レウコフィラムの育て方
育てる環境について
この花の育て方で一番大切なことはなんといっても日光の当たり方です。非常に暑くて乾燥した地域が原産ですから日光を強く好みます。つまり日当たりのいい場所に植えられているレウコフィラムは枝いっぱいに花をつけますが、日陰に植えられている木は花の数が少なくなります。これはレウコフィラムだけに限った話ではなく、どの植物も同じなのですが、レウコフィラムはその傾向が非常に強い植物です。
枝は日の光を求めて日が当たる方向に伸びていきます。つまり日陰に植えると徒長しやすい植物とも言えます。徒長してしまうとスカスカな印象になってしまいますので、植え付けの時にはその場所の日当たりをよく観察することが何よりも大切です。そして日光を必要とするということは水はけがいいということも大切な環境条件の一つになります。
原産がアメリカのテキサスやメキシコですから、空気は乾燥し、土もさらさらの土という地域です。日本で植えるのに同じような砂土に植える必要はありませんが、できるだけ水はけのいい場所に植えることもレウコフィラムを魅力あふれる花に育てる条件といえます。日当たりのいい場所というのは基本的に水はけがいい場所とも言えますから、
そういう場所を選ぶことが、レウコフィラムを上手に育てるポイントです。もしくは植える場所の土を少し上げてやるのも一つの手です。周りにしみ込んだ雨などが流れやすいくぼみなどに植えるのではなく、周りより少し高く植え付けることで水はけがよくなりますから、場所もきちんと選ぶことが大切といえます。
種付けや水やり、肥料について
水やりに関しては、乾燥した地域が原産ということであまり過度にしないことが大切です。生育期、つまり春から秋にかけては水を必要としますが、梅雨の時期は根腐れを起こす可能性がありますから、注意が必要です。春から秋にかえて、鉢植えのレウコフィラムの場合は鉢のそこからたっぷり水があふれてくる程水をやります。
根元にたくさんかけて底から染み出てくるのを見ることが大切です。その時注意が必要なのがお皿です。鉢植えというのは受け皿といって、底から流れ出た水を受けるお皿が付いている場合があります。人工的に水やりをやる場合は受け皿をどかして水をやることがほとんどですが、雨の場合はそのまま放っておきます。
しかしその時根腐れを起こしてしまうことがあるので、雨がずっと続く梅雨の時期などは受け皿を外しておく必要があります。軒下に入れるのも一つの手ですが、受け皿を外すだけで底に水がたまるのを防げますから、根腐れを起こす可能性をかなり低くすることが可能です。そしてそんな梅雨の時期には肥料も必要とします。
植物というのは基本的に春から冬にかけて成長するものが多いのですが、レウコフィラムも例外ではありません。その為春から秋にかけて緩効性肥料か液肥を適量施す必要があります。休眠期に入る冬には肥料は必要ではありませんが、それ以外の時期は枝を伸ばしたり、つぼみを作る活力をつけるため適量の肥料は絶対不可欠といっても過言ではありません。根元に少しパラパラ置くだけで完了です。
増やし方や害虫について
シルバーリーフ全般にいえることですが、虫多い時期でもあまりレウコフィラムには青虫は付きません。バラなど緑でつやつやした葉にはたくさん虫がついて駆除するのが大変な作業ですが、やわらかい毛が生えているレウコフィラムにはほとんど青虫は寄ってきません。しかしその代わりアブラムシが発生しやすいので見つけ次第駆除するか、被害が大きくならないように見守る必要があります。
万が一アブラムシが大量発生したとしても春には元気よく花を咲かせる強さを持っている庭木なので、あまり神経質に駆除する必要はありませんが、枝の葉の先が黒くなってしまうことがあるので、できるだけ駆除したほうが見た目は美しいです。伸びるのが早く強健な木ということで剪定も強めにしても大丈夫です。
自分の思うまま樹形を整えることができるので初心者でも安心して剪定することが可能です。そして剪定した枝は挿し木で増やすことができます。容易に発根するので真夏や真冬を避ければ誰でも簡単に増やすことができます。しかしレウコフィラムという庭木は大きくなると3メートルまで育ちます。
枝も四方に伸ばしますから、初めて植える時にはその大きくなった姿を想像して植える場所を決めることが大切です。そして剪定ができるくらいの大きさをとどめておくことや、増やす場合はきちんと計算をして植え付けることが何よりも大切になります。しかし虫も付きにくい庭木ですし、枝も細くて切りやすいですから、手入れがしやすいことも魅力の一つです。
レウコフィラムの歴史
レウコフィラムという花は一昔前は珍しい花の一つでした。もともとアメリカのテキサスからメキシコにかけての原産の花で非常に乾燥した暑い地域で栽培されていた花木です。生息地がテキサスやメキシコというと日本人はサボテンや砂埃をイメージする人が多いように、実際非常に暑くて雨があまり降らない地域です。
水をあまり必要としないサボテンがたくさん植えられている地域が原産の花木ですから、日本で育てるには少し注意が必要とも言える花木です。そんなアメリカのテキサスや日本から遠いメキシコで栽培されていたレウコフィラムがいつ頃どういった経緯で日本に来たのかははっきりとわかっていません。
しかし近年では、春から夏にかけて普通のホームセンターでも気軽に売られている花になりました。年中店頭にあるというわけではありませんが、ネットで検索すると購入するのに簡単なくらいには手に入りやすい花木になったのは事実です。その理由として日本の桜のように人を魅了する魅力があることや、初心者でも育てやすい強建さを持っていることが挙げられます。
庭木としてはまだまだ一般的な花木とはいえませんが、これから洋風の家がますます増えるにしたがって今よりもっとメジャーになる花木とも言えます。日本の梅雨の時期や極寒地域では少し注意が必要ですが、日本の温暖な気候と夏の暑ささえあれば割と誰でも簡単に育てることができるということは、これからの庭木のメジャーになれる可能性を秘めた花とも言えます。
レウコフィラムの特徴
レウコフィラムの特徴といえば、なんといってもやはり美しい銀葉です。手で触ってみると柔らかい毛が生えているようなふわふわの感触です。一つ一つの葉の大きさも小さいですから、繊細なかわいらしい木といった印象です。細く伸びた枝に細かい銀葉がびっしり付いている姿は花が咲いていない時期でも美しく見とれる程です。
そして春から秋にかけて葉以上に美しい花が咲きます。先にかけて広がる形をしている花ですが、なんといってもその色が美しくて見ているものを魅了します。薄い紫色の花は美しい銀葉と非常によく合います。シルバーとパープルのコントラストは昔からある日本の庭木にはみられることはありません。
洋風の家によく似合う美しい姿はこれからメジャーになるだろう可能性を感じることができます。細い枝に小さな銀葉が付くのと同じで、花も枝いっぱいに広がります。四方に伸びた枝全てに小さい美しい花を咲かせている姿は日本の桜のようで、見るものをその花の世界に引き込む魅力を持っています。ただ残念ながら花の命が短いので春から秋にかけて二回程咲きますが、
どちらも一週間ほどしか満開の状態を見ることはできません。満開の一週間の間は通りすがりの人の足を止める程の圧倒的な美しさを見せますが、ほんの一週間だけです。しかし桜を愛する日本人にとってその咲かせ方は桜に通じるものを感じるはずです。通りすがりの人の足を止めてしまう程の魅力を持った花と、あっという間に散ってしまうはかなさは日本人にとって魅力以外何物でもないです。
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