき、寒冷地では春の4?5月に種をまくようにします。
移植を嫌うので、ポットもしくはセルトレーに直まきがベストです。覆土は5mm程度で、発芽温度である20度前後を保てるように管理しましょう。植え付けは十分に苗が育ってきたら、ポットから移植します。若い株のほうが移植に向いているので、タイミングを逃さないようにしましょう。植え替えの時に根を傷めてしまうとうまく生育しないことがあるので、根を扱う時には慎重に行います。
稀にですが、クレピスは花を放置しておいても、こぼれ種で勝手に増えることもあります。しかし、これはかなり発芽率が低いので、こぼれ種任せにはしないほうが良いでしょう。病気も大きな心配はなく、害虫もほとんどつきません。ただし、水を与えすぎると根腐れを起こしてしまうことがあるので気をつけましょう。
クレピスの歴史
南ヨーロッパ(南イタリア、バルカン半島)原産の、耐寒性の一年草です。タンポポにそっくりな花を咲かせ、比較的中級者が対象の園芸植物です。キク科クレピス科に属します。日本では帰化植物として一部地域を生息地としています。日本に導入されたのは大正時代の始めの頃で、園芸用として入ってきました。今では東京などで野生化した株が確認されています。
園芸品種ではモモイロタンポポの名前で呼ばれますが、学名のクレピスと呼ばれることもあります。名前にはタンポポとついていますが、別の種類でタンポポとは関係ありません。容姿が似ていることからその名がつけられました。ちなみに、普通のタンポポは、キク科タンポポ属に分類されています。普通のタンポポとの違いは、花茎と花のつき方です。
一般的なタンポポは花茎が根元から一本伸びますが、クレピスは花茎が枝分かれしやすいです。また、花が通常のタンポポよりもたくさんつきます。そのため、別名ではセンボンタンポポ(千本蒲公英)という名前もあります。また、草丈も高く、最大50cmほどに成長するものもあります。
園芸用として比較的流通している植物で、園芸品店やネット通販などで種を簡単に入手することが出来ます。園芸科の間では、鉢植え、家庭菜園、花壇、などで栽培されることが多いです。園芸科の間では、ピンクのタンポポというフレーズで親しまれています。多年草の品種もありますが、園芸用として出回っているのはほとんどが一年草です。
クレピスの特徴
クレピスは学名で、モモイロタンポポ(桃色蒲公英)というキク科の植物です。ただし、クレピスの名前で呼ばれることも多いです。キク科の一年草で、通常のタンポポとは種が異なり、生育サイクルも異なります。花がたくさんつくのが特徴で、ピンク色のタンポポによく似た花を春につけます。日当たりの良い場所を好み、乾燥している土壌を好みます。
基本的には秋まきで、春に花をつけます。冬の寒さにはあまり強くないので、霜が降りるような寒い土地では、霜対策が必要になります。暖かい土地ならば放任していても育ちます。花の形は八重咲きで、可愛らしい花姿を楽しませてくれます。通常のタンポポよりも花が大きく、株元からたくさんの花茎を伸ばし、その先端に花をつけます。
花壇などで育てることが多いですが、切り花など一輪挿しのような方法でも楽しむことが出来ます。原産地が南ヨーロッパなので、一応耐寒性もあります。その反面、暑さにはあまり強くありません。比較的丈夫に育つので、育て方も割と楽です。園芸初心者にはあまり向きませんが、中級者ならば十分に楽しむことができるでしょう。
増やし方も簡単で、通常のタンポポと同じように綿毛から採取した種で増やすことが出来ます。花がしぼんだ後にそのままにしておくと発芽することもありますが、通常のタンポポと違い発芽率が極端に低いので、増やす場合には種まきが必要です。花期が長いので、花柄摘みをしてあげると良いです。
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