デンドロビウム(キンギアナム系)の育て方

育てる環境について
デンドロビウムの育て方としては、できるだけ日当りのよい場所で管理することがおすすめです。日光にあてながら栽培することで葉などが丈夫になっていきます。戸外へ出すタイミングが遅くなってしまいますと夏の初めから秋頃までは日射しをコントロールしてあげないと葉焼けを起こしてしまうケースがあります。
そのため、できるだけ4月頃から戸外へ置いて日光にあたるようにしてあげましょう。気温が15度以上になってくる春頃は半日以上直射日光があたり風通しのよい場所に移動させてください。ただし、夏場は気温が高くなり日射しも強くなりますので、
葉焼けをしてしまわないように20パーセントから30パーセントほど遮光してあげることが好ましいです。デンドロビウムは自然でも気温が5度くらいのところで自生していますので、秋頃になっても室内に移動せず少し寒さに触れさせることも必要だとされています。
およそ2週間ほど寒いところに置いてから室内へ移動させるようにしましょう。耐寒性に優れている植物ではありますが、強い寒波や朝方冷え込みそうな場合には、保温対策を施してあげることがおすすめです。梅雨の時期などは雨に晒され続けることで傷んでしまうことがありますので、
軒下やベランダなどに移動させるようにしてください。開花する時期は2月頃から5月頃ですが、最低温度が15度くらいの場合は2月頃に開花し、10度くらいでは3月頃、最低気温が3度4度くらい低い場合は4月5月くらいに開花します。
種付けや水やり、肥料について
デンドロビウムは春から夏頃には土の表面が乾燥してきた場合にたっぷりと水やりをおこないます。夏は特に乾燥しやすいですので完全に水切れになってしまわないように注意が必要ですが、暑いシーズンは生育が止まり休眠しますのでやり過ぎてしまわないようにしてください。
気温が下がってくる秋頃にも土の表面が乾燥してきたら水やりをしますが、水やりをし過ぎてしまうと花芽のできにくい株になってしまう可能性がありますので注意してください。冬から春頃にかけては土の表面が乾いてから水やりするようにし、
花が咲いていますので完全に乾燥してしまわないように注意しましょう。新芽が伸び始めてからバルブが完成するまでの間は比較的多めに水やりをすることがおすすめです。花芽が伸び始めている時期に水不足になってしまうと開花せずに落ちてしまうことがあります。
11月12月頃は水を控えて寒さに触れさせることによって花芽をつけます。寒い時期に戸外に置くことは躊躇しがちですが花芽が付いてきたら室内に移動させてください。肥料は少なくても生育する植物で育てやすいですが、肥料を与える場合には、
気温が15度くらいになってきた春頃から8月上旬頃に液体肥料などを施すことがおすすめです。その他にも固形で油かす系の肥料を置き肥したりするのもよいでしょう。秋冬などは肥料を与える必要はありません。秋を過ぎても肥料を与え過ぎてしまうと高芽を増やしたり開花しなくなってしまう可能性がありますので注意しましょう。
増やし方や害虫について
デンドロビウムの増やし方には株分けによる方法や、植え替えによる方法がおこなわれています。株分けは小さく分け過ぎてしまうと生育が悪くなってしまいますので、少なくても5バルブほどはつけるようにしましょう。株分けをおこなう場合に、
株の頂部に高芽を出すことがありますのでこのような場合は高芽に根が出て来てから摘み取って小さな鉢へと植え付けをおこないましょう。高芽は放置したままにしていると茎から栄養を奪ってしまいますので注意してあげてください。植え付けや植え替えをおこなう時期は4月5月頃で、
植え替えは2年1度はおこないます。開花する時期が遅かった場合などは、早目に花をカットして植え替えをおこなっていきます。植え替えをおこなう場合の用土は水苔など保水力の高いものがや、水はけのよいバーグ、軽石などが入った用土などが利用されています。
デンドロビウムの株は自然に形が整っていきますので支柱などを利用するなどの対策は特に必要ありません。メンテナンスとして花がら摘みをおこないますが、花が終わる頃になったらバルブと葉を残して花茎を根元からカットしていきます。
デンドロビウムは比較的病気や害虫が少ないとされていますが、アブラムシやカイガラムシなどが発生することがあります。花芽が伸びてきた時にアブラムシが発生することがありますので対処してあげましょう。その他にお株が込み合っているとバルブにカイガラムシが付いてしまうことがあります。
デンドロビウム(キンギアナム系)の歴史
デンドロビウムは、ラン科セッコク属の学名カナ読みでセッコク属に分類される植物の総称のことを言います。デンドロビウムは、原種の形態の多様性の高さや品種数の多さから系統別に分けられることが一般的となっています。デンドロビウムは熱帯アジアを中心として1000種類ほどがあり、
オーストラリアやポリネシア諸島なども生息地となっています。オーストラリア原産の原種デンドロビウム・キンギアナムをもとに交雑育種されてきた交配種群をキンギアナム系と呼んでいます。西はスリランカやネパール、東はサモアの方にまで広がっています。
デンドロビウムは、dendronがギリシャ語で木という意味があり、biosは生活という意味があり、野生では主として樹上に着生します。日本国内にはセッコクやキバナノセッコク、沖縄セッコクなどの種類が自生しています。セッコクは伝統的な古典園芸植物としても利用されています。
一般的にデンドロビウムは園芸種の洋ランとして栽培されているもののことを言います。洋ランは観賞することを目的として栽培されているもので、熱帯起源のラン科植物及びその交配品種のことと言います。さまざまな種類がありますので、
色や形なども種類によって特徴が異なります。花の色は赤紫やピンク色、ホワイトなどが多く見られますが、最近ではイエローなどの花を咲かせる交配種なども登場してきています。香りも種類によって異なりますが、比較的強く香るものが多いとされています。
デンドロビウム(キンギアナム系)の特徴
デンドロビウムはいくつかの系統に分けられるのですが、ノビル系は棒状のような茎を伸ばしていき葉をつけて葉が落ちていった茎から開花します。茎の上半分に開花する姿が美しいのが特徴です。デンファレ系は、デンドロビウム・ファレノプシスと呼ばれる
原種と近縁種との交配種などからなる一群のことでノビル系と茎や葉の形は似ているのですが、花が茎の先端部分から咲きます。長い花茎を斜めに伸ばしてたくさんの花を穂のようにつけるのが特徴です。ギンギアナム系は石斛系ノビル系の一部ですが、比較的耐寒性に強いとされています。
茎は細くて先端部分に葉が集まっています。茎の先端から上に伸びる花茎に小さくてパープル色で美しい花を咲かせます。フォーミデブル系は、デンドロビウム・フォルモーサムやその近縁種からの改良品種で、白く大きくてカトレアのような花を茎の先端部分に咲かせます。
カリスタ系は、全体が垂れ下がるようにして咲くものがあり、花は房のように咲きます。日本で広く普及しているデンドロビウム・キンギアナムは、本州南部以南では年間を通じて屋外で育てることができます。小さくて美しい花と香りがよいことから人気があります。
常緑の多年生草本で直立をする偽球茎を束生して高さはおよそ8センチメートルから30センチメートルほどになります。花は茎頂部分から立ち上がる花茎の上に3個から10個ほど咲かせます。花の色は濃いめのパープルからホワイトまでさまざまです。
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