アマドコロの育て方
アマドコロの育てる環境について
アマドコロの育て方は直射日光があまりあたらない半日陰の場所を選んで栽培することがおすすめされています。庭などに地植えをするという場合には、木陰になるような場所を選ぶようにしましょう。アマドコロは冬になると地上部分が枯れてしまい休眠に入ります。
開花するシーズンは5月頃ですが、葉の観賞をする場合には4月頃から10月下旬頃まで楽しむことができます。観賞用として栽培されることが多いのは、主に葉に白い覆輪が入る品種です。とても涼しい雰囲気がありますので庭やコンテナなどで栽培することで華やかさを演出してくれます。
葉の部分はフラワーアレンジメントなどにも広く利用されています。アマドコロは比較的強い性質を持っていますので、日当りのよいところから半日陰まで幅広く生育することができます。太い根茎を伸ばしていきますので庭植えをおこなう場合には、水はけのよさを保つことが大切です。
やせているような乾燥地でも栽培することができますが、できれば深く耕したような場所の方がよく生育してくれます。鉢植えで育てていく場合には、春は比較的日当りのよいところの方が株が太くなりますが、夏は気温が高くなり乾燥もしやすいですので日陰の方へ、
移動させてあげるようにしましょう。直射日光をさけて日陰で管理することで葉をみずみずしい状態に保つことができます。春頃から生育するためには冬の間は低温で管理することも必要となりますので、戸外に置いて育ててください。
種付けや水やり、肥料について
アマドコロは乾燥には比較的強い性質を持っていますので、庭植えをして育てていく場合には特に水やりを頻繁におこなう必要はありません。自然に降ってくる雨で生育することができます。鉢植えで育てていく場合は、土が乾いてきたと感じたらたっぷりと水やりをするようにしましょう。
春頃になると葉が伸びていくシーズンになりますので水が切れてしまわないようにたっぷりと水を与えてあげてください。ただし、多湿になってしまわないように注意する必要があります。夏場の水やりで注意が必要なのは、日中気温が高くなる時間帯に与えてしまうことです。
与えた水が大変熱く熱されてしまい根腐れを起こしてしまうケースがありますので、気温が下がり涼しくなる時間帯に水やりをすることが好ましいです。夏の暑いシーズンは、強い日射しを遮るために日陰へ移動させてあげて水やりをおこないましょう。
日射しを避けることで秋頃までみずみずしい葉を保つことができます。庭植えをしている場合の肥料は、植え付けをする際に土に腐葉土などを混ぜておくことによってその後は特に与える必要はありません。春頃に芽が出始める頃には、
株の周囲に緩効性化成肥料をまいておくと生育がよくなり株が増えますのでおすすめです。鉢植えで育っている場合には、3月から6月と9月頃に与えていきます。やり方は月に1回くらい置き肥をしたり、液体状の肥料を月に3から4回くらい施してあげるとよいでしょう。
増やし方や害虫について
アマドコロの増やし方には株分けがおこなわれています。株分けをする場合には春の初め頃に芽が出始める前におこなうことがおすすめされています。秋頃におこなう場合には、落葉後におこなうことが好ましいとされています。株の分け方は、根茎が枝分かれして増えますので、
分かれているつけ根部分のところで切り分けをしていきます。株分けをして植え付けていく場合にポット苗は1年中植え付けをすることができます。根茎は芽の位置と伸びていく方向などを確認しながら配置していくようにしましょう。
根茎を横に寝かせておいて5センチメートルくらい土をかぶせてあげてください。鉢植えにしていく場合は、5から6号くらいに鉢が適していますが、根茎の大きなものもありますので株分けをした際に少し小さめの根茎を選んで植えるとよいでしょう。
庭植えではなく鉢植えにすると根茎の伸びる範囲が限られてきますので、草丈もそれほど高くならず葉も比較的小さめになります。庭植えをしている場合には4、5年は植えたままにしておいても大丈夫です。鉢植えで育っている場合は芽の位置が偏ってしまうことがありますので、
2、3年に1度は植え直しをしていくことがおすすめです。アマドコロの病気はあまり見られませんが、さび病などが発生することがあります。株が込み合ってきて風通しが悪くなると発生する可能性があります。害虫にはコウモリガがあり、茎の部分に幼虫が入ってしまうことがありますので発見したら駆除しましょう。
アマドコロの歴史
アマドコロは、クサスギカズラ科アマドコロ属の多年草のことを言います。クサスギカズラ科は、クサスギカズラ目に属する単子葉植物の科の一つで被子植物のうち1枚の子葉を持つことで特徴づけられています。アマドコロ属は北半球の温帯地域におよそ30種ほどが分布しています。
アマドコロ属は学名ではポリゴナツム属と言うのですが、ポリゴナツムはギリシア語の多いという意味があるポリスと、節という意味があるゴヌからなり、地下茎に節が多い様子に由来しています。英語表記では、King Solomon's sealと言います。
アマドコロはヨーロッパや日本、朝鮮半島、中国などが原産で園芸ショップなどでも販売されています。日本国内には、およそ11から12種類ほどが自生しています。生息地は山地などで茎や根茎部分に甘味があることから山菜として食用に利用されてきました。
根茎部分は天ぷらなどにすると美味しく食べることができ秋の終わり頃がシーズンです。昔は茎葉が枯れたのち根を掘り上げて乾燥させて煎じ薬として利用されていました。アマドコロは漢字で表記すると甘野老で、地中の根茎の姿形がヤマノイモ科のオニドコロに似ており甘みがあることから、
このような名前が付けられました。アマドコロとよく似ている仲間には、ナルユリやヒメイズイなど11種類ほどがあるとされています。ナルユリは特に判別するのが難しいくらいによく似ている植物として知られています。
アマドコロの特徴
アマドコロは、地中に根茎を伸ばして春頃になると地上に芽を出して花を咲かせます。根茎は黄白色の円柱形で横に伸びてところどころに節があります。4月頃から5月頃になると地下茎の先から6稜の角ばった1本の茎を出します。
1本の軸の左右から交互に笹の葉に似たような細長い葉を付けるのが特徴です。その葉の付け根部分からは、1、2個の花をぶら下げるようにして開花します。その姿はすずらんにも似ています。形は少し細くて釣鐘型で裾が少し開きます。
茎の部分にはゆるい角が付いているのが特徴で茎の断面は多角形のようになっています。開花するシーズンは、4月初め頃から6月中旬くらいになります。茎は斜上して高さはおよそ30センチメートルから80センチメートルほどで上部には稜角があります。
葉の形は長楕円形で長さはおよそ10センチメートルほどになり表面がやや堅くて厚みがあり下面は粉白を帯びています。アマドコロとよく似ているナルユリの場合は、茎がマドコロのように角ばった稜線がなくて円柱状となっています。花が1ヶ所から3個から8個くらい吊り下がるという特徴がありますので、
よく見ると区別することができます。アマドコロの根茎を乾燥させたものは玉竹と呼ばれている生薬は、滋養強壮に効果があるとされています。日本薬局方などに収録されているようなものではなく民間薬として利用されてきました。伝統的な漢方方剤ではあまり使われることがありません。
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