パンパスグラスの育て方

パンパスグラスの育て方

パンパスグラスの原産地はアルゼンチン・ブラジル南部とされていて、南米のパンパと言われる地域に自生している事からこの名前がつけられました。原産地であるアルゼンチン・ブラジル南部では、紙の材料にも使用されていました。生息地は世界各国に広がっています。

パンパスグラスの種付け

パンパスグラスは、タネが市販されていて、タネからでも容易に栽培する事ができます。種付けに適しているのは、4月~5月頃です。赤玉土小粒やタネ蒔き用土にまいて、タネが隠れる程度に覆土します。発芽後はしばらくの間ゆっくりと成長しますが、ある程度の大きさまで成長すると勢い良く成長を始めます。

種付け後発芽した小苗を直径28センチの6号鉢に植え替えることで、数ヶ月で鉢いっぱいに成長します。鉢植えを直接地面に置いて栽培してしまうと、気付かないうちに鉢穴から根が伸びて、あっという間に鉢を動かせないほどに成長してしまいます。苗を植えつける場合は、種付けと違って、3月~7月までの間に行います。

苗は春頃から入手できますので、苗を入手したら痛んだ根が無いか確認し、痛んでいるものがあれば取り除いてから植えつけるようにします。普通の種類は高さが2メートルを超えて、横にも広がっていきますので、庭植えに向いています。

日当たりのよい場所に、元肥は痩せてしまっているようなら牛糞などを混ぜるようにし、水はけが悪いようであれば腐葉土などを混ぜ合わせてから、株と株の間を2メートル程度空けて植え付けます。最近は小型の品種も販売されているので、小型の場合は鉢植えでも栽培する事ができます。

鉢植えの場合、鉢の大きさは7号以上のものを準備して、土は小粒赤玉土と腐葉土を混ぜ合わせたものを用意しますが、普通のものでも大丈夫です。小型の品種を庭に植えつける場合は、50センチ~1メートルの間隔を空けて植え付けをします。

パンパスグラスの育て方

パンパスグラスの育て方で一番重要なのは日当たりですので、日が良く当たる場所で栽培します。真夏の直射日光の中でも弱ることなく元気に育ちます。冬の寒さにはやや弱く霜が降りてしまうような場所は栽培に不向きです。特に株が小さいうちは寒さで傷みやすいので気をつけます。暖地では問題なく庭植えでも冬を越すことができます。

多湿にはやや弱いので水はけの悪い場所では高植えして土壌改良をした方が良いでしょう。冬の間、霜が付いてしまう場合は軒下で管理をして、マイナス3度以下になるような場所では切り戻しを行ったあと、腐葉土や枯れた葉をかぶせて根や株元を保護します。葉が激しく痛んでしまっても芽や根が無事であれば春にまた芽を吹きます。

肥料は多く必要ありませんが、大きく育てたい場合は春頃に骨粉入りの固形油粕をあたえる程度で十分です。鉢植えの場合は同じく春頃に暖効性の化成肥料などを与える程度にします。水やりは鉢植えの場合も庭植えの場合も植え付け後しばらく根付くまでの1ヶ月程度の間と真夏に2週間以上雨が降らない様な場合は水を与えるようにしますが、その他の期間は特に水やりの必要がありません。

冬の間は生育しないので表面が乾燥していても控えめに与えるようにします。どんどん大きく育ちますが、植えた後に大きく育つことを防ぎ、保つ事は困難なので、最初から根域制限鉢などを使って根を伸びないようにするしかありません。庭植えの場合は最初の植え付け場所をよく見極めるようにしましょう。

パンパスグラスの育て方のポイント

小型品種を鉢植えした場合には、毎年植え替えをすると良いでしょう。植え替え時期は3月下旬から4月頃が最適で必要であれば株分けをして植え替えるようにします。日常の手入れのポイントは花穂が終わり、冬支度を始める際には、大きな饅頭のような形に刈り込みをします。

完全に根元から刈ってしまうと霜や雪の冷気が根元にまで及んでしまい、枯死してしまいますので、こんもりとした大きな饅頭型に刈り込みます。高さの目安は80センチ程度ですが、小さく刈り込む事で広がりを防ぐ事も可能です。ですが、この作業は邪魔にならなければ必要ありません。

完全に根元冬の間に枯れてしまった葉は、防寒の意味でそのままにしておき、暖かくなって新芽が伸び始める頃に取り除くようにしましょう。この時に枯葉を切り取る様に根際から切り取るようにすれば枯葉が見苦しくなる事はありません。作業をする際には、葉が鋭くケガをしてしまう場合もあるので手袋をつけて作業をするようにします。

また、秋の台風や長雨などで、花穂が傷む事がありますので、早めに切って、切り花やドライフラワーとして楽しむのも良いでしょう。パンパスグラスは株分けで増やす事ができます。3月~4月・9月~10月頃が最適な時期ですが株が大きいのではさみで切り分ける事は困難な作業になりますから、大きめの剣型スコップで切り分けると良いでしょう。

とても強い植物なので病害虫の心配はありません。花穂が付かないようであれば、一番の原因として日光不足が挙げられます。本来の自生地では荒れた痩せ地にパンパスグラスがコロッとコロニーを作り、日光を独占しているのです。日光が少ないだけで枯れたりはしませんが、花穂はつきませんので、花穂がつかない場合は日当たりと風通しを確認しましょう。パンパグラスは育て方も簡単なので初心者の方でも簡単に栽培できます。

パンパスグラスの歴史

パンパスグラスの原産地はアルゼンチン・ブラジル南部とされていて、南米のパンパと言われる地域に自生している事からこの名前がつけられました。原産地であるアルゼンチン・ブラジル南部では、紙の材料にも使用されていました。生息地は世界各国に広がっています。

パンパグラスはニュージーランド・南アメリカ・ニューギニアに分布するススキに似たイネ科の多年草とされていて、ピンク色の花穂をつけるものや、葉に黄色・白などの模様が入るやアルボリネアタ、草丈が1メートル程度に収まるプミラなど約20種類が知られています。

日本に入ってきたのは明治中ごろに渡来したセロアナ種とされていますが、現在では野生化されています。和名ではシロガネヨシと呼ばれていますが、分類上はヨシとは異なる植物です。雌雄異種株の植物で、雌株の花穂に長い毛があります。

パンパスグラスの特徴

パンパスグラスの特徴は草丈が大きなもので3メートル程になります。ススキを巨大化し、ワイルドな雰囲気にしたような花穂が魅力です。風に揺れる姿は優雅で風情もあります。日本では、公園や庭園などに植えられていますが、他にも花穂の部分は切り花やドライフラワーとしても用いられています。

主な開花時期は秋で、ふわふわとした銀白色に輝く、大きな雌穂をつけます。花穂の長さは約70センチで、まるで絹糸のような光沢のある毛が密生しています。雌雄異株で、茎先の下のほうに行くほど枝分かれする回数が多く、全体を見ると楕円になる円錐花序の容姿をしています。花穂は、雌株の方が長くなっています。

葉は線のような形をしていて、中助が太く、カサカサとした質感で、縁はとても硬くなっていて、鋭く細かい歯が並んでいます。剃刀のようになっているので、不用意に触れてしまうと、ケガをしてしまう事もあります。花の後にできる実はイネ科の果実で、薄い木質の果皮が種子に密着しているものが生ります。

属名であるコルダレリアは、アルゼンチン名の切るという意味のコルタデラに由来していて、これは葉の緑のギザギザした形状にちなんでいます。種小名のセロアナはドイツの園芸家のセローの名前に由来しています。

イネ科の植物なのでイネ花粉アレルギーの人には注意が必要です。寒さにはやや弱く冬になると葉先が枯れてしまいますが、南関東より南の地域では、そのままで冬を越すことができます。家庭の庭であまり見かけることはありませんが、栽培環境を工夫すれば広い庭でも育てる事ができます。

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