フッキソウの育て方
育てる環境について
フッキソウの生息地は北海道から九州と日本全国に広く分布しています。実際には、これらの地域にある山地の林内に自生しています。林の木の根元を探すと見つけることができます。育てる場合には、日陰ではあるが、ある程度明るい場所と、湿気を確保しましょう。
乾燥が続くと生育が止まってしまいます。フッキソウは通常どんどん成長していって、その面積を広げていきます。面積を広げたい場合には、乾燥しないように注意をしましょう。また、耐寒性・耐暑性にすぐれているので、1年中戸外で栽培することが可能です。
環境への適応性がありますので、日当たりが良くても育つことが可能ですが、葉焼けすることもあります。日陰でも育つのが特徴となっていますが、暗すぎると密生しないので注意しましょう。密生させたい場合には、ある程度の日差しが必要です。
このような特徴からとても育てやすい植物となっています。育て方が簡単なので、園芸初心者にもおすすめの品種と言えます。観賞用の花などと一緒に栽培することをおすすめします。では、実際に栽培した場合どんな作業が必要になるのでしょうか。フッキソウの場合、
植えっぱなしでも枯れることはありません。植えるだけでいいのです。自分の好みにカスタマイズしたい場合にのみ作業が発生します。例えば、草丈を低くしたい場合には、茎の先端を刈り込みが必要です。また、成長により、予定していたよりも面積が広がりすぎた場合には刈り取りが必要になります。
種付けや水やり、肥料について
常緑性の植物なので、植え付けはいつでも可能となっています。ホームセンターや花屋などでポット苗を購入して植えましょう。花は4月から5月に咲くので、見たい方はその前に植え付けを行うことをおすすめします。グランドカバーにしたくて庭に植え付けをした場合、
根付いてしまば何もしなくてもいいのですが、植えつけた当初は手をかける必要があります。まずは、強い日差しや寒風を防ぎましょう。次に乾燥にも注意が必要です。乾燥しないように水やりをしましょう。手のかからない植物であるフッキソウですが、植え付け当初だけは、
以上の点に注意を栽培する必要があります。根付いてしまえば何も手がかかりませんので、最初だけちゃんと手をかけてあげましょう。また、水やりですが、庭に直接グランドカバーとして植えた場合には、ほとんど必要ありません。夏場など乾燥した日が続いた場合に少し水をやるくらいで大丈夫です。
一方鉢植えの場合は、用土が乾燥してきたらたっぷりを水をやる必要があります。環境への適応性が優れ、乾燥にも強い品種ですが、魅力である緑の葉を美しく保つためには乾かさないようにする必要があります。また、肥料ですが、庭に植える場合、
植え付けの際に腐葉土などを混ぜればあとは特に追加する必要はありません。植え付けをしたらそのままにして育てましょう。フッキソウはそのままにしてもどんどん成長していきます。鉢植えの場合には、春と秋に緩効性の肥料を施すとよいでしょう。
増やし方や害虫について
フッキソウは株分けやさし木でふやすことが可能です。株分けの場合には、春や秋に行います。茎がほふくをするように横に伸びていきますが、土に接したとこで新しい根が出てきます。この新しい根を切り分けて植えつけます。鉢植えの場合には、植え替えのタイミングで、
この新しい根があるかどうかを確認して切り分けることをおすすめします。庭に直接植えている場合には、切り分けなくても、茎が横に伸びていきその範囲を広げてくれるので、そのままにしておいてよいでしょう。次にさし木ですが、これは1年中可能となっています。
元気の良さそうな茎を切り取り、新しい場所に埋めて増やします。庭にグランドカバーとして栽培した場合、その密度が一定にならないこともあります。グランドカバーなので、一定の密度で葉が生い茂っているのが理想です。一定にしたい場合には、
密度が薄い場所にこの株分けやさし木で調整することをおすすめします。フッキソウは病気や害虫にはとても強く、特に注意が必要な病気や害虫はありません。通常、害虫を駆除するために駆除剤などが必要になりますが、それも必要ありません。庭に植えた場合、
維持費として肥料や駆除剤の費用もかからないので、植えてしまえばとてもリーズナブルに栽培をすることができます。乾燥や強い日差しに気をつけて栽培するだけで、いつでも緑の葉を楽しむことができるのです。フッキソウは手軽に、そしてリーズナブルに緑を楽しみたい方におすすめの品種となっています。
フッキソウの歴史
フッキソウは日本原産のツゲ科の植物です。北海道から九州まで日本のどこでも見つけることができます。フッキソウは半低木で、その丈はあまり高くないので、おもに、グランドカバーとして栽培されています。濃い緑色の葉が幾重にも茂る様子や、いつでも葉があることから、
繁栄を意味するとされ、富貴草や吉日草、吉祥草など縁起のいい名前でも呼ばれています。その葉については縁起が良いとされていますが、花については観賞価値があまりありません。その花は小さく小ぶりになっています。また、フッキソウは日本だけでなく中国に分布していて、
緑葉種と斑入り葉という2種が園芸品種としてあります。栽培したい場合にはこの2種から選びましょう。実は、江戸時代にもフッキソウがあったことがわかっています。江戸時代の後期にシーボルトが日本を訪れ、日本の植物の標本や行きた植物を送っています。
その送った植物の中にフッキソウは含まれていたのです。シーボルトが送った植物は現在でも、オランダのライデンにある国立民族学博物館や植物園で見ることができます。オランダに訪れた際に立ち寄ることをおすすめします。どのような植物が江戸時代にあったのかを、
見学することが可能となっています。ライデンにある国立民族学博物館においても、植え込みのグラウンドカバーとしてフッキソウが植え付けられています。フッキソウが江戸時代からあり、その頃からグラウンドカバーとして栽培されていたことがわかります。
フッキソウの特徴
フッキソウは観賞用の花としてではなく、グランドカバープランツとして利用されることが多い植物です。日陰でも育つことから、建物の周囲や樹木の陰になるような場所に植えられています。常緑性なので、1年中濃い緑の葉を楽しむことができます。
また、耐寒性や耐暑性に優れているので、温度なども気にする必要がありません。手入をほとんどしなくても緑を維持してくれ、枯れることがないのです。実は、欧米では早くからグランドカバーとして用いられてきました。日本においては、最近になってグランドカバーの利用が盛んに行われています。
観賞用の植物ではありませんが、春になると白い花が咲きます。雌雄同株の花で、穂の下に雌花、上に雄花がつきます。雄花は大きく4本の白い雄しべをはっきりと確認することができます。白い花が咲いたら観察してみることをおすすめします。ごくまれに、秋に白い実がなることがあります。
また、フッキソウは薬草でもあります。通常はその実を乾燥させて使用します。有効成分としてステロイド、O.ヂアセチルパキサンドA、B、テルミナリンなどが確認されています。また、アイヌ民俗では古くから薬草として使用されていました。茎や葉などを煮て、
その湯気を用いて風邪薬にしたり、乾燥させて胃腸薬にしていたと言われています。他には、中国の民間療法で、全草をリウマチや月経過多に用いています。フッキソウ属には品種が4種があります。北米産のパキサンドラ・プロクンベンスや、タイワンフッキソウなどです。
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