イチゴノキの育て方

イチゴノキの育て方

マドリードの旧市街の中心地には、「プエルタ・デル・ソル」(太陽の門)と呼ばれている広場が有ります。この広場はスペイン全土から見ても中心となる場所であり、スペインのゼロキロメートル標示となる場所だと言われています。

イチゴノキの育てる環境について

赤く熟した時の果実の表面には、多数のイボが在るのが特徴で、この状態がイチゴに似ている事からもイチゴノキと呼ばれていると言います。しかし、どちらかと言うと、イチゴよりもヤマモモの果実に似てることからも、人によってはイチゴではなくヤマモモの仲間ではないかと感じる人も多いのです。

尚、熟した果実と言うのは食用にできるのですが、味気が少なく生食で食べる人は少ないと言います。むしろ、ジャムや果実酒などの加工品の原料として利用されているのが特徴で、皮についてはタンニンの原料とされると言います。育てる環境と言うのは日当たりが良い事や、

水はけが良い環境を選ぶ事がポイントとなりますが、一般的に観賞用として育てる場合でも、水はけが良い用土を選ぶ事が大切です。また、イチゴノキと言うのは移植を嫌うため、一度根付いた後は移動を指せずに出来る限りその場で成長をさせることが大切で、

根付いた後に移動をさせると枯れてしまう事が有るので注意が必要です。そのため、鉢植えとは異なり、地植えで栽培する場合などでは、育て方を考えると同時に、苗を植え付ける場所を考えておくことが大切です。

また、鉢植えの場合は、植え替えを行う時などは根鉢を崩さないように行う事が大切で、現在よりも一回りから二回りほど大きな鉢に植え替えを行います。植え替えを行う時期と言うのは、4月や9月頃が適しており、夏場の植え替えは暑さに弱い事からも控える事が大切です。

種付けや水やり、肥料について

濃い緑色の葉を持つ事、そして白い壺形の小さな花が晩秋なると開花するイチゴノキは、花が咲いた後に出来る果実にも魅力が有ります。果実は年を越すと、翌秋には緑色から黄色、オレンジ色、赤色へと変化して行くのが特徴で、鑑賞用として栽培をしたいと言う人が多い事からも、

通販サイトや専門の園芸店などで苗木を購入する事が出来ます。また、晩秋になることで成熟し、鮮やかな赤色になるのが魅力と言えます。尚、成木になった時には赤色になる樹皮が綺麗であり、花と果実が少ない季節においても観賞用としての魅力を持つ花木です。

若い苗木は多少なり寒さに弱く、成木になると-15度の気温でも生育をすると言う特徴が有ります。しかし、寒風などにより葉や芽などは傷みやすいため、風当たりが強い場所は避ける事が大切です。また、水はけが良い環境を選び、過湿にならず、乾燥しやすい土壌は避ける事が大切で、

西日が当たらないような半日陰の場所を選んで植え付けを行います。耐塩性がある事からも、海岸地域でも栽培が可能になります。ですが、日当たりが良い環境や強い風が吹いた時など木にその風が当たらない場所を選び、且つ、水はけが良い環境を選ぶ事がポイントとなります。

水やりについては極端に乾燥する夏場の高温期などでは、朝もしくは夕方に水やりをしておきます。また、鉢植えの場合では土が乾燥しないように管理を行って行きます。肥料は2月の上旬頃から3月の下旬頃に寒肥として与えてあげますが、この時の肥料は油かす、緩効性化成肥料と言ったものを与えて上げると成長を促進させることが出来ます。

イチゴノキの増やし方や害虫について

病気や害虫等に付いてはそれほど問題になるものは有りませんが、アブラムシなどが付いた時などは葉を食害してしまう事も在るため、殺虫剤などを利用して防除しておきます。尚、用土については鉢植えと地植えでは異なるものを利用します。

鉢植えの場合は、赤玉土小粒を3、鹿沼土小粒を4、ピートモスを3の割合で配合して土を作ります。尚、これらを配合させることにより、水はけが良い環境作りを行えるのです。また、庭への地植えの場合は、霜が降りなくなった3月の上旬頃から4月の下旬頃、

秋口となる9月下旬頃から11月下旬頃に行い、根鉢の表面を3分の1ほど崩してあげて、根鉢のサイズの倍ほどの深さの穴に植え替えを行います。尚、上戻す時の土には全体量の3分の1ほどの腐葉土、緩効性化成肥料などを利用して元肥と合わせて行い、

深植えとならないように注意をします。鉢植えを行っている事で木は成長をし、鉢の中に根を沢山張り巡らせることになり、成長にも悪影響を与えてしまいますので、目安として2年に1度ほどの植え替えを行ってあげます。植え替えを行う時には、根鉢を軽く崩し、

一回りから二回り程大きな鉢に植え替えを行い、植え替えを行う時期としては庭植えと同じ時期に行うのが良いとされます。増やし方の方法としては挿し木による方法がお勧めで、6月上旬から7月下旬頃に枝を2~3節で切り取り、

節の下1cmの場所にナイフなどを利用して斜めにカットして挿し穂にしてあげます。育苗箱などに赤玉土小粒、挿し木用の用土を入れて、2~3センチほどの深さにして日陰において乾燥しないように管理を行います。

イチゴノキの歴史

マドリードの旧市街の中心地には、「プエルタ・デル・ソル」(太陽の門)と呼ばれている広場が有ります。この広場はスペイン全土から見ても中心となる場所であり、スペインのゼロキロメートル標示となる場所だと言われています。この広場には、マドリード市の紋章にも、

描かれている街のシンボルが在りますが、このシンボルには熊の絵と、熊が木から何かの実を取ろうとしている絵が描かれており、この木はイチゴノキと呼ばれる樹木になります。何故、熊とイチゴノキが描かれているのかと言いますと、昔はこの周辺には多くの熊が生息しており、

その熊はイチゴノキの近くにいたことからも、このような絵が描かれ、紋章となったと言われています。尚、この樹木は地中海地方、西ヨーロッパ北部、西フランス、アイルランドなどを原産とする植物で、ツツジ科のイチゴノキ属に分類される常緑低木になります。

因みに、日本には伝来は行われておらず、最近になって園芸品目として注目されており、国内の中でも栽培を行う人が多いと言います。また、この樹木はアイルランドと言った比較的寒い場所、夏の多湿が多い環境の中でも成長をしてくれることからも、

幅広い地域での栽培が出来ると言われています。しかしながら、本来は乾燥している場所や夏季に湿気が少ない地域を好む植物でもあり、地中海性気候を持つエリアなどでの植林に役立てられており、カリフォルニア州、北アメリカ西海岸地方などの地域においては一般的な庭園樹と言われています。

イチゴノキの特徴

イチゴノキの主な生息地と言うのは、地中海沿岸、西ヨーロッパ北部、西フランス、アイルランドと言った地域だと言われていますが、水捌けのよい土壌や、適度な水量を持つ好石灰質土壌での栽培を行う事で成長が良いと言う特徴が有ります。

また、花期が遅いため、温室などで植えられたり、庭木として植える時などは潅木状にするのではなく、主幹となる枝を一つ選び、他の萌芽を剪定する事で成長を良くし、果実を多く付けると言います。イチゴノキと言うと、木にフルーツの苺がなっているようなイメージを持つ人も多いものですが、

イチゴと言うのはバラ科の植物であり、ツツジ科のイチゴノキとは全く種類が異なります。しかし、花が咲いた後に出来る果実と言うのはイチゴのような赤い実をしていることからもこのような呼び名で呼ばれていると言います。因みに、果実は食用になると言いますが、

イチゴのような甘酸っぱさ、甘みというものがなく、どちらかと言うと淡白な物であり、大半の人はそれを味気ないものと感じると言います。そのため、庭などで観賞用として栽培している人などは、食用とするのではなく鳥の餌として捉えるケースが多いと言います。

しかしながら、赤い実が木々を覆う時の景観は見事な事からも観賞用としても人気が高く、最近は鉢植えで観賞用のイチゴノキを育てる人も多いと言います。因みに、国により果実からジャム、リキュールなどを製造するなど加工品として利用するところもあり、ブランデーの一種となるポルトガルのお酒の一種でもあるメドロンはこの果実から作られていると言います。

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