バイカウツギの育て方

育てる環境について
バイカウツギの育て方は明るく日当たりの良い場所が適していますが、西日が当たらない場所で栽培します。水はけがよく保水力があり肥沃な土壌を好みます。寒さにも強く、0度以下の環境でも耐えられるため、庭植えにも適しています。半日陰の場所での栽培も可能ですが、
日なたで育てる場合と比較すると多少花付きが悪くなることがあります。バイカウツギの香りを楽しみたい時は、香りが流れてしまわないように風が強くない場所に植えるようにすると、周囲によい香りが立ち込めます。バイカウツギは放置しておいてもよく育つ植物なので、
それほど手間はかからないのですが、1年でかなり枝が伸びるため庭木として育てる場合には、剪定を行うようにしてください。花芽ができる8月以降に剪定を行うと、翌年の花芽を切ってしまうこともあるため、強く剪定をする時には花が終わったあとの6月から7月頃に行うようにします。
絡んでしまった部分やひょろひょろと長く伸びてしまった枝、花付きの悪くなった枝などを切り落としますが、花芽はその年に新しく伸びた枝に付くため、この枝を剪定してしまうと翌年に咲く花が少なくなってしまいます。そのためバイカウツギを剪定するときは
全体的に刈り込むのではなく、切る枝を選んで間引くように剪定していきます。伸びてから3年から4年くらいたっている枝を枝分かれしている部分で切るようにして、花付きが悪くなった古い枝は根元から切っておくと、枝の更新ができて風通しもよくなります。
種付けや水やり、肥料について
バイカウツギの植付けに適している時期は、2月中旬から3月または11月から12月中旬の落葉時になりますが、高温になる真夏以外ならばどの時期でも移植は可能です。植付けは水はけの良い場所に行い、土をしっかり耕して腐葉土などを混ぜ込んでおきます。
根の部分を麻布などで包んでいる根巻き苗を利用するときは、周囲の土よりも少し高い位置に布を外さずにそのまま植えるようにして、株の周りに土を盛って水鉢を作り、水がたまりやすいようにしておきます。ポット苗を植える際には、生育を良くするため根を少し崩してから植付けをします。
バイカウツギは庭木として育てることが多く、植付けした直後は水をしっかり与えるようにして、根付いた後の水やりは雨が降らずに乾燥したり、日照りが続かない限りは特に水やりを行う必要はありません。鉢植えで栽培している場合は、表面の土が乾いてから水やりを行います。
夏場の乾燥しがちな時期には1日2回与えるようにして、冬になって葉が落ちてからは水はそれほど与える必要はありません。肥料は12月から翌年の2月上旬頃までは寒肥として緩効性の置き肥や油かす、堆肥などを株元に与えます。鉢植えの場合は、
これに追加して花が咲いた後の5月中旬から6月くらいにお礼肥を与えます。バイカウツギはもともと丈夫な植物になり、肥料を多く与え過ぎると葉ばかり多くなってしまい花付きが悪くなることがあるので、肥料は適量を与えるようにします。
増やし方や害虫について
バイカウツギは種と挿し木で増やすことができます。挿し木は3月から4月または6月から7月くらいの時期に行うようにして、きれいな葉の付いた若い枝を選び、10cm程度の長さでカットします。挿し木に使う用土は赤玉土などの水はけの良いものを選び、
茎が傷まないように割りばしなどで穴をあけてからそこに枝を挿し込みます。根が出てくるまでは明るい日陰で管理して、しっかりと水やりを行ってください。バイカウツギは害虫が発生しにくい植物になりますが、カイガラムシが発生することがあります。
日の当たらない場所を好み、草花の汁を吸うため発生すると植物の生育が悪くなり、カイガラムシの排泄物からすす病が発生することもあります。カイガラムシを発見したときは、割りばしはブラシなどでこそげ落とすか、量が多い場合は薬剤を散布して駆除するようにします。
殻の中に卵が入っている場合もあるので、駆除した後は周囲に付着しないように処分してください。病気ではうどんこ病にかかることがあります。うどんこ病にかかると、その名の通りうどん粉をまぶしたような状態になり、枯れた植物には発生しないという特徴があります。
17度から25度で多く発生し、それ以外の温度では被害も減少していきます。この病気になると植物の生育が悪くなるため、症状が出た部分は取り除くか、木酢液を薄めたものを散布しておきます。被害が拡大してしまった時には、市販の薬剤などを散布して対処してください。
バイカウツギの歴史
バイカウツギは本州から九州、四国を生息地とする日本原産の植物になり、品種はおよそ30~70種存在し、東アジアやヨーロッパなどに生息しているものもあります。ユキノシタ科(アジサイ科)バイカウツギ属バイカウツギ種の落葉性の低木になり、漢字では梅花空木と書きます。
ウツギとは枝の中心が空洞になっている木のことで、枝を切ってみると真中に穴があいていることがわかります。枝が空になっていて花が梅によく似ていることから、バイカウツギの名が付けられました。学名は「Philadelphus satsumi」(フィラデルファス サツミ)といい、
Philadelphusとは兄弟愛を意味するギリシャ語の「philadelphos」(フィラデルフィオス)から付けられたとされ、紀元前288年から248年にエジプトのプトレマイオス朝のファラオとして君臨した、この花と同じ異名を持つ、プトレマイオス2世に捧げられた花とも言われています。
satsumiは別名のサツマウツギ(薩摩空木)の略とされています。この他には花の咲く時期が卯月(旧暦の4月)であることが、名前の由来だとする説もあります。ヨーロッパでは「Seringat」「Seringa」(スランガまたはスリンガ)と呼ばれていて、
香りの高い花として知られ、香水の原料に利用されています。ジャスミンに似た香りを持つことから、フランスでは「Jasmin des poètes」(詩人のジャスミン)とも呼ばれることもあります。花言葉は思い出、品格、気品になります。
バイカウツギの特徴
バイカウツギは日本の産地に自生する植物になり、木の高さはおよそ1mから3mになります。幹は灰色がかった茶褐色ですが、伸びてきた枝はわずかに赤みを帯びています。葉の形は卵型で大きさは5cmから10cmほど、フチはギザギザでのこぎりの歯のようになっています。
花色は白になり、花弁は4枚で直径3cmほどの一重咲きになりますが、品種によっては八重咲きのものもあります。バイカウツギの開花時期は5月から6月頃になり、花が終わると萼筒の中に直径5mmほどの果実ができて、その中にはたくさんの種があります。
園芸用に栽培されているバイカウツギでは、ヨーロッパで品種改良が進んだ西洋バイカウツギの「ベル・エトワール」や「スノーベル」などが多く見られ、香りも強くなっています。バイカウツギは大量の花を咲かせ、剪定によって好みの形に変えられるので、
シンボルツリーとして利用するだけでなく生垣などにも適しているため、庭のさまざまな場所に植えて楽しめます。もともと日本に生息している植物なので、環境に対する適応力があり育てやすい植物です。切り戻しなどを行わなくてもしっかりと花が付くのですが枝がよく伸びるため、
形を整えるための剪定が必要になり、徒長枝や密集した部分を切り取ることで病害虫の被害を抑えることができます。バイカウツギの花芽は8月くらいにはすでにできていて、剪定をすることで翌年の花付きに影響を及ぼすので、枝を切る場所や切り落とす時期には十分注意してください。
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