タニウツギの育て方

タニウツギの育てる環境について
タニウツギの育て方としては、日当りのよい場所を選んであげることが大切です。樹勢強、耐暑性強、耐寒性強などに優れている植物ですので、肥沃な土が好ましいですが水はけのよい場所でしたら土壌を選ぶことなく耐えてくれます。育て方として庭植えや鉢植え、
花壇などに植えたりコンテナなどで育てることもあります。日当りのよい場所が最適ですが半日陰でも育てることができる強さがあります。鉢植えなどで栽培している場合、日当りを好みますが夏場は特に西日に晒され続けてしまうと乾燥しやすいですので半日陰に移動させてあげることがおすすめされています。
タニウツギはとても丈夫で枝が伸びていきますのでメンテナンスとして剪定をおこなうことがあります。タイミングとして12月頃から3月上旬頃に込み入っている枝やからんでしまっている枝などをカットしていきます。放置したままで邪魔になってくるようでしたら、
開花後になってから剪定をおこなっていきましょう。花が咲き終わったらできるだけ早くお手入れしていくようにしましょう。秋以降になってからおこなおうとすると、花芽を落としてしまうことがあり翌年に開花する数が減ってしまいますので注意してください。
開花するのは前の年に伸びた枝だけですので、この枝をカットしてしまわないようにすることが重要です。古くなってきた枝を剪定して枝を整えて樹形を維持するようにしてください。花芽ができ始める時期は強い剪定は控えましょう。
種付けや水やり、肥料について
使用する用土は、赤玉土をベースとした腐葉土や黒土を混合して植えつけすることがおすすめされています。鉢植えは2、3年に1度くらい替えていくことが好ましくタイミングとしては2月頃から3月頃が適しています。庭植えにする場合は、11月頃から3月頃におこなっていきましょう。
タニウツギは肥料を吸収する力が非常に強いですので、植え付けをする際に堆肥や腐葉土を入れておけばその後は特別肥料を使用しなくても生育することができます。寒肥として2月頃に堆肥と油粕かや緩効性肥料などを施してあげたり、やせ地の場合は肥料を施すことも必要ですが、
肥料は与え過ぎてしまうと枝が伸びて茂り過ぎてしまうことがあります。伸び過ぎによって樹形を乱してしまわないようにやり過ぎには注意するようにしてください。庭植えで育てられることが多いですが、その場合は自然に降っている雨で十分だとされていますので育てやすい植物です。
庭植えの場合は一度根付いてしまえば水やりの必要はありませんが、日照りが続いたり真夏の気温が高くなるシーズンは水やりをしてあげてください。夏場は乾燥しやすいですので根元などに直射日光があたるような場合は注意するようにしましょう。
鉢植えで育てていくような場合は、夏場はとくに水切れになってしまいやすいですので水やりを意識するようにしてください。水やりをする場合は、気温が高くなる午後よりも朝方や夕方くらの涼しい時間帯がおすすめです。
増やし方や害虫について
タニウツギの増やし方には、挿し木による方法が用いられています。挿し木の方法には前の年に伸びた枝を利用した春挿しと、春に伸びた若い枝を利用した梅雨挿しとがあります。春挿しで増やしていく場合は、芽が出てくる前の2月下旬頃から3月中旬頃におこなうことが適しています。
梅雨挿しによる方法の場合は、6月下旬頃から7月頃におこなうことがおすすめされています。どちらの方法でおこなう場合でも比較的元気のある枝を選ぶようにしましょう。枝はおよそ15センチメートルから20センチメートルほどにカットして、
1時間ほど水にさらして吸収させるようにしてください。赤玉土や鹿沼土に挿した後は乾燥させてしまわないように育ててあげることで翌年には花を咲かせます。タニウツギの主な害虫にはアブラムシが挙げられます。新芽あたりに発生することがありますので取り除いてあげてください。
病気には、ウドンコ病やすす病などを発生することがあります。ウドンコ病は梅雨のシーズンに発生しやすいとされています。日当りと風通しの良い環境を整えてあげることが大切です。すす病というのはアブラムシなどの排泄物が原因で発生することがあります。
すす病が発生してしまうと葉の部分が黒っぽく覆われてしまい美観が損なわれてしまいますし、光合成を阻害されてしまいます。アブラムシなどのように植物の汁を吸う害虫の排泄物を栄養として繁殖してしまいますので、アブラムシ駆除が重要です。
タニウツギの歴史
タニウツギはスイカズラ科タニウツギ属の落葉小高木です。スイカズラ科の多くは木本で一部はつる性や草本です。タニウツギは田植えをするシーズンに開花することもあって田植え花と呼ばれることもあります。その他にも早乙女花と呼ばれることがありますが、
これは花を取って開いた側を下にして水に浮かべた様子が早乙女が菅笠をかぶって田植えしている姿のように見えることから名付けられたとされています。日本原産で北海道の西側や本州の東北地方や北陸地方などに分布しています。生息地は、日本海型気候の山地の谷沿いや斜面などが多いです。
タニウツギという名前からも分かるように、沢や谷などのような水が流れている場所に生息していることが由来しています。日本国内以外では、北アメリカや中国、朝鮮半島などにも分布しています。日本にはおよそ10種類ほどが自生しているとされています。
開花するシーズンは5月頃から6月頃で、アジサイが咲き始める梅雨のシーズン頃にピンク色の可愛らしい花を咲かせます。タニウツギの花の色はとても美しいことから、古い時代から庭園などに植えられて観賞目的で栽培されることがありました。
タニウツギは和の趣がある庭に合うだけではなく、西洋風に仕上げられている場所にも合わせることができます。高温多湿の日本の環境でも育つことから株が覆われてしまうほどの花を美しく咲かせます。初心者の方でも比較的育てやすい植物だとされています。
タニウツギの特徴
タニウツギの樹高はおよそ2メートルから5メートルほどになり、樹皮は灰褐色で縦に裂けてはがれ落ちていきます。葉は長さがおよそ3ミリメートルから10ミリメートルほどの葉柄があり対生し、長さはおよそ4センチメートルから10センチメートルほど、
幅は2センチメートルから6センチメートルほどになります。形は卵型のものや長楕円形などがあり先端部分は鋭先頭で尾状で、縁には細かい鋸歯があり裏面は全面に白い毛が見られます。開花シーズンには、枝の先端か葉腋に散房花序をつけ漏斗状の淡いピンクの花を咲かせます。
萼片は5枚で長さはおよそ4ミリメートルから7ミリメートルほどです。雄しべは5本あり、雌しべの花柱は糸状で長く突き出ています。花冠の内側よりも外側の方が色が濃く、開花しているものより蕾のほうが濃いのが特徴です。蒴果は長さがおよそ1.2センチメートルから1.8センチメートルで、
径2.5ミリメートルから3ミリメートルほどの細い筒状になり、種子は長さ1ミリメートルほどの楕円形になります。園芸品種には花の色が白いシロバナタニウツギやオオベニウツギなどが取り扱われています。オオベニウツギは、紅色の花を咲かせます。黄色の斑入りの葉をもつ
‘オーレオ・バリエガータや紅色の花をたくさんつけ樹勢が強い‘ブリストル・ルビーなどがあります。オオベニウツギは葉が小さめなのが特徴です。ハコネウツギと呼ばれている品種は、花の色が白からピンク色に変化していくという特徴を持っています。葉は大き目で裏側に毛は生えていません。
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