アイスランドポピーの育て方

育てる環境について
シベリアで発見されただけあって、アイスランドポピーが育つ環境は暑すぎない所です。原産国のヨーロッパなどでも発芽適温が15℃~18℃と言われています。東日本の寒い地域なら3月中旬から5月、秋に蒔くなら8月から10月がいいでしょう。西日本の暖かい地域なら3月上旬から5月中旬、秋に蒔くなら9月10月がベストタイミングです。
育てる環境としては、水はけの良い土に埋めてあげ、陽当たりと風通しの良い場所を好みます。花壇に直まきするのが王道の育て方ですが、近年はプランターでの栽培も増えてきています。プランターで植えると霜から守れるので意外とオススメの環境です。生息地がシベリアやヨーロッパの寒い地方とはいえ、霜が直接当たると苗が痛んでしまいます。
なるべく軒下などに避難させて霜が当たらない様にしてあげます。またアイスランドポピーは、群生させる事で魅力を発揮する花です。種も小さい為、育てる環境が良ければあちらこちらにいっぱい芽を出してくれます。しかし間引きをしっかりしてあげないと、その後が思った程育たないので、
もったいないですが草丈が30㎝から60㎝に成長する一般のタイプなら20㎝ほどの距離を取れる様に丈夫そうなものだけ残して間引いてあげましょう。ついつい欲が出て間引くのを躊躇しがちですが、これもアイスランドポピーが上手く育つ環境を作る上でとても重要な事です。後は水やりをしっかりし、日光がよく当たる場所を確保してあげましょう。
種付けや水やり、肥料について
アイスランドポピーの種付けは、種が小さくて細かいので飛んでしまわぬ様注意が必要です。飛ばされた事で野生の様に成長する事もありますが、たいがいがダメになってしまいますので育って欲しい場所にきちんと植えて、しっかり栽培しましょう。風や雨に流されない様に種蒔きする為には、
手のひらに土を少し手に取って種を土と軽く混ぜ合わせてあげてから花壇やプランターに蒔いてあげます。この一手間で発芽率は格段に上がります。土は弱アルカリ性の水はけの良いものが好ましいです。花壇に蒔く場合にはあらかじめよぬ耕して牛糞を混ぜておくと良いでしょう。プランターなら市販の草花用培養土で充分育ちます。
肥料は特に必要ありませんが、葉っぱに色ツヤを感じない時は化成肥料を少し与えてあげると元気になります。水やりのポイントは、表面の土が乾いてきたら底面給水であげる事です。水を与えすぎると根腐れを起こしますので、あくまでも土が乾いていたらあげる具合で大丈夫です。底面給水で与える理由は、アイスランドポピーが繊細なお花だからです。
茎も細く花びらも薄い為、優しく刺激が少ないよう与えてあげましょう。プランターなら霧吹きであげるのも良い方法です。成長してからも株と株が詰まりすぎている様なら、間引きする事をオススメします。意外と根をはらす植物なので充分なスペースが確保されていないと痩せ細ってしまいます。移植には向かない植物ですが、植え変えるのであれば根鉢は壊さない様に植えましょう。
増やし方や害虫について
害虫被害は比較的少ない花ですが、ほとんどの植物がやられてしまうアブラムシとアオムシはつきやすいです。特にアブラムシは年中警戒が必要ですが、3月?6月と9月?10月の春と秋は大量発生します。ちょうどこの時期、ポピーも見頃を迎える頃なのでアブラムシに邪魔されない様注意が必要です。
一番効果的な対策は、オルトランやオレートといった浸透移行性の強い殺虫剤を散布する事です。発生初期に散布する事で効果が出やすいので注意深く観察しておきましょう。また長雨が続くと「灰色カビ病」にかかりやすくなります。枯れてしまう可能性もある病気で、伝染しやすいので発病したら速やかに除去しましょう。
灰色カビ病にかかった落ち葉なども胞子が舞って拡散してしまうので、こまめに除去し広げない様にします。この病気にかからない様にする為には、水はけを良くし湿度を高くしない事です。肥料を与え過ぎてもこの病気にかかりやすくなるので、肥料を与える時は少しずつ様子を見ながらにします。最後にアイスランドポピーの増やし方ですが、
花が咲き終わったら種を採取し来季に蒔くのが一番確実な方法です。そのままにしておいても自然に種が地面に落ちて自生する可能性もありますが、風や雨に流される可能性もありますので、種はしっかり採取しておきましょう。花が散ったら茶色の種が熟すまで少し待って濃い茶色になったら手で取ります。そして陰干しでよく乾燥させてから紙袋などに入れ、涼しくて暗い場所に保管しておくと良いでしょう。
アイスランドポピーの歴史
アイスランドポピーという名前や可愛らしい見た目から、アイスランド発祥の新しい品種の花だと思われる方も多いでしょう。しかしアイスランドの国花は「チョウノスケソウ」という花で何の関係もございません。この花の歴史は意外にも古く、18世紀に北極探検隊としてシベリアの地に行ったロシア人の植物学者が発見したと言われています。
その後日本には、江戸時代に入ってきたそうです。この花は寒い気候を好み、シベリアやモンゴルを始め、ヨーロッパなどが原産地として知られています。日本でもポピー畑を目にする事がありますが、ヨーロッパなどでは規模が大きくカラフルな可愛らしい花が群生して咲き乱れていて、圧巻の風景を見る事が出来ます。
そんなアイスランドポピー、カラフルな色が魅力の一つではありますが、意外にも野生の花は白と黄色だけです。品種改良されて今の様な、白と黄色に加え赤色とオレンジとピンクが加わりました。さらに園芸様に品種改良された事で、日本の温暖な地域でも楽しめる様になりました。
ポピーというケシ科はなんと26属250種も分布しており、ケシ科ケシ属でも60種の仲間が存在します。ケシ科は麻薬成分モルヒネが含まれている事で栽培が禁じられている種類がありますが、アイスランドポピーは、麻薬成分が一切含まれていませんので安心して栽培できます。
広いお庭に沢山植えるのが一番迫力ある演出方法です。風に揺れる姿が可愛らしいと、日本ではよく春に咲くように植えられ春の訪れを感じさせてくれる存在です。では次にアイスランドポピーの特徴について詳しく見てみましょう。
アイスランドポピーの特徴
花壇の花としてよく植えられているアイスランドポピーの特徴は、一つの茎に一つの花を咲かせる事です。茎や蕾は細かな毛で覆われていて、薄い四枚の花びらがつきます。花びらは和紙の様に繊細で薄く淡く綺麗な色に色付く事から、押し花として楽しむ方も多いです。草丈は30㎝~60㎝程に成長し、品種によって1m位まで草丈が伸びるものもあります。
風に揺ら揺らと揺られる姿がとても愛らしい花です。よく「モンツキヒナゲシ」という花と間違えられやすいですが、モンツキヒナゲシの方が原色系のオレンジで黒い斑紋が付いています。ほのかに優しい香が漂うのもアイスランドポピーの特徴の一つです。この香りには身体と心を癒してくれる効果があると言われています。
花言葉にも「なぐさめ」「眠り」「いたわり」「恋の予感」と名付けられているとあって、癒し効果はかなり高いでしょう。さらにこのお花の栽培は、簡単な方なので初心者や忙しい方でも育てやすいのも特徴の一つです。重要な管理としては、温度と水やりです。種を蒔く時期の温度と水やりさえ気をつければ上手く咲きます。
肥料はあまり必要のない花ですが、葉の状態を見ながら化成肥料を与える程度で大丈夫です。日本では秋に種を蒔いて春に咲かせる事が一般的ですが、外国では春と秋の年二回楽しんでいる様です。同じ場所に埋めるなら一年、間を開けた方が良いですが場所を変えたりプランターを変えるなら春に植えて秋にも咲かせて年に2度楽しめます。
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